新たなライフスタイルとして注目されるFIRE。早期リタイアしたあとも自由になるほどのお金を得るためには何をしておけばいいのでしょうか。今回、メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、FIREを成功させた著者によるお金と仕事の話をまとめた一冊です。
株式投資で財を成してFIREを成功させた著者⇒『60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話』
『60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話』
榊原正幸・著 PHP研究所
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、経済と会計の専門家であり、自身、株式投資で財を成してFIREを成功させた、榊原正幸さんによる一冊。
著者は、東北大学大学院経済学研究科教授、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授を経て、21年に自主定年退職。
現在は、東京・青山を拠点にしてファイナンシャル教育の普及活動に力を注いでいるそうです。
実体験に基づいた日本版FIREの指南書『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』が良かったので、この続編も期待して読みましたが、こちらはまさに60歳以降、定年後をリアルに考えるための本です。
※参考:『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』
迫り来るインフレと財産税にどう対処するか、60歳以降の仕事や資産運用をどうするか、この世代にとってはリアルな問題に、明確なアドバイスを提示しています。
20代の方、30代の方は、40代、50代になってから慌てないために、今からここを見据えて資産運用や人生設計を考えておくと、いいと思います(大体、50代本、60代本をその年齢になってから読んでも遅いんです)。
著者が考える、自由な老後の「3本の矢」は、「イヤじゃない仕事」「副業」「株式投資による運用」。
それぞれ、どのように行えば自由な老後が実現できるか、実体験に基づいたアドバイスがなされています。
<「株式投資」の具体策>では、安全、安心な投資先を選ぶための基準が示されており、巻末には付録として、「国際優良企業」「財務優良企業」のリストも付いています。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
■自由な老後の「3本の矢」
「イヤじゃない仕事」
「副業」
「株式投資による運用」
決断のためには「仕事とお金」から自由でなくてはならない
仕事のない人生なんて、最初は楽しくても、結局はヒマなだけで、ろくなことはありません
日本の政府・財務省・日銀にとって、インフレは「国策」
■財産税課税に対処するための四つの方法
1 金融資産をあまりたくさんは持たない――コト消費のススメ
2 なるべく金融資産以外のモノで財産を持つ――モノ消費のススメ
3 居住用財産を持つ
4 海外に財産を移す
車やバイク、絵画や時計、骨董品などの趣味がある方は、そういったモノを買っておくと、よほど高額なモノでない限り、財産税課税の対象にはならないでしょう
インフレ対抗力がある資産を持つこと
金地金の購入は「ハイパーインフレ対策保険」
本業をやっている間に、「一生やることができる副業」を見つけてください
ちゃんと稼げることでないと、面白みも少ないし、責任感もないし、飽きやすい
好きな仕事は一生辞めてはならない
40代からの転身については、大幅な軌道修正ではなく、現状を維持しながら、プラスアルファを狙う
「仕事ばかり」の生き方をしていると、定年後に仕事がなくなったことで「何をしていいのかわからない」という状況に陥ってしまう
不動産投資の最大のリスクは「金利」
行動力を発揮できる適齢期は40代前半から50代後半くらいまで
副業を始める場合に重要なことは、「借金をしない」ということ
配当の受け取りという「インカムゲイン」と、売却益という「キャピタルゲイン」を両方狙う
著者の本の良いところは、実際にその年齢になった時の「感じ方」や「賢明な考え方」が書かれている点。
老後に慌てないよう、予め備えておきたいという方には、ピッタリの一冊だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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