テレビなどで「コレを食べると健康になる!」などとうたう広告をよく目にしますよね。実は、これらは「とても疑わしい」というのが現実のようです。メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、 ハーバード公衆衛生大学院を卒業した著者が書いた、健康に関する真実を見抜く本格的な一冊です。
「買い」の一冊⇒『健康になる技術大全』
林英恵・著 ダイヤモンド社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、ハーバード公衆衛生大学院を女性で初めて卒業した、林英恵さんによる健康バイブル。
じつは林さんは、土井が「エグゼクティブ・ダイエット」に成功した時の健康面の師匠で、その師匠が初めて本格的な健康書を書いたということで、個人的にも大興奮しております。
ハーバード公衆衛生大学院元学部長のイチロー・カワチ氏、ハーバード公衆衛生大学院ダナファーバーがん研究所教授のK・ビシュワナシュ氏、ベストセラー『統計学が最強の学問である』の著者、西内啓氏が揃って絶賛する、信頼のおける一冊です。
健康番組などではよく、「~を食べると認知症に良い!」といったうたい文句を見かけますが、じつはあれは学術の世界では「還元主義・リダクショニズム(reductionism)」と言われ、かなり疑わしい表現。
健康というのものは、何かを食べたらすぐに何かが良くなるような、単純なものではないのです(詳しくは、本文を読んでください)。
本書では、こうした健康ノウハウにありがちな過ちを正し、正しくエビデンスを読む技術を伝授。さらには、すぐに実践できる食事、運動、睡眠のノウハウも提供しています。
もちろん、正しい情報を知っていたからといって、正しい行動が取れるわけではありませんが、本書では、その点もカバーしています。
何がわれわれの行動に影響しているか、目に見えない環境要因や、悪い行動を避ける方法、新しい習慣を身につける方法、健康に影響を与えるストレスの管理法や感情コントロール法までがまとめられており、まさに「大全」の名にふさわしい一冊です。
サプリメント会社や大手食品メーカーにとっては、じつに都合の悪い内容ですが、お金を払ってでも正しい健康知識を身につけたい読者には、これ以上ないバイブルだと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
よくある、「テレビで○○先生が言ってたから」とか、「XX委員会の報告書によると」というのは、権威のある人や組織でも、きちんとしたデータや研究の結果に基づいていなかったり、正しく解釈されていない限り、エビデンスの中では一番弱いレベル
日本人の死因リスクトップ10を整理すると、ピロリ菌とC型肝炎ウイルスを除いて、そのほとんどが、たばこ、食事、運動、アルコール、ストレスに関連するもの
アメリカでは、お皿のサイズが1990年代に比べて、約23%も大きくなっています。お皿や飲み物の容器が大きくなるのに伴って、食べる食べ物・飲み物の量も必然的に増えました
人間の行動は、何らかの「流れ」の中で行われるもの
すでにやっている1つの習慣に、新しく身につけたい行動を1つだけくっつける
やめたい行動は危ない状況ごと避ける
日本のテレビや新聞で、「~を食べると認知症に良い!」といったうたい文句で作られている番組や記事をよく見かけます。この手法は、学問の世界では「還元主義・リダクショニズム(reductionism)」といいます。簡単に説明すると、複雑な事象を、単一のシンプルな要素に着目して結論づけることを指します
特にアジア人において、白米の摂取量が高いほど糖尿病のリスクが高い
野菜と果物は、量でいうと約80g食べるごとに、5~6%ほど死亡率が低くなる
じゃがいもは野菜ではなく炭水化物
加工肉は発がん性があり、赤肉はおそらく発がん性がある
食品表示で、「植物性油脂」「植物性食用油」を使った食品加工物は、トランス脂肪酸を含有している可能性が高い
砂糖やシロップなどが入っている食べ物や飲み物は避けましょう
お酒の良し悪しの判断には「何を一緒に食べるか」に関して注意が必要
喫煙者などの特定のグループでβカロテンのサプリメントを服用すると、肺がんの発生率や死亡率が上がる
「誇り」は定期的な運動、食事、性生活などの分野で、健康的な生活を送るために鍵となる感情の1つ
サプリメントの有効性や、加工食品に含まれている物質へのシビアな評価が含まれており、正しい健康知識を手に入れたいビジネスパーソンにこそ読んで欲しい、信頼できる情報源です(残念ながら、テレビCMしか観ていない情報弱者は、これらの物質が含まれた加工食品を買ってしまっています)。
何がエビデンスとして信頼できるのか、詳しい解説もあるので、これ一冊読めば、今後どんな情報が流れてきても、自分で判断できるようになるでしょう。
一生働ける、健康な身体を手にいれるために、ぜひ、読んでいただきたい、健康ノウハウの決定版です。
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