ビジネスやプライベートでも、口が立つ人は何かとうまくいっている気がしませんか? そうでない人にとってはうらやましい話です。ところが、口ベタでも思った通りに人を動かす方法があるといいます。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、 皆さんの思い込みを払拭する一冊です。
人を動かす話し方?⇒『「口ベタ」でもなぜか伝わる 東大の話し方』
高橋浩一・著 ダイヤモンド社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、東大卒の営業プロフェッショナルが、口下手でも人から「イエス」を引き出すコミュニケーションノウハウを述べた一冊。
相手から強引に「イエス」を勝ち取るやり方ではなく、「断られない」「ノー」と言われにくい、ツボを押さえた話し方を提唱しています。
仕事ができる人の定義にはいろいろあると思いますが、「他人にお願いできる」「お願いして協力してもらえる」というのは、間違いなく「できる人」のスキルだと思います。
本書では、どうお願いすれば聞いてもらえるのか、どう切り出せば断られないか、何を押さえれば人が動いてくれるのか、著者の経験に基づくやり方が書かれています。
最近の本は、とかく客観性、再現性を重視するあまり、どの本も似たような理論紹介が多いのですが、本書はプロからの実践アドバイスが中心で、リアルなコーチングを受けている感覚で読むことができます。
読者が営業であれば、すぐさま役立つと思いますし、そうでなくても、本書の人を動かすスキルは、人生のどこかの場面で役立つと思います。
土井はバイヤーをやっていた関係で、数百人単位の営業さんのトークを聞いてきましたが、できる営業さんというのは、こういうツボを押さえた話し方をマスターしているものです。
そしておそらく、僕とそれ以外の方では、話し方やアプローチも思いっきり変えているはずです(笑)。
相手を知ること。そして相手のニーズを知ること。
営業や商売で大切なことが、コンパクトにまとめられています。
4つの枕言葉を使い分ける
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
出題者の意図を汲み取り、ゴールから逆算して、相手が求める言葉を、ツボを押さえてわかりやすく伝える
本筋じゃないことを書くと「減点」される
「知識」をひけらかしても意味はない
がんばっても伝わらない3つの「落とし穴」
(1)「正論」が相手に響かない
(2)あせって決断を迫りすぎて伝わらない
(3)「情熱」がカラ回りする
自分の話が、相手の脳ミソと「ズレ」ると動いてもらえない
「断る理由」を先に作られたら負け
人は迷ったら「動かず、今のままでいる」選択をします
「3つのタイプ」
論理タイプ:ロジックに基づいて自分で決断する人
感情タイプ:感覚に基づいて自分で決断する人
政治タイプ:自分の意見を持たず人の意見で決断する人
「6つのツボ」で相手が動く“理由”を作る
(1)メリット
(2)一貫性
(3)本音
(4)一体感
(5)みんな
(6)権威
「論理タイプ」に効くツボ【メリット・一貫性】
「感情タイプ」に効くツボ【本音・一体感】
「政治タイプ」に効くツボ【みんな・権威】
「4つの枕詞」
・「太陽メッセージ」の枕詞
例)このあいだはありがとう
いつも助かっているよ・「相談モード」の枕詞
例)一つご相談なのですが
お知恵をお借りしたいのですが・「限定」の枕詞
例)一生に一度のお願いだから
あなただからお願いしたい・「NOキャンセリング」の枕詞
例)お忙しいと思うのですが
早めのご相談で恐縮ですが
想定される断り文句を打ち消すように、会話のあたまで先に「真逆」の表現をぶつける
いろいろと役立つ話が載っていますが、なかでも響いたのは、「4つの枕詞」。
相手を見てこの切り出し方をするなら、確かにつかみはバッチリですね。
タイプ別の攻略法が詳しく書かれているので、コミュニケーションが苦手な人、もっと磨きをかけたい人は、ぜひ、読んでみてください。
image by: Shutterstock.com