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TOKYO, JAPAN - JULY 24 : Parliament building on 24 July 2016. at Tokyo, Japan. Japan is a constitutional monarchy with free parliament and the emperor with limited power.

身から出た錆。なぜ、立憲民主党から離党者が続出しているのか?

日本の野党第一党である立憲民主党では、現在離党者が続出しています。民主党政権時に政権を担ってきたメンバーが固めるなかで、なぜこんなにも政党が落ち込んでしまったのか。今回、メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』の著者でジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、 詳しく語っています。

離党者が続出している立憲民主党

今回は「離党者が続出している立憲民主党」として、現在の所の野党第一党である立憲民主党の混乱について見てみたいと思います。

私の目から見れば、単純に「旧民主党系野党」の皆さん及びその支持者の皆さんは、「政治」ということを全く理解していないとしか言いようがないので、あえてここでは批判や非難にしか聞こえないかもしれません。

しかし、単純に「批判する」ということそのものに関して、その「他者を批判する場合のルール」ということもあまり良くわかっていないようなのであり、困ったものなのではないでしょうか。

そのようなことから、今回は立憲民主党の人々が徐々に立憲民主党を離れ始めたその理由について探ってみたいと思います。

ちなみに、既に松原仁議員、そして徳永久志議員が立憲民主党を離党しています。

松原仁議員に関しては次期衆議院選挙において、自分の希望する選挙区での立候補が認められないということからの離党でしたが、しかし、それでも執行部の求心力があれば、そのようなことにはならなかったのではないかと思います。

要するに「自分の地盤がしっかりしている選挙区で戦わなければ、今の執行部では選挙に勝てない」ということを意味しているのではないでしょうか。

逆に言えば「今の立憲民主党では、浮動票などを期待することはできない」ということを意味しているのです。

ではなぜ、そのような内容になってしまったのでしょうか。

立憲民主党は、政党の系譜としては違いますが、その主なメンバーは民主党政権時に政権を担ってきた人々によって構成されています。

そのような政党がここまで落ち込むというのは、基本的には「何か特別な事情があった」と考えるべきではないかと思うのです。

今回はその事情を見てみましょう。

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批判とは何か

「批判」とは何かということを考えてみましょう。

昔『民主党の闇』という本で、私自身が同じ内容を書いているのですが、その内容に似た感じになります。

<大辞泉より>

1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。「事の適否を批判する」「批判力を養う」

2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。「周囲の批判を受ける」「政府を批判する」

3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。
<以上抜粋>

批判というのは、そもそも「原理的に研究する事」「正すべきであるとして論じる事」であり、単純に誹謗中傷する事でもなければ、スキャンダルを公にすることでもありません。

皆さんの会社や学校の中で、会議中に「別な視点」などと言うことを言って、単純にクレームばかり言っている人はいないでしょうか。

もちろん、そのような指摘がうまくゆく場合もありますが、では、それだけ偉そうに言っているならばと、反論している人にその仕事を任せてみると、結局何もできないというようなことは少なくありません。

偉そうに言っていた割には、結局何もできない、という場合、その何もできないということがわかった瞬間に、人望を失うものではないでしょうか。

民主党の人々は、まさにそのような「批判をして、自分たちが政権を任されたら何もできなかった」ということを国レベルで行ってしまったということになるのではないでしょうか。

もちろん、運もなかったと思います。

鳩山内閣の時は、アメリカのオバマ大統領が世界の警察の看板を下ろし、なおかつ核兵器の廃絶を訴えてノーベル平和賞を受けたタイミングです。

そのようなときに、「少なくとも県外」などと言って沖縄の基地の移転を言っても、聞く耳があるはずがありません。

また、菅直人首相の時には東日本大震災があり、野田内閣の時は消費税増税で小沢一郎議員などが分離し少数与党になるということです。

しかし、これ等もすべて「身から出た錆」という感じではなかったでしょうか。

さて、そのような状況で「反省」すればよかったのですが、民主党の人々は、結局反省をすることなく「成功体験」だけで突き進みました。

「批判」ということを言っていますが、結局は「対案を出すことのできない誹謗中傷とスキャンダル」だけであり、それでは「政権を任せることができない」という判断を有権者がしてしまうということになったのです。

現在になってからも、小西某という議員が、単純に「誹謗中傷」しかしないで、人望を失っていました。

はっきり言いますが「誹謗中傷」は政治ではありません。

まずは「政策をきちっと出して、有権者を説得し、政策で競うという」政治をしっかりと行ってもらいたいものです。

そうでなければ、有権者はついてきません。

マスコミはそのような有権者の動きには敏感です。

そのことから、マスコミも徐々に立憲民主党の事を扱わなくなり、日本維新の会ばかりを扱うようになってきているのではないでしょうか。

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日本維新の会と立憲民主党の違い

日本維新の会は、大阪地区を中心に、しっかりとした市町村議員、そして大阪府や和歌山県や兵庫県などの県会議員などの連携ができています。

ある意味で、しっかりとした下部組織(地方組織)を持っているという感じで戦っています。

当初はそのような感じはなかったのですが、徐々に政治的にしっかりと組織を作った内容になってきているような気がします。

それに対して立憲民主党の人々は、いつまでもマスコミに頼っていて、国会のテレビ中継内で派手なパフォーマンスをすることばかりに注力していました。

そのことから、選挙時などに選挙区のスタッフや下部組織が存在しないということになり、そのことから、枝野幸男前代表は共産党との連携を模索したのです。

それまでは「連合」としっかりと組んでいたが、しかし、連合の構成員は基本的には会社員であり、会社を休まなければ選挙の手伝いなどはできません。

そのうえ、そもそも現在労働組合の組織率は10%を大きく割り込んでいます。

そのように考えてしまえば、労働組合は「票」にはなっても「選挙活動」には役に立たないのです。

しっかりと下部組織のある日本維新の会は「足腰がシッカリしている」ので、その下部組織を横に広げることで拡大できますが、マスコミ頼りでマスコミ好みのスキャンダル追及しかできない状態では、選挙を戦えないということになるのです。

さて、松原仁議員は、以前都民ファーストの会が希望の党を設立した時に、その希望の党に移った経緯があります。

そして、小池百合子都知事が「排除の論理」を出した時に、評判が悪くなって希望の党から逃げ出した過去があります。

もともと、私がまだ国会新聞にいた頃「民主党は選挙互助会」と言っていたことがありますが、まさに、選挙に役に立たないようであれば、さっさと逃げ出してしまうということになるのです。

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政策集団になることができるか批判政党として埋没するか

批判政党としては、旧日本社会党が、いつの間にか社会民主党に代わり、常に批判をしているだけであったために、そのまま党勢を失ってゆきました。

今では、国会で会派を単独で組むこともできない状態になっています。

昔は、野党第一党で、参議院議長も輩出していたほどの政党が、あっという間にこのようになってしまったのです。

単純に「批判政党」は一時的に支持を集めますが、しかし、現実に即した政策を出せなければ意味がないということになるのです。

そして政策集団として期待された民主党も、「選挙互助会」として政策重視ではなく「数を増やす」ということに専念してしまったために、うまくゆかなくなってしまったのです。

批判票は、批判票でしかないということなのですが、そのことが理解できない人が少なくないのではないでしょうか。

批判政党になると、このほかにも「みんなの党」などもいつの間にか与党に対する批判ということを打ち出して消えてゆきました。

まさに「政策を出すことができるか」ということが重要になってきます。

そのことができない政党が、徐々に有権者から見放され、そしてその中の人々が「沈没船」から逃げ出すようになってきているのではないかと思います。

もちろん「沈没」するかどうかはわかりませんが、しかし、人の力が必要な政治の世界で、人が逃げてゆくということをどう考えてゆくのか。

そのことが問われているのではないかと思います

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2023年7月3日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

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image by: Attila JANDI / Shutterstock.com

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