今日、7月18日は三浦春馬さんの命日です。あの衝撃的な出来事からもう3年が経過したのかと驚きますが、なぜ彼が最悪の決断をしてしまったのか? 今もわかっていないことが多いのが実情です。今回は、あの日から三浦さんについて取材を続ける芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが、周辺取材で感じた人間の“表裏”、そして、三浦さんが生前漏らしていた“陰湿なイジメ”の正体に言及しています。
三浦春馬さんの周辺を取材して分かった人間の“表裏”
三浦春馬さんの衝撃的な出来事から、早いもので3年目を迎えます。
“三浦春馬”という字面は何か厳かな気持ちにさせる名前のような気さえしてくるから不思議です。
三浦さんの名前を聞く度、私がどうしても思い出してしまうのは、やはり自ら悲しい人生の結末を選んでしまった岡田有希子さんの事です。
当時の私は芸能記者になりたてで、編集デスクの“真相を究明せよ!”という命に、自身の命さえ縮むような感覚に陥ったことを記憶しています。
何もわからない…誰も教えてくれない取材現場で私がトライしようと決めたのは、当時岡田さんが所属していた芸能プロダクションの下のフロアにある喫茶店に毎日通い続けることでした。
大手芸能プロの階下にあるこの喫茶店は、事務所のスタッフがありとあらゆる関係者と打ち合わせに使うことで有名でした。
出入りはもちろん一般人誰でも入れましたから、毎日時間が許す限り何も目的なく席に座り、耳をダンボにしてどんな些細な話でも聞き逃すまいと通いました。
そのうち店員さんとも顔見知りになり、「今日は専務がいらっしゃいましたよ」とか、「松田聖子さんのマネージャーが〇〇の✕✕と打ち合わせしてましたよ」とか教えてくれたものです。
さて、三浦さん亡き後の最近の話題で私が思わず膝を叩いてしまったのは、元俳優で現在は『競拳23』エグゼクティブ・アドバイザーを務める高岡蒼佑氏のインスタグラムの投稿でした。
昨年6月のー
~春馬の死。
心底はらわたが煮え繰り返った。
ある馬鹿な芸能人はその死を利用し、
連日のように世間に薄っぺらい悲しみを伝え、
自分の評価や自分の売名に利用する。
そんな事も山ほど見てきたから、余計とこういう奴らにも辟易した。~
世間一般の高岡氏に対する評価は熟知していませんが、この部分に関しては私も同感したものです。
私もそうですが芸能人に限らず、人間には“表裏”があることは間違いない事実でしょう。
その不快感をストレートに感じたのが、三浦さんの周辺取材をした私の感想でした。
そして今年の6月、小栗旬の『トライストーン・エンタテイメント』社長就任が発表された際にはー
春馬の事も連絡した。
『お前が面倒見てたんじゃないの?』って
『前話してた時は元気そうになってたんだけどねぇ』
何その他人事感。~
1年前の“馬鹿な芸能人”が誰の事なのか、高岡氏は言明していませんがー
~彼の苦しみが自分にもフラッシュバックし、死すら利用する人間が山ほどいるあっち側には絶対に戻らないと決別した…~
とも。
三浦さんの事を売名利用する芸能人を糾弾する高岡氏ですが、私個人としてはそんな人間たちに負けず劣らないのは、今でも“知らぬ存ぜぬ”のスタンスを崩さない人間たちのように思えます。
今となっては“本当の関係”は、当事者が口を開かなければ表沙汰になることはない訳ですが、3年経っても何のコメントも出さないのは、三浦さんに対して“罪の意識”があるのでは…と勘繰られても致し方ないのでは…と思ってしまうのです。
生前、三浦さんが行きつけのレストランのスタッフに漏らしていたという“陰湿なイジメ”や“無視されている”と感じていた正体こそ、今でも一切三浦さんの事に触れない人間なのではないかと…。
芸能記者を生業としている私ですから、タレントのバック・ストーリーを追ってしまうのはしょうがない職業病なのですが、特に三浦さんの事に対して度を超えた拒否反応を示す人物もいます。
三浦さんが何故人生の最悪な決断を選ばざるを得なかったのか。
あれから3年、「取材を続けます」と言っている割に何の進展もないじゃないかというご意見にも襟を正しながら、皆様の叱咤激励に日々感謝しております。
今私に言えるのは、家族や友人たち、仕事をしていく上での不信感…入り組んだ負の連鎖が三浦さんを絶望的にさせたことは間違いのない原因のひとつ…だという事。
太陽に正面向いて咲く“ひまわり”に、明日は思いを馳せましょうか…。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」