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自民党女性局の「フランス観光」は国民の単なる“嫉妬”なのか?

自民党女性局のフランス研修旅行に、国民から不満の声があがる一方で、「単なる嫉妬だ」と、自民党擁護派も存在します。メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんは、今回の件について「研修」を行うことは悪くないとしながら、批判が集まった理由を分析。そして、国民の「嫉妬説」にも言及します。

自民党女性局のフランス研修旅行の「慢心」と「嫉妬」

今週は、「自民党女性局のフランス研修旅行の『慢心』と『嫉妬』」と題して、大いに話題になった内容に関してみてみたいと思います。

さて、この話は話題になったもので、「自民党の女性局」がフランスで研修旅行を行ったのですが、その時に、エッフェル塔のまえで記念写真を撮ったり、朝食の写真を撮ったりと完全に観光のInstagramのような感じになっていたのです。

その内容に関して、世間からは批判が出ているのですが、局長の松川るい参議院議員や今井絵理子参議院議員(局長代理)などは、「研修自体は悪いことではない」としながらも、混乱や誤解を与えたことに関しては謝罪するというような話になっているのです。

そのうえで、「公費は使っていない」というようなことを言っているということになります。

この問題に関して、少し考えて見ましょう。

研修と研修の合間の観光は悪いことなのか

まず皆さんの中で「研修を行う」ということに関して「それは悪いこと」と思う人は少ないのではないでしょうか。

「研修は無駄だ」という人はいないわけではないので、あえて「少ない」という書き方にしましたが、基本的には「研修」で重要なのは「中身」つまり、「何を学んだか」「何が身に付いたか」ということではないかと思います。

どんなに素晴らしい研修でも「その内容が身につかない」とか「すでに知っていること」である場合は無駄であるというような判断もあるかもしれません。

そして「研修」をより身に付けるために「合宿形式」で行うことに関してもそれほどおかしいことではありませんし、また、その必要性を見えている人も少なくないのではないでしょうか。

当然に研修を夜まで行い深める、つまり「昼に習ったことを夜まで議論するなどして自分の学びとする」ということは、時間制限なしで納得ゆくまで行う事の方がよいわけであり、そのことから、当然に合宿形式で行う方がよいということになります。

また、合宿形式のほうが「生活」や「食事」なども変わりますし、また、普段の生活から切り離されて研修することに集中できるという利点もあります。

また、そのように寝食を共にすることによって、同じ志を持つ仲間などとの間においても、その連携がとりやすくなったり、お互いの性格がよくわかったりというようなことがあります。

その意味でいえば、例えば会社の新入社員研修など、何か多くの人で新しいことに取り組むとか、または何か新しいことを始める、統一の見解で動くなど、そのような場合に「合宿研修」は非常に効果的であると思われています。

もちろんそれでも「無駄だ」という人の声がないわけではありませんが、しかし、ここまでくれば少なくとも問題があるというような認識にはならないのではないでしょうか。

さて、自民党の女性局も同じでしょう。

しっかりとした政策の問題で、それをその問題の先進国に行って視察し、学んで帰ってくるのであれば、特に誰も問題はありません。

まずは、今回の問題で「視察」がよくないとか「研修」がよくないという人は少ないのではないでしょうか。

ではなぜ批判があるのでしょうか。 

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それは一つには「研修の合間の観光」ということがあり、もう一つは「研修の雰囲気の撮影」がなかったということの二つが問題であると思います。

私自身も問題の投稿(削除されたものの中で見ることのできなかったものもあったと思いますが)を見ましたが、実際に観光旅行的な、まあ、悪い言い方をすれば昔の慰問旅行のような感じの写真ばかりで、とても研修をしているというような内容はなかったのではないかと思います。

ホテルの、会議室で講師を読んで何かを学んでいたり、メンバー(38人いるとありましたが)が討論をしているような話であったり、あるいは、少なくとも主題にあった内容の場面を指しているような雰囲気の写真がなかったのです。

例えば、天皇陛下がどこか、例として災害の被災地とすれば、その被災地を視察するのにふさわしい服装にして、そのうえで、もちろん普段の被災地の雰囲気とは異なりますが関係者が集まり陛下に説明するような場面が映し出されます。

動画であれば、そのような説明に大きくうなづいたり、何か質問をされているような陛下の動きを見ることができ、陛下もしっかり視察し、この問題を共有していただいているのであろうということが何となく見て取れるのではないでしょうか。

政治である以上、そのような「見ている人も巻き込んだ共感」を得ることは非常に重要なのではないかと思います。

もちろん、政治ですから「自分がこんなところに行ってきた」とか「こんな活動をしている」というのは、重要ですし、中には息抜きをしているようなリラックスした内容もあって悪くはないと思います。

しかし、「研修会でフランスに行きました」という場合は、当然に「何の研修でフランスに行ってきたか」「どうしてフランスが選ばれたのか」「その研修の雰囲気はどんな感じであったのか」ということもわかる写真が欲しかったと思います。

そのうえで、エッフェル塔に観光に行き、「女性局の親睦を深めました」ということをいうのであれば、決して不満も批判もなかったのではないでしょうか。

今回の内容を、自民党の女性局を擁護して「単なる嫉妬だ」という人も少なくありません。

私もその「批判している人は単なる嫉妬でしかない」という意見には非常に大きく賛同しますが、同時に、この女性局の人々も「研修である」ということをうちだし、活動報告を行う内容が全く見えていないということになることも確かなのです。

当然に、「研修中に観光してはいけない」というようなことを言うつもりはないし、私自身、どこかにいった場合には、当然に「観光」は必ず入れるし、地元の名物を食べるのはとうぜんのこととおもっています。

もしも私に出張を頼む人がいれば、当然にそのようなこと、つまり観光や地元の名物ということになると思っておいてください

さて、ようするに「本来の目的」があり、その目的が達成された後の時間や、あるいは予定がすべて終わった時間で、飛行機が出るまでの時間などは「自由時間」ですから、観光していても、何をしていても問題はないということになるのが普通です。

例えば、皆さんが会社に出張に行って、その出張で空き時間にお土産を買っても、また、打合せの生き返りに、仕事に無理をしない範囲でエッフェル塔を見ても、誰も非難をしないのと同じではないでしょうか。

今回の内容は、要するに「本来の目的である研修の雰囲気が全く伝わらなかった」ということが一つの問題ではないでしょうか。

嫉妬という指摘の根幹

途中で出しましたが、もう一つはこの批判が「嫉妬でしかない」というような批判があるということになります。

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2023年7月24日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

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image by: 松川るいTwitter(現在は削除)

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