「部下が言うことを聞かない」。傲慢な後輩の勘違いを正す方法
by 『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」
「部下が自分の言うことを聞いてくれない」。そんな悩みを持つビジネスパーソンも多いかもしれません。しかし、たとえ仕事ができる後輩でも、上司としてけじめをつける必要があるでしょう。メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』の著者で世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのもとに届いた、「上司」としてのある“悩み”。赤羽さんはどのようなアドバイスをしたのでしょうか?
4年来の部下がだんだん傲慢になってきました。仕事はできるのですが、私の指示を頻繁に無視するようになってきています。どうしたらいいでしょうか
Question
一部上場企業で精密機械メーカーに勤務しています。4年来の部下(2歳年下)がだんだん傲慢になってきて、私の指示を頻繁に無視するようになってきました。仕事はもともとできるので、周りからちやほやされた面もあると思いますが、人間性、リーダーシップスタイルに課題があり、昇進がやや遅れ気味です。フィードバックしていますが、本人は全く理解を示さず、逆に私に食ってかかっており、それもあって指示をさらに無視するようになってきました。表立って反抗するというよりは、なし崩し的に自分にやりたいようにやる、という感じで指摘もしづらいのが実情です。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。ここは上司としてのけじめをつけ、責任を果たす必要があります。
その部下の方には大きな問題点があるのに、相談者さんがそれを野放しにし、悪化させ、顕在化させてしまった可能性が高いからです。
その方は、仕事はある面ではできるわけですが、人間性、リーダーシップスタイルの課題があるということは御社の人材としては問題があります。実際、昇進も遅れているわけです。
上司の指示を陰でも表でも無視するなど、あってはいけないことです。
雇用されているのに子どものような態度なわけで、ありえませんし、これまでの上司も、今の上司である相談者さんも、彼の勘違いを正すことができなかったと思います。
こういう方は、上司の態度を見ながら、やってはいけないことを少しずつやっていきます。どこまでやっても許されるのかを試していると思います。子どもと同じですね。
したがって、業績・成長目標合意書で本人の長所を十二分に認めつつ、成長課題については遠慮せずに指摘し、成長目標を厳しく設定して早期の改善を要求する必要があります。
● 部下を驚くほど育てる業績・成長目標合意書
https://www.instagram.com/p/Ce04xSdPOGe/?hl=ja
もちろん、厳しく接する前には、本人へのアクティブリスニングを徹底して、あるていど以上信頼されている必要があります。「どうせこの上司も私のことをバカにして」と否定的な気持ちでいるはずだからです。
信頼された後、業績・成長目標合意書を使ってその人の味方であること、それでも改善したほうがよいことがあることを伝えていきます。
一度では理解してくれないかもしれません。こちらの姿勢を疑ったままかもしれません。それでも、数度繰り返していると、猜疑心の強さが徐々に減り聞く耳を持ち始めます。
そうなってから初めて、
・建設的な意見、提案は大歓迎
・上司の指示を無視することは不可
・意見が違うなら、上司に頑張って伝える
ということを伝えます。相当感情的で幼児性が強いので、どんなに馬鹿げたことを言われて腹がたっても、乗せられてはいけません。
この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ
初月無料で読む
image by: Shutterstock.com