昨今あらゆる業態で求められる生産性の向上。もちろん飲食業界も例外ではありません。そんな中にあって、生産性向上と売上アップに成功した昔ながらの飲食店の事例を紹介しているのは、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。堀部さんはメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で今回、自身が10年に渡りサポートを続けてきた支援先が、いかにして生産性アップを果たしたかを解説しています。
※ 本記事は有料メルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年8月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読どうぞ。
人時売上3,300円だった企業が5,500円に改善した理由
とある県でシェア1位のご支援先。
長いものでもう10年程のサポートなのですが、当時は人時売上が3,300円でした。
- 売上をめちゃくちゃ伸ばす!
- 対応はひたすらマンパワー!
このような環境でした。
ただそれってもうダメだよね。という事で、着実に改善を重ねてきました。
そして今は人時売上が5,500円。飛び道具はなく愚直に色々と進めてきたのですが、今日はその辺りを振り返っていきます。
■なぜ戦い方を変えたのか
- 地域でも常に最安値を狙う!
- 絶対にお客様の声を聞く!
このような戦い方で売上を伸ばされてきた同社。
もちろん、定着率はもの凄く悪いものでした。しかしそれでも採用ができていた時代。
でもそれって今後の時代に合わないよねという事で色んな見直しを進めていきました。
■無料サービスって本当に必要?
上記にある「絶対にお客様の声を聞く!」の部分。昔ながらの戦い方でありがちなのが、「無料サービス」がめちゃくちゃ多いという事。
- 無料ドリンクの量が多い
- お客様の送迎サービスの距離が長い
- 営業時間が長い
- 法事仕出しで配膳、掃除までやる
などなど、過去の慣習から出来上がってきた無料サービスがめちゃくちゃありました。
それって本当に必要なのですか?
ここから見直しました。もちろんそれが差別化の重要なテーマで、それをやめれば売上が下がる。
そうなれば継続はするでしょう。
しかし、慢性的にやっているものは無くしていかなければいきません。
足し算だけでなく、引き算も定期的に行う。
これも生産性を高めるには重要なテーマです。無料サービスにちゃんとお金をつける。それをやりました。
結果的に売上減なんてことは一切なく、むしろ売上が上がる結果になりました。
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■店舗でやる仕事を絞り込む
店舗ビジネスは店舗の拡大と共に、どんどん生産性は下がってしまいます。
最初の1店舗で型を作れたと思っても、その延長だと10店舗くらいになると完了が遅くなり、それ以上になるとやり切れないなんて問題も。
それをマンパワーで乗り切ろう!なんて難しく、
- 店舗でやるべき仕事
- バックオフィスでやるべき仕事
これを明確に分けました。
バックオフィスでやるべき仕事
- 集客の管理(SNS、食べログ、Googleなど)
- データ管理(日次決算以外の業務を本部化)
- 電話の一元管理(仕出し事業のみ)
この辺りを店舗の仕事から減らしました。つまり店舗は
- 目の前のお客様にご満足いただくこと
- 発注
- シフト作成
この辺りの業務に集中できるようにしました。
これのデメリットは「固定費」が上がるので全社売上が低いと無理ということ。
- 本部固定費<店舗生産性悪化の人件費
この構造のポイントはいつか?を明確にし、それを落とし込んでいった感じです。
■セントラルキッチンを意味あるものに
セントラルキッチンは導入されていましたが、全く意味をなしていませんでした。
店舗側
移行しやすいメニューをCKに依頼。しかしそれをやっても店舗の時間は特に減らず。
店舗はちょっとの業務は減っても、時間が減らないので生産性は改善せず。
CK側
店舗側からちょこちょこメニューばかりなので、大量調理ができず生産効率は改善せず。
しかも家賃・そこでの人件費が追加されるので、むしろ収益を悪化させる部門に──(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年8月28日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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