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タワマン20代女性刺殺、51歳おじの「殺意」を日本はどう受け止めるのか?パパ活界隈で再注目「りり学」の光と闇

悲劇かそれとも自業自得か。新宿タワマンの敷地内で、20代女性が50代の男に刺殺された事件は、被害者女性に対して同情的なマスコミ報道と裏腹に、日本社会の意外な“本音”を引き出している。

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タワマン刺殺事件「26歳差」の衝撃

東京・新宿区のタワーマンション敷地内で8日未明、20代女性が50代の男にナイフで腹や首などを刺され、その後死亡した事件。

2人の年齢差関係性、男の犯行動機、被害女性の「タワマン暮らし」という豪華な生活スタイルなど、謎が謎を呼ぶ展開が関心を集めている。

殺害されたのは、同マンションに住む無職の平沢俊乃さん(25)。凶行におよんだ和久井学容疑者(51)とは、2021年頃に働いていたガールズバーで知り合った。和久井容疑者はその後、平沢さんに対するストーカー容疑で逮捕されている。

51歳の客の目に、25歳の女性はどのように映っていたのだろうか?和久井容疑者は平沢さんをメッタ刺しにする際、「俺はストーカーじゃないぞ!」と叫んでいたという。

被害者女性の自業自得!?“どっちもどっち”の声が上がるワケ

痴情のもつれか、はたまた“色恋営業”のなれ果てか。さまざまな見方があるものの、テレビのワイドショー番組はこの衝撃事件を、おおむね被害者女性に同情的なスタンスで報じている。

「さすがに朝昼のテレビ番組で、殺害された被害者女性を“悪人扱い”はできませんからね。ただ、詳しい経緯が判明するにしたがって、世間の反応は意外なほどに“どっちもどっち”という方向に傾いてきた印象です。

多くの人たちが“さすがに殺すのはやりすぎでしょ”と受け止めている反面、内心では“まあでも、そりゃそうなるよね…”とも感じている。でも社会人としてそれを口にするのは憚られる、そんな空気感です」

そう指摘するのは、容疑者と同世代の50代エンタメ系ライター氏だ。SNSを確認すると、

《20代無職女子が新宿のタワマン暮らし。いろいろ察してしまうんですが…》

《要はこれパパ活女子だか頂き女子だかが、やりすぎて反撃されたってことでしょ》

《51歳おじは叩きやすい。でも、おじを叩くだけじゃこういう事件はなくならない》

《亡くなったのは気の毒だが、それで女性の悪事が消えるわけではないしな》

といった“本音”が多数みつかる。

身ぐるみ剥がされた和久井容疑者。「結婚詐欺」事件の側面も

それでも、20代女性が「殺されても仕方ない」と世間に評されるほどの“悪事”がそうそうあるとは思えないが――

「各種報道によれば、被害女性は和久井容疑者に結婚のエサをチラつかせていました。間もなく50代になる当時の容疑者にとって、まさに生涯の伴侶を得るラストチャンスに映ったのではないでしょうか?

ただし、その結婚には条件があって、多額のお金を女性に“上納”する必要があった。そこで和久井容疑者は、趣味のクルマやバイクを売却し、さらに消費者金融まで利用して現金を用立てたと言います。具体的な売却額は不明ながら、非常に希少な車種で、時価数千万円の価値があったそうですよ。

ところが、そうやって工面したお金を渡した直後に、和久井容疑者は女性から別れを切り出されてしまいます。これって典型的な結婚詐欺の手口ですよね。いちおう理屈の上では、女性も結婚を前提に真剣交際していて、たまたま偶然、心変わりしただけ、という推測も成り立ちます。でも、ほとんどの人がそうは解釈しないでしょう。

それで、話が違うと女性に詰め寄ったところ“ストーカー容疑”で自分のほうが逮捕されてしまった。和久井容疑者からすると、騙されたと気づいたときには、すべてを失っていたわけです。

もはや命のやり取りしかない、決して踏み込んではいけない領域に、女性が踏み込んでしまったようにも思えるんですよね」(前同)

和久井容疑者は、孤独な人生のすべてを賭けていたかもしれないクルマやバイクを失い、多額の金銭を毟られ、身ぐるみ剥がされ捨てられた、ということか。

しかしそれでも、人生経験豊富なはずの50代男性だ。相手女性との26歳という年齢差から事前に詐欺を見破ることはできなかったのか?

バカで哀れなおじ、と叩くのは簡単です。でもついこの間、40代女性が、三代目J SOUL BROTHERSのリーダーを騙る詐欺師に『あなたに会いたい』と騙されて現金を詐取される事件が報じられました。バカなのは男だけではないんですよ。

たとえば相手が平野紫耀なら『こんなの絶対に詐欺だ』と気づけるでしょうね。でも今どきの詐欺師は三代目JSBという絶妙なラインをついてくる。

和久井容疑者にとっては、ガールズバーで出会った被害者女性が、そんな『ひょっとしたらあるかもしれない、いけるかもしれない』ラインだったのではないでしょうか」(前同)

パパ活界隈で「りり学」が再注目される理由

今回のタワマン刺殺事件で、にわかに再注目されているのが、ネット上で「頂き女子りりちゃん」を名乗り、男性3人から計1億5500万円を騙し取った渡辺真衣被告(25)=一審判決懲役9年・罰金800万円、控訴中=がかつて販売していた、パパ活で男性から大金を騙し取るためのテクニックが満載されたマニュアルだという。

「パパ活界隈では『りり学』として高く評価されているマニュアルです。たとえば、趣味を持つ男性は避けて、なるべく無趣味な男性を狙えとか、いきなり連絡を遮断するのは絶対NGとか、実践的な内容がわかりやすくまとめられています。

今回の刺殺事件では、被害女性の拙速な連絡遮断やストーカー扱いが、和久井容疑者を殺人という究極の復讐に走らせてしまったとも考えられます。そのためP活女子の間で、あらためて『りり学』が注目されているようです。

作成者の“りりちゃん”こと渡辺容疑者は最近、獄中日記で文才を認められていますが、マニュアルの出来も非常によく、約2000万円を売り上げたと言われます。これは情報商材の一種としてもベストセラーと言えるものです」(前同)

【関連】頂き女子「懲役9年」を嘲笑う悪質ホストクラブの新手口。ツケ払い廃止に抜け道、背後に蠢く「匿流」が暴力団乗っ取りも

なんともやりきれない話だが、パパ活女子が資本主義社会をハックするテロリストだとすれば、このマニュアルはさながら現代版の腹腹時計と言ったところか。

キモおじが“知恵”を身につけたとき「本当の地獄」がはじまる?

一方でこの「りり学」は、一部のパパ(おじさん層)からも注目されている。

敵を知り己を知れば百戦危うからず、というわけで、パパ活詐欺対策マニュアルとしてぜひ読みたいというニーズがあるのだという。おじさん側がまったく己を知れていない印象は否定できない。

それはともかく、パパ活女子とおじの双方がしのぎを削り、騙し騙されの技術を高め合えば、やがて核の抑止力のような、相互確証破壊のような状態が生まれるのだろうか?

「なるほど、そういう見方もできなくはありません。でも個人的には、おじ側が“悪知恵”を身につけて、手が付けられないほど凶悪化する展開を危惧しています。女性への復讐で殺人まで決意できるおじは量刑のこともあって少ないでしょう。でも、たとえば、東京メトロ白金高輪駅で起こった“硫酸ぶっかけ”は、たかだか懲役3年6カ月でした。騙されたおじ側がこの“コスパ”に目をつけた場合、日本社会は大混乱に陥るはずです」(前同)

想像するだに恐ろしい未来だ。パパ活詐欺の巧妙化や世界一とも言われる日本の中高年男性の孤独感に、私たちはどう向き合えばいいのだろうか。

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image by: west_photo / shutterstock.com

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