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ジャニーズ“増長”の元凶。テレビ業界に巣食う「ジャニ担」という名の工作員たち

ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、続々とジャニーズ事務所所属タレントとの契約解除に動く大手企業。最早収まる気配が見えない「ジャニーズ離れ」ですが、そもそもなぜジャニーズのタレントたちがここまでテレビ各局で重用され続けてきたのでしょうか。今回のメルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』では著者の吉田さんが、各局もしくは制作会社の「ジャニ担」なる存在を解説。さらに元番組構成作家が明かした、「番組制作の現場で一旦リセットすべき悪しき構造」を紹介しています。

ジャニーズ問題「忖度と癒着」

「ジャニーズ問題」が止まらない。ロマンティックが止まらない、なんてもんじゃない。

いよいよ広告媒体離れが雪崩のように止まらない。

1980年代のフォーリーブスの告発本以来、カウアン・オカモト氏からジャニーズをめくり始めたのがガーシーだった。

そこから本格的に今までの悪行が明白になって「ジャニーズ問題」をBBC放送が取り上げたことも完璧なタイミングで火をつけた。

現在、ジャニーズ事務所では、ジャニー喜多川氏による性加害、相次ぐ所属タレントの脱退、CM打ち切りなど、多くの問題に直面し、世間では「ジャニーズ事務所崩壊の始まり」と言われている。

芸能界にはそんなに興味は無いが、それに連なっているメディアや企業がどんな変化をしていくのか陰ながらみてきた。これはただ事では済まされないぞ、という気配をもって。

この問題は一体どこまで行くのだろう?今回も前回に引き続いて深堀していきたい。この「ジャニーズ問題」は様々な既得権益が絡み合っているので見過ごすことができないのが本音だ。

【関連】億を超える莫大な借金。東山紀之ジャニーズ社長に「僕のソーセージを食え」と言わせた過去

ジャニー喜多川氏の性加害は、1960年ごろから行われていたという。

「週刊サンケイ」や「女性自身」などで報道されていたり、元所属タレントによる告発本が出版されていたりするが、世間で大きく問題になることは今までなかった。不思議でならない。

1964年には裁判も行われ一部週刊誌で記事化もされて、当時は同性愛へのタブー視と重なっていたこともあり、大きく報道されなかった。時代背景もあるのだろう。

ただ、ジャニー喜多川氏が亡くなった後、発端はガーシーから始まって、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が日本外国特派員協会で記者会見を行ったり、イギリスBBCにて、ジャニー喜多川氏の性加害を題材とした長編ドキュメンタリーが放送されたりして問題が大きくなる。

1960年ごろから、性加害の事実が出ていたにも関わらず、ここまで大きく報道されてこなかったのは、事務所からの圧力であったり、マスコミの忖度があったりと考えられることはご存じのことと思う。

そこで、今回のテーマは「忖度」だ。

「忖度」とは、国語辞典には“他人の心を推しはかること”と記されている。他人の心を推しはかることを美徳とする日本人にとっては隣り合わせの標語のようだ。

この問題に対して、ジャニーズ事務所は東山紀之氏を事務所の新社長にし、今後のジャニーズの指揮権を任せる判断をした。要は選手を監督に起用したわけだ。

事務所に所属するタレントに事務所の経営、及び今後の方針を任せるというのはとても荷が重い。何よりジャニーズのために貢献してきた東山氏に責任をなすりつける形になってしまった感もある。

9月7日のジャニーズの記者会見にて、東山氏は事務所の社名変更は行わないことを発表した。一説によれば藤島ジュリー景子氏が最後まで貫き通したという。

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ジャニーズの社名変更の質問をした記者からは、「ヒトラー株式会社」「スターリン株式会社」と指摘されたことが大きな話題になったが、応援してくれるファンのために努力を続けていくと決めた東山氏の覚悟を感じたのだが、それもつかの間。

東山氏の人望の薄さがその後ネットで拡散されている。例の「僕のソーセージ」問題含めて。

しかも、記者会見にて藤島ジュリー景子氏は、社長という肩書は譲るものの代表取締役として事務所に残り、株式も100%所有すると発表された。実質、何も変わらない。

今回の一連の騒動後、ジュリー氏は退任の意思を示し、別の幹部に後を託そうとしていたそうだが断られたそうで、残留することが決定したという報道もあったが真意はわからない。

同族経営からの脱却が注目されたのだが、結果としてジャニー家の力が大きく残る形となってしまったようだ。コンフォートゾーンからの脱却がそれはさぞかし難しいのだろう。

また、株式をジュリー氏が100%保有するということは、会社に対する権限力はジュリー氏が一番大きいということに変化もない。

東山氏に社長を譲り、会社の経営には関わらないと発言していたが、その発言が本当に守られるのか、今後の動向に注目だとも言われているが実際はよくわからない。

そして、この会見の前からも予兆はあった。それが、相次ぐタレントの脱退だ。ここ数年、ジャニーズからの脱退者は激増の一途。

2023年に入ってからは、King & Princeの平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太、V6三宅健、Kis-My-Ft2北山宏光、IMPACTorsと相次いでジャニーズ事務所を退所している。何かを感じ取ったのだろうか。

2022年には、ジャニーズアイランドの社長を務めていた滝沢秀明氏の退所が大きな注目を浴びることになる。

退所の理由はタレントによって違うが、会見をきっかけに動きづらくなるだろう。

そして、CMの打ち切りの連打。

9月7日に記者会見が行われて以降、ジャニー喜多川氏の性加害の問題を大きく問題し、ジャニーズ所属タレントのCM打ち切りの動きが活発になった。

日本企業のトップクラスが次々と契約の継続を白紙に戻したのだ。

人権意識の高い海外に対して、厳しいアピールをする必要があるため、契約を打ち切る企業もいれば、タレント自身が罪を犯したわけではないので、起用を悩む企業もあったというがここもさすが日本企業、ほとんどが右へならえ状態。

CMによって得られる報酬は大きい分、大企業との契約打ち切りとなると、事務所自体の経営基盤も危うくなるのだろう。その背景に伴って、事務所を退所するタレントが増えるかもしれない危惧からか、出演料はすべてタレントにという優遇?処置。

一見誠意を見せているように感じるが、本当にそうなのだろうか?年間1000億円以上の売上があるというジャニーズ事務所の中でもファンクラブの売上が凄い。

約1300万人の会員がいるというジャニタレの会員はひとりにつき、年会費は4000円だという。合計520億円。その会員はCDを買い、DVDを買い、カレンダーなどを更に購入してくれる。その一番の金脈を手放さずに「出演料をすべてタレントに1年間支払う」というのだ。

実際に企業から支払われる「出演料」はタレント口座に直接入金されるわけがない。一旦ジャニーズ事務所に入るのだろう。例えば5000万円入金があって、そのまま5000万円を本当に右から左にタレントに渡すものなのかどうかを誰が確認できるというのか?

例え、出演料の一部が会社に入らなくても、ジャニーズ事務所にとってはタダでもいいからテレビには出演させたいのだ。結局、それが宣伝となってファンクラブ界隈は潤うのだから。

どうも、まともな神経ではないらしい。散々局サイドとの癒着や忖度を繰り返した結果、まともな判断ができなくなっているようだ。神経がマヒしているのかもしれない。

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そもそも最近のジャニーズは数字も取れないのに、なぜテレビに起用され続けるのだろう。元放送作家の長谷川良品さんという方の「テレビ悲報ch」というYouTubeチャンネルを参考にさせて頂いた。

なぜテレビはここまでジャニーズ帝国に恐れおののき支配されてしまったのか…今から先に言うとやはりこれはいわゆる「ジャニ担」の影響が少なからずその背景にあるという。

「ジャニ担」というのはジャニーズと太いパイプを持ちアカウント窓口になる局内、あるいは制作会社のプロデューサーのことをいうそうだ。

そもそもキャスティングプロデューサーの大きな使命と言うのはいかに芸能プロダクションとの太いパイプを築けるかというような評価軸になるとのこと。

つまりあのプロダクションであればこのプロデューサー、さらにあの事務所のタレントであればこの人と言うように個人レベルのつながりで重宝されるプロデューサーの存在を指すという。

特定の芸能プロダクションや特定のタレントさんと太いパイプを持つのは、何もキャスティングプロデューサーだけに限らないという。

クリエィティヴにも存在する。例えばクリエィティヴ放送作家にもいるし、テレビ的業界用語で特に作家の場合は「座付き作家」と呼ばれるそうだ。

ある特定のタレントが司会を進める番組には必ず特定の「座席作家」が番組構成に名を連ねると言うケースがある。そして当然、こうしたキャスティングプロデューサーや座付き作家が番組内での発言権を強めるというのだ。

さらに彼らはそういう特定の事務所はタレントに顔が利くということを背景に番組構成に対しても事務所のスポークスマンとして恣意的に番組をコントロールするようになりというのだ。

それが、ジャニーズ事務所であればなおさらのことで、なかなか反論できるものではないらしい。そしてジャニーズ事務所にとっても、こうして自分の手足となってくれる「ジャニ担」を工作員として重宝するのだそうだ。

さらに結びつきが強くなった結果、番組内はもちろん、局内での彼らジャニ担の影響力は増すばかり。

つまりジャニーズにとっては番組を意のままに操れ、テレビマンにとっても同事務所の力を背景にキャリアを詰める。まさに双方にとってメリットがあるwin-winな関係になるという。

そういう強い権力を握るジャニ担の圧力もあって、いまや視聴率に対して数字に反映されなくても彼らジャニーズを使い続けるという構図があるというのだ。

しかもこうした相互利益による副次的な弊害として気づけば番組作りが視聴者にとって面白いではなく、そのタレントの意思を尊重して、いかに彼らを素敵に見せるかだけに心血が注がれるようになり、ひいては視聴率的にも下降の一途という悪循環を招くという。

局とジャニーズのこれが“忖度”という癒着図。

特定の事務所に顔が利くあるいは特定のタレントと蜜月にある担当者が全てそうだということではないだろう。あくまで一部そういうテレビマンも存在すると言う話だ。

長谷川氏は、「敵は味方にありといいますか結局忖度と言うのは外圧というよりこうした内部の工作員によって発芽・感染を拡大させるところがあります。そして恥ずかしい話私もそうでした」と閉めていた。

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更に長谷川氏は続ける。

「何よりこうした忖度と言う同調圧力に屈したとしても、罪悪感と言う自覚があり怒りや疑問、理不尽を感じているうちは救いがあるんですよね。

ところがこの忖度はいつしか認知を歪めると、当たり前と言う日常に集約する。普通に受け入れてしまうところがある。

しかもその怒りの矛先はこの忖度と言う村の掟に逆らう者に向けられ、恭順を強いるようになるわけです。

つまり同調圧力の根底にあるのは、『自分も屈したんだからお前もな』と言うずるさに起因する強要でしかない。

しかもモラルも介在しない邪悪な伝言ゲームに過ぎないのにそれを正義と錯覚してしまう怖さがあります」

どうだろう?

長谷川氏は気の利いた安易な解決策のようなものは思いつかないと述べたうえで、こう最後に続けた。

「このジャニーズのCM起用解除という連鎖がさらに加速すると、次はジャニーズが出演する番組自体のCM出向の取りやめと言うフェーズに移行するはずです。恐らくこういう実害に伴う事態に直面して初めてテレビはことの深刻さに気づくのだと思います。

そしてこうなって初めて正義を背景にした忖度と言う魔法が解けるのではないでしょうか。

とにかくこの忖度の構造を一旦リセットする必要があると感じます」

“忖度”の構造を一旦リセットする必要がある…。

まさに岸田政権崩壊後の新しい日本の未来へ向けた美しい言葉に聞こえた。

根本的に覆っていく一番初めの一歩がジャニーズ問題なのだ。

(メルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』2023年9月16日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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医療機器メーカー勤務を経て、2000年7月に整体院にて独立開業。 一日200名以上の整体院に成長。その後7店舗展開。独立専門整体スクール開校し、生徒は全国で活躍している。 15万2000人以上を施術。整体スクールは650名以上の整体師を輩出。現在も施術及び施術指導継続中。 店舗立ち上げから閉鎖まですべて体験し、やりたくないことをやめ、やりたいことにエネルギーを集中させる人生へのシフト。 医療機器メーカー時代に得た生活習慣病に対する知識と経験を踏まえてヴィッシュ整体法を創始。 著書に「集客革命」「でも、大丈夫!!」「ぶっちぎり集客力」すべて現代書林刊がある。 JPMA日本理学手技療法協会代表理事 フィットバランス療術学院 学院長 エネルギー整体Vitsyu-Yoga 院長 趣味はトレイルWalking&Running。愛犬はアメコカ女の子“アビィ”

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