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住民と管理組合に「深い溝」ができてしまうマンションが存在する理由

マンション経営、管理についてさまざまな記事で紹介しているメルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者で一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さんが、今回マンションコミュニティの今後についてのアンケート調査を行いました。その結果について詳しく紹介しています。マンション住まいのみなさん、「挨拶」ってどうしてますか?

マンションコミュニティの今後についてのアンケート結果報告

こんにちは!廣田信子です。

マンションコミュニティ研究会では、「マンションコミュニティの今後についてのWebアンケート調査」を行いました。

その趣旨とアンケートへのご協力のお願いは、下記で書きました。

マンションコミュニティの今後を考える

これをお読みになってアンケートにご協力下さった皆様には、心より感謝いたします。

その結果を発表しましたので、ご案内します。

マンションコミュニティの今後についてのアンケート調査報告書

アンケート結果では、「管理組合の情報を常にオープンにしていること」「総会にはかる議案について丁寧に説明をしていること」が合意形成にも影響を与えることが改めてはっきり分かりました。これもコミュニティの重要な役割です。

「理事が住民に挨拶する積極的なコミュニケーションをとっている」「これまでの理事にご苦労様の文化がある」は当研究会が扱ってきた事例の中で合意形成に重要な役割を果たすものだと思っていました。

これに対しても合意形成に大きく影響することが確認できました。

一方、「挨拶」については住民の入れ替わりと共に挨拶が普通でなくなることもあると改めて知りました。

理事の苦労を知っていて、それにご苦労様と思う文化は大切だと思います。

それを表すことで、次の理事もがんばろうという気持ちになるのです。

総会で退任した理事に花束贈呈をしたことで、タワーマンションの管理組合運営が円滑になったという話が印象に残っています。

その他にも、10年後、30年後のマンションコミュニティについて自由にお話を伺った膨大な資料をまとめています。

高齢化と共に厳しくなっても、管理組合運営はきちんとしていくことが必要で、第三者の力を借りることも必要だと思います。

その場合、分かりやすい広報誌の作成、重要なことの合意形成の過程等をきちんと分かりやすく示すことには、

第三者の力を借りてもしっかりやっていきたいです。そこができていれば、合意形成の下地ができるのです。

一方、高齢者は特に気持ちよく挨拶をかわせることが合意形成にも関わります。

合意形成の下地として、気持ちよく挨拶することは意味があると思います。

ただし、相手から挨拶が返ってこないということを気にしないことです。

私が非常にいいと感じる管理組合を紹介したいと思います。

15年前、大規模マンションであるがゆえに、地方公共団体から、自治会をつくって防災活動をしてほしいと言われましたが、自分たちは管理組合として全体で取り組むからと断わりました。

ここでは、「管理組合ニュース」がすべての情報提供ツールです。

管理組合の取り組み、将来の検討もよくわかるように書かれています。

前期の理事の言葉から今期の理事の気持ちも書かれています。それが本当に分かりやすく気持ちが伝わってきます。

防災体制も、お祭り等のこともすべてここに書かれているのです。

管理組合としての取り組みが一体で本当に分かりやすく、この状況がマンション住民にとって当たり前であることが合意形成の大きな力となっていると感じます。

アンケート結果には、さまざまな内容が含まれていますが、参考にしていただければ幸いです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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