今年の秋は「クマ出没注意」どころではないようだ。NHKの調べによると今年のクマによる被害者は、10月29日時点で18道府県の173人におよぶという。しかも10月に入ってからの被害だけで少なくとも64人に上り、過去最多だった2006年10月の49人を大きく上回っている。
クマ 被害人数は18道府県で過去最悪の173人 対策徹底呼びかけhttps://t.co/SSh5w5Rdb4 #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) October 29, 2023
ついには東京にも姿を表したクマ
さらに10月23日には東京都町田市の施設でもクマが目撃されるなど、都心と言えども「対岸の火事」とは言えない状況となっている。いったい日本の山で今、何が起きているのだろうか。
クマによる人身被害件数が今年もっとも多いのは秋田県で59人、次いで岩手県が41人、福島県13人、青森県11人。北秋田市では19日、住宅街で中高生を含む男女6人がクマに襲われ怪我を負っている。
クマの駆除に殺到するクレーム
このような事態を受け秋田県では、地元猟友会などの協力を得、当然ながら法に則りクマを駆除。しかしこの「やむを得ない選択」に対して、電話やメールでのクレームが相次いでいるという。X(旧Twitter)でも「やり方が酷すぎるんだよ」「駆除以外に手はないのか」「クマ可哀想すぎる」といった書き込みが多数見受けられる。
デヴィ夫人の投稿にコメント欄が大炎上
このような中、タレントのデヴィ夫人がインスタグラムに投稿した内容が物議を醸す。
アメリカでは、クマを 麻酔銃で捕獲し、沢山の果物などの食物をつけて 山に帰してあげます。
日本では 銃殺してしまう。可哀想です。
日本も アメリカに習うべきでは ないでしょうか。
コメント欄には「色々と勉強不足のコメント」「机上の空論」「これは賛同できない」といった批判的な書き込みがあふれ、大炎上となってしまった。
難しい判断を迫られている地方自治体
ともあれ、クマによる被害の拡大を手をこまねいて見ているわけにもいかず、かと言って現場の実情を知らない都会に住む動物愛護が過ぎる人々のクレームを放置することもできるものではない。秋田県を始め、多くの被害者を出していいる自治体が、クマの駆除に対して難しい判断を迫られているのが現実だ。
宮沢賢治の短編『よだかの星』という作品をご存知だろうか。全ての生き物は、他の生き物を犠牲にしなければ命をつないでいけないという動かせない事実に葛藤する「よだか」の物語だ。
人とクマとの関係は、もちろん「共存」できればそれに越したことはない。しかし現実問題として被害が続出している以上、ここまま放置するわけにはいかないのが現状だろう。もし、あなた自身や大切な家族がクマに命を奪われるような事態になったしても、それでも「クマの駆除に断固反対」と言い切れるだろうか。
X(旧Twitter)の反応
「被害がある地域の実情を知って」この言葉に全てが詰まってると思います。
クマに襲われ、男性が右目失明 駆除反対の声に「被害がある地域の実情を知って」 | 2023/10/29 – 山陰中央新報 https://t.co/rhtm2yDdTy
— うさみ やすひと 秋田県議会議員 (@yasuhi10) October 29, 2023
鈴木知事 “保護重視の状況に変化” 積極的にクマ駆除へ|NHK 北海道のニュース https://t.co/J1TjAm6ybP
— 鈴木直道(北海道知事) (@suzukinaomichi) October 27, 2023
普通に生活していてクマと出会ってしまう土地には、そのままだと人間は住めない。駆除致し方なし。動物好きだしかわいそうに思う気持ちもあるけど、優先順位は間違っちゃいけない。我々は人間なんだから、人間を優先しないと。
何でもそうです、優先順位大事。他国より自国。知らない人より身近な人。
— 倉田真由美 (@kuratamagohan) October 27, 2023
クマ駆除の秋田県に「お前も死んでしまえ」など抗議電話殺到 https://t.co/GPDBYhbJnR
……ここまで来ると動物愛護を通り越して完全な価値観の倒錯。 カスハラは「カスタマーハラスメント」の略か、「カスがしてくるハラスメント」かと思った。— 唐沢俊一 (@karasawananboku) October 28, 2023
←動物保護団体が想像するクマ 駆除しないと人命が危ないクマ→ pic.twitter.com/X30RGlhE2f
— ケニー (@hatara_kenny) October 26, 2023
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