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元信者が解説。岸田首相にも一方的に送られた旧統一教会からの「17枚のファックス」に書かれていたこと

フジ系『ひらけ!パンドラの箱 アンタッチャブるTV』で、「日韓トンネル」の件が取り上げられたことで再び注目を集めている旧統一教会。そんな教団から「財産保全の立法をしないように」というファックスが複数の国会議員宛に送られてきたことをご存知でしょうか? かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストで、先の番組にも登場した多田文明さんは自身のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』の中で、その理由を解説するとともに、岸田首相にも送られたという文面の中身について紹介しています。

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解散命令請求の反論会見で話した「海外宣教援助費」をきっかけに、一気に財産保全の流れになった!?

旧統一教会は文化庁の解散命令を受けて、10月16日に反論会見をしましたが、そのなかで出てきた「海外宣教援助費」は、逆に墓穴を掘った形になったかもしれません。

実際に、おそらく多くの方の耳に、この言葉が残ったことと思います。

翌日、立憲民主党を中心とする国対ヒアリングが開かれて、全国統一教会被害対策弁護団の阿部克臣弁護士から「会見で海外宣教援助費が出てきました。宗教活動でお金を使うことは、目的の範囲内ということをいっておりました。

そういう名目で(今後)海外に送金していくつもりなんだと、改めてわかりました。

財産保全の必要があることが、裏付けられたと思います」との話があり、まさにその通だと思います。

すでに、ヤフー記事「旧統一教会の反論会見により、財産保全の必要性が裏付けられたとの弁護士の見解 与野党で財産保の流れに」にしていますので、ご参照下さい。

立憲民主党からは、財産保全の特別措置法案が提出されて、日本維新の会からは、宗教法人法の改正案に盛り込まれています。

そして自民党議員からも財産保全の検討に対する声もあがり、24日の報道では、与党である自民党、公明党とも、被害者救済に向けて、旧統一教会財産保全の対応策のプロジェクトチームが発足するまでに至っています。

ぜひとも実効性のある被害者救済への道筋をつけてほしいと思います。

世界教団本部が「各国の現行法に沿って財産を管理するように」との通達したとの報道

反論の会見後、旧統一教会の世界教団本部から「各国の現行法に沿って財産を管理するように」との通達を出したという報道が10月23日にありました。

これまで日本の信者らに献金ノルマを課して、数々の民事判決で違法とされるような不法な手段でお金を集めさせておきながら、「現行法に沿って」と、堂々といえるところに教団の本質があるように思います。

もし真摯に、国内の社会情勢に真摯に向き合っての通達をするならば「現行法にそって、悪質な手法で得た財産は、被害者にしっかりと返すように」と通達してほしいところですが、それはしないのでしょうね。

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岸田首相にも送られていた、教団からの「違憲違法な立法をしないように」とのファックス

韓国本部の通達を受けての意向もあるのでしょうか。

教団が解散命令請求を受けて財産を散逸させる恐れがあることから、財産保全の法案が立憲民主党、そして日本の維新の会からは宗教法人法の改正の形で出されていますが、それに対して、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中冨廣会長と岡村信男法務局長の連名で、「法案を国会に提出することは厳に控えて頂きますよう、申し入れます」との文書が自民党の議員らに届けられていたことがTBSの報道により明らかになりました。

10月27日の予算委員会でも立憲民主党の西村智奈美が、この件を取り上げて岸田首相に質問をしました。

被害者家族の中野容子さん、元旧統一教会2世信者もるすこさんらと国会の傍聴をしていましたが、岸田首相は「ご指摘のような文書、ファックスで私の事務所にも一方的に送られております」と述べました。

その時、どよめきが起きましたが、自民党をはじめとした多くの議員に一方的に送られてきているようです。

この辺りの見解は、改めてヤフー記事にしたいと思います。

教団が衆議院議員らに送ったファックスは17枚、その中身とは?

手元にあるも、教団が送ったとされるファックスは17枚(送付状を入れて18枚)という数です。

衆議院議員宛で、「違憲違法な立法措置などがなされないように」とあります。

送信の日付は10月25日ですから、まさに韓国本部の「現行法にそって」との通達後に送られたきたことになり、韓国本部のプレッシャーを受けての日本の教団の焦りさえ透けてみえます。

(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2023年10月28日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Sun Myung Moon, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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