時事通信が11月10日から13日にかけて実施した世論調査で、21.3%という過去最低の支持率を記録した岸田政権。伝家の宝刀とも言われる解散権も実質的に封じられ、もはや二進も三進も行かない状態にあることは誰の目から見ても明らかです。そんな政権を「学級崩壊状態」とするのは、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』等の著作で知られる辻野晃一郎さん。辻野さんは自身のメルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』で今回、何がかような状況を招いたかを検証するとともに、首相に対しては即座の辞任を求めています。
学級崩壊状態の岸田政権
まあ、もう今の日本の政治については、心底呆れ返ることばかりで、本当に嫌になります。
9月13日に岸田改造内閣が発足以降、立て続けに3名の政務官や副大臣が辞任しました。第一号は山田太郎文科省政務官。女性との不適切な交際が文春で報じられたのがきっかけになりました。第二号は柿沢未途法務副大臣。東京都江東区の区長選での公職選挙法違反に当たる行為が発覚しました。そして第三号が神田憲次財務副大臣。税理士資格も持つ財務副大臣でありながら、過去に4度もの税金滞納で資産を差し押さえられていたことが明らかになりました。資産公開法違反の疑いも出ています。
岸田首相は、人事については常に適材適所という説明を繰り返してきましたが、派閥などから押し付けられた通りの人事をしているだけで、もちろん自分で吟味した人事ではありません(吟味したところで適材適所を選べるとも思えませんが)。また、任命責任についても都度「重く受け止める」と言うだけで、実際に責任を取ることなど一切ありません。神田財務副大臣の件など、発覚と同時に即刻罷免が当たり前という言語道断な内容でしたが、いつも通り優柔不断なまま遂に罷免することはなく、数日かかってやっと辞任させたというありさまです。
それ以外にも、「増税メガネ」と揶揄されることを気にしてのまやかし減税や、相変わらず河野太郎大臣が強引さだけで押し切ろうとするマイナ保険証問題、破綻が目に見えている関西・大阪万博を強行せんとする維新のバックアップ、旧統一教会問題への中途半端な対応、セクハラ問題や旧統一教会との関連などに関する説明責任を一切果たさずに亡くなった細田博之前衆議院議長への勲章授与、ヘイト発言で知られる自民党比例代表の杉田水脈衆院議員が最近また言いたい放題ですがその放置等々、人心は離れる一方で、支持率もダダ下がり状態が続いています。
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まやかし減税が不発に終わって解散の機会も失い、追い詰められた岸田政権は学級崩壊状態で、既に破綻していると言っていいでしょう。永田町ばかりでなく、国民の期待も関心も既に岸田首相にはありません。本人は、なんとか来年の2月までは首相を続けたい意向のようですが、何とその理由が、宏池会から歴代首相になった5人中、池田勇人氏に次ぐ在任期間を確保することにこだわっているとのこと、なんとも情けない限りです。そのため、来春の予算成立と同時に辞任して院政を敷くなどというシナリオを麻生氏と一緒に練っているとか…。
首相に就任した当初から、何をやりたいのかがまるで見えず、党内基盤が脆弱で、自民党内では、宏池会でありながら安倍派に過度に気を使って安倍元首相の路線を丸ごと継承し、その一方で麻生氏にかしずき、茂木氏の台頭に怯え、未だに二階氏や菅氏にも媚びながら、党外では財務省や経団連の言いなり、米国にはひれ伏して、あっち行ったりこっち行ったり。その結果、今や完全なレームダックとなった岸田首相には、来春と言わず、一刻も早く辞めていただくのが国の為です。
※本記事は有料メルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』2023年11月17日号の一部抜粋です。興味をお持ちの方はこの機会にご登録ください。
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image by: 首相官邸