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2024年度からの新しい「賃上げ税制」いったい税金がどうなるのか?

2024年度の税制改正で企業の賃上げ税制が改定されることとなりました。今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では著者で現役税理士の今村仁さんが、その詳しい内容を紹介しています。

賃上げ税制(大企業含む全企業向け)~2024年度税制改正

■2024年度税制改正大綱

2024年度(令和6年度)税制改正大綱が、2023年12月14日に与党より発表されました。

政治の激震もあり最後まで修正が続いたようで、どうなることかという部分もありましたが、結果的には例年通りの日程で発表されることになりました。

来年6月の給与等における所得税及び住民税から減税となる「1人4万円の定額減税」が目玉となっていますが、法人税においても大きな改正が予定されていますので、今回はそのご紹介となります。

■賃上げ税制(大企業含む全企業向け)

給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度について、次の措置を講ずる(所得税についても同様とする)。

全法人向けの措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。

イ 原則の税額控除率を 10%(現行:15%)に引き下げる。

ロ 税額控除率の上乗せ措置を次の場合の区分に応じそれぞれ次のとおりと
する。
(イ)継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が4%以上である場合・・・税額控除率に5%(その増加割合が5%以上である場合には 10%とし、その増加割合が7%以上である場合には15%とする)を加算する。

(ロ)教育訓練費の額の比較教育訓練費の額に対する増加割合が10%以上であり、かつ、教育訓練費の額が雇用者給与等支給額の 0.05%以上である場合・・・税額控除率に5%を加算する。

(ハ)プラチナくるみん認定又はプラチナえるぼし認定を受けている場合・・・税額控除率に5%を加算する。

ハ 本措置の適用を受けるために「給与等の支給額の引上げの方針、取引先との適切な関係の構築の方針その他の事項」を公表しなければならない者に、常時使用する従業員の数が2,000人を超えるものを加える。

ニ 本措置の適用を受けるために公表すべき「給与等の支給額の引上げの方針、取引先との適切な関係の構築の方針その他の事項」における取引先に消費税の免税事業者が含まれることを明確化する。

■全企業向けの賃上げ税制は3段階

要約すると、下記となります。

前年度から3%以上の賃上げ・・・10%税額控除
前年度から4%以上の賃上げ・・・15%税額控除
前年度から5%以上の賃上げ・・・20%税額控除
前年度から7%以上の賃上げ・・・25%税額控除

上記それぞれに、「教育訓練費要件を満たすと+5%税額控除アップ」、「女性活躍又は子育て支援要件を満たすと+5%税額控除アップ」となり、結果的に、最大25%+5%+5%=35%の税額控除となります。

但し、当期の法人税の20%が上限となるのは現行と変わりません。

また、税制改正大綱には、下記も明記されていますので、実務ではご留意下さいませ。

・給与等の支給額から控除する「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」に看護職員処遇改善評価料及び介護職員処遇改善加算その他の役務の提供の対価の額が含まれないこととする。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 マネーコンシェルジュ税理士法人 【発行周期】 週刊

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