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自民「派閥解散」、旧ジャニ「解体」、宝塚「暴露」…古い秩序が崩壊し“新たな繁栄”に向かう日本

政治資金を巡る疑惑を受け、相次いで解散を表明した安倍派など自民の3派閥。「その場しのぎの悪事隠し」と見る国民も多いのが事実ですが、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは「もっと大きな流れ」としてこの出来事を見ているといいます。北野さんは自身のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で今回、その「流れ」を詳しく解説。さらに今後の日本社会の行く先を予測しています。

古い秩序の崩壊。自民党派閥も解体され日本が向かう新たな繁栄の時代

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!北野です。

安倍派、岸田派、二階派解散。すごいことです。『毎日新聞』1月19日付。

自民党最大派閥の清和政策研究会(安倍派)は19日、政治資金パーティーの裏金事件を受けて総会を開き、同派を解散すると決めた。党内第5派閥の志帥会(二階派)も同日、解散方針を決定。第4派閥の宏池会(岸田派)は昨年12月まで会長を務めた岸田文雄首相が18日、解散する方針を表明しており、事件は関係者が立件された3派閥がそろって消滅する異例の事態に発展した。

3派閥が消滅するに至った原因などについては、触れません。テレビをつければ、その話ばかりしています。

この話、「これまで派閥は悪いことばかりしていたが、バレたのであわてて解散した」と解釈している人が多いでしょう。私は、「もっと大きな流れ」で今回のできごとを見ています。

確実に改善されつつある日本社会

私は1990年から28年間、モスクワに住んでいました。2018年、完全帰国しました。理由は、ロシアでネット規制が強化され、仕事に支障がではじめたからです。

2018年、日本では「働き方改革」が大流行していました。私は当時、「日本の閉そく感の大きな理由の一つは、ひどすぎる労働環境、具体的には長時間労働だ」と考えていました。しかし、「働き方改革」で、労働時間は短くなりました。

またこの年は、「とても暑かった」ことで知られています。熱中症で倒れる人がバタバタでていました。そして、なんと日本の学校のエアコン設置率は、5割程度であることが暴露された。国際社会は、「なぜ先進国でクソ暑い日本の学校のエアコン設置率が5割なのだ!」と仰天したのです。

日本政府も「恥ずかしい」と思ったのでしょうか?それから数年で、学校にエアコンを設置しまくり、アッという間に9割を超えるようになりました。

2019年には「東池袋自動車暴走死傷事件」が起こりました。87歳の飯塚幸三氏が11人を死傷させたのです。この事件の後、75歳以上のドライバーの免許更新が厳格化されました。2020年には、あおり運転の罰則が強化されました。免許取り消し、最長5年の懲役、罰金など、厳しいです。

2020年~2021年には、コロナでテレワークが大いに普及しました。家で仕事できる人が、毎日往復2時間かけて通勤するのは膨大な無駄です。またコロナの期間、セルフレジが急速に普及したり、ファミレスにロボットウェイターが登場するようになりました。

というわけで、2018年に私が日本に戻ってきてから、「日本は少しずつだが、どんどんよくなってきている」というのが、素直な感想です。

次々と崩壊する絶対的存在と思われてきた「旧秩序」

そして2023年から現在にかけて、「絶対的存在と思われてきたものが次々と崩壊する」という現象が起こっています。

たとえばジャニーズ事務所。私が生まれる前から存在していたジャニーズ事務所が消滅するとは、2022年時点で誰も想像できなかったでしょう。

たとえば、宝塚歌劇団。2023年9月に劇団員・有愛きい(25)さんが自殺したことをきっかけに、宝塚歌劇団のパワハラ、モラハラが暴露されるようになりました。

たとえば、吉本興業。現在、松本人志さんのセクハラ疑惑で大騒ぎになっています。真相はまだわかりませんが。

そして、今回の安倍派、岸田派、二階派消滅。

これら一連のできごとは、全然無関係にもみえますが、私には「相互に関係しているできごと」にみえます。つまり、セクハラ、パワハラ、モラハラ、汚職などは許しませんよという流れに見えます。

ジャニーズも、宝塚も、吉本興業も、政治家も、セクハラ、パワハラ、モラハラ、不正をしていたら生き残れない時代になってきたのでしょう。だから、日本は、これらの事件を通して、浄化され、よりよい国になっていくのです。

ちなみに皆さん、「80年周期」ってご存知ですか?『フォースターニング』に詳細は書かれています。

トランプ大統領の主席戦略官だったバノンさんが「バイブルがわりに読んでいる」と発言したことで注目されました。

80年周期でいうと、2024年は、1944年の繰り返しになります。第2次世界大戦末期ですね。ということは2025年は、1945年の繰り返しになります。日本は、敗戦して新たな時代に向かいました。

となると、現在は、「過去80年のネガティブな部分がどんどん崩壊していく時代」と言えるのではないでしょうか?それは、セクハラ、パワハラ、モラハラ、非人道的労働環境、構造的汚職などなどなのでしょう。

今起こっていること、「この国はめちゃくちゃだ!」と考えることもできます。ですが、派閥が違法行為を好き放題やっていたことが暴露されてよかったではないですか?それで、これから政治は、少し浄化されることでしょう。

皆さんの目には、今の日本がどう見えますか?私は、「暗黒時代がもうすぐ終わり、繁栄に向かう前夜」に見えます。

そう思って、今日一日生活してみてください。あちこちで、「いい兆し」が見えることでしょう。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2024年1月20日号より一部抜粋)

image by: Makhh / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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