シェイクスピアをはじめ、日本で古くから読みつがれてきたイギリスの文学作品。しかし今、英国で日本の小説の人気が急上昇中であることをご存知でしょうか。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、2023年にイギリスで販売された翻訳小説200万部のうち、日本の作品が25%を占めたという現地有力紙の記事を紹介。その上で、日本の小説が世界で売れるのは「これから」だと読む理由を解説しています。
英訳された「日本の小説」が人気急上昇
今回は少しやわらかい話。今、日本の小説が英国で売れているという話です。1月27日サウスチャイナモーニングポストからの記事です。
英訳された日本の小説が人気急上昇
イギリスでは、ソーシャル・メディアのおかげで日本の小説の英訳版がブームとなっている。
TikTokの読者コミュニティであるBookTokのおかげもあって、英訳された日本の小説の売れ行きが英国で好調だ。特に日本の社会や文化を取り上げた小説がヒットしている。
TikTokには、10万回以上再生された動画が「#日本の本」というハッシュタグ付きで多数投稿されている。YouTubeには、これらの小説についてさらに詳しく解説した動画が多数アップされている。
昨年、イギリスの新聞『ガーディアン』は、同年イギリスで販売された翻訳小説200万部のうち、日本の作品が4分の1を占めたと報じた。
解説
イギリスで販売された翻訳小説の25%が日本の作品とは驚きです。それでは、どんな本が売れているのでしょうか?記事は続きます。
プーシキンプレス(出版社)でマネージング・ディレクターを務めるフロイデンハイム氏は語る。
「日本の小説は常に一定の人気を享受してきたが、村田沙耶香の『コンビニ人間』(2018年英語版出版)の成功が現在の人気ブームの幕開けとなった」
TikTokでは、吉本ばななや川上未映子などの作家の本を、音楽をバックにした短い動画で紹介している。
日本作品の中で人気のあるのは、川上さんの『Ms Ice Sandwich』(2020年)のような短編小説である。
もう一つコンスタントに売れているのは、村上龍さんの1980年の小説『コインロッカー・ベイビーズ』(2013年に英語で出版)だ。
プーシキン(出版社)は2019年、横溝のミステリーシリーズ『本陣殺人事件』を発売した。以来、彼の著書は約20万部を売り上げている。
横溝正史のセールスポイントは、伝統的なイギリスの犯罪小説に「日本流のひねり」を加えている点にある。イギリスの読者にとって「親しみやすいと同時に異なる」作品になっている。
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解説
私は、日本の小説が世界で売れるのは「これから」だと思います。
というのは翻訳者の不足が解消されたからです。
翻訳は外国語から母国語に行うのが常道です。英訳は日本語を学んだ英語ネイティブが行わねばなりませんでした。
日本語をそこまで習熟する外国人は少ないですから、圧倒的に翻訳者が不足していました。
それがITの劇的進歩で下翻訳を機械がしてくれるようになりました。ハードルが格段に下がりました。
日本には今まで翻訳ができなかった多くの本の蓄積があります。
それらが翻訳されれば、世界的なベストセラーになるものもでてくるでしょう。うれしいことです。
(この記事はメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』1月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録の上、1月分のバックナンバーをお求め下さい)
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