「とどまるところを知らない」としか言いようのない、中国自動車産業の成長。昨年の新車販売台数は3,000万台を超え15年連続世界一となり、輸出台数も日本を抜きついに世界一と、ダブルで世界一を記録するに至りました。いったい何がこの活況を支えているのでしょうか。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、その理由を考察。さらに2024年の展望を分析しています。
中国の新車販売が3,000万台を突破。NEV(新エネルギー車)比率3割超、2024年はどうなる?
中国自動車工業協会(中国自工会)が発表したデータにより、中国における2023年の自動車生産・販売はいずれも前年比12%増となり、3,000万台を超えた。
これにより新車販売は15年連続で世界一、乗用車販売は9年連続で2,000万台を超え、そのうち中国勢のシェアが56%に達した。
自動車輸出も急増して日本を抜き世界一になり、また新エネルギー車(NEV)販売も1,000万台に迫っている。
全体の状況
2024年、中国の自動車販売台数は3%程度の成長で3,100万台を超え、NEVは1,150万台になるという。
2023年初頭、ガソリン車の自動車税優遇や中央政府によるNEV補助金終了の影響を受け、出だしこそ低調だったが、月を追うごとに復調、同年12月には生産・販売がそれぞれ前年20%以上の成長となる300万台を超えた。
15年連続で世界一、2位の米国は1,546万台だからその差を確実に広げた形。中国は2029年に新車販売1,000万台を突破、2013年に2,000万台を突破していたが、次の1,000万台には11年を要したことになる。
乗用車販売
新車販売3,000万台のうち、8割以上が乗用車で、9年連続で2,000万台を超えた。ただし乗用車だけの成長率は全体を下回る10%程度となった。
中国勢だけでみると、前年比24%増となる1,459.6万台となり、米国全体の市場規模に匹敵、中国国内シェアは前年比6.1ポイント上昇して56%となった。値下げ攻勢が大きかったと分析されている。
NEV販売
NEV生産・販売はそれぞれ前年比35%以上成長して、1,000万台近くに達し、市場全体のシェアは前年比5.9ポイント上昇して31.6%となった。
ミニEVの販売は急減、中型のやや大きめなサイズが好まれるようになっている。理想(Lixiang)効果か、35~40万元の価格帯のNEV販売が倍増しているのも特徴。
自動車輸出
通年の自動車輸出は同58%増の491万台となった。中国自動車市場の成長に対する貢献比率は55.7%に達している。
BYDが前年比4.3倍増の25.2万台、奇瑞(Chery)が同2倍の92.5万台となった。
2023年1~11月、日本の自動車輸出台数は399万台のため、年間を通じて中国が初めての自動車輸出、世界一になる見込み。なお、中国税関による中国自動車輸出台数は522.1万台となっている。
2024年展望
2004年の中国新車販売市場は前年比3%上昇して3,100万台を超える見込みで、乗用車も同じ程度の成長を予想。そのうちNEVは1,150万台となり、前年比20%以上の成長を見込む。
輸出は550万台で、前年比12%程度の伸びに落ち着くという。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202401/12I70378853C110.shtml
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