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バカのフリしてインタビュー?プーチンを取材した米国ニュース元看板司会者が心の中で嘲笑していたワケ

2月6日、ロシアがウクライナに軍事侵攻してから初めて西側のジャーナリストによるインタビューを受けたプーチン大統領。その動画はインタビュアーでアメリカの元FOXニュース看板司会者だったタッカー・カールソン氏の個人ウェブサイト等で公開されましたが、鋭い質問もなく、「ただプーチン氏の主張を聞かされただけ」との評も多く聞かれるものでした。そんなカールソン氏ですが、ここに来て「本音」を語り始めたといいます。インタビュー中、彼はどんなことを胸に秘めていたのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんがメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で紹介しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題「タッカー・カールソン衝撃の本音~プーチン主張は超バカげている!」

プーチンの主張は超バカげている!心のなかで嘲笑っていたアメリカ人インタビュアー

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!北野です。

2月6日は、親プーチン派の人たちにとって、「プーチン、偉大な勝利の日」であります。

なぜ?元FOXニュースの看板キャスター、タッカー・カールソンがプーチンにインタビューをした。それで、プーチンの主張が、全世界に拡散された。ということだそうです。

このインタビューを見ながら私は、「タッカー・カールソンは、知識量が十分ではないのだな」と思いました。

プーチンは、「自分に都合のいい事実だけ語り、自分に都合の悪い事実は語らない」という作戦で、インタビューを「情報戦の強力な武器」にしました。見事です。

しかし、RPEの皆さんは、「タッカー・カールソンでプーチンが語ったことの『ホントの部分』と『ウソの部分』」を見分ける力を身につけてください。

実を言うと、このインタビューの「ホント」と「ウソ」について、【裏メルマガ】で語っていました。是非こちらの記事をご一読ください。

プーチンがタッカー・カールソンからインタビューを受けた意味

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【裏】ロシア政治経済ジャーナル~情報ピラミッドを超越せよ!

なにはともあれ、タッカー・カールソンは、プーチンの言葉をとても素直に聞いていました。私は、「プーチンにとって都合の悪い質問をするほどの知識はないのかな」と思ったのです。しかし、ここにきて、タッカー・カールソンが【本音】を語り始めました(出所URLは、一番最後につけます)。

『Lex Fridman』チャンネル 2月28日付にタッカー・カールソンが出演していました。注目してほしいのは、1時間29分あたりです。

レックスさんが、「プーチンが、戦争継続の正当性は、【非ナチス化】だと言ったことについてどう思う?」と質問しました。

これに対してタッカー・カールソンは、「これは、私が今まで聞いた中で【最もバカげたこと】の一つだと思ったよ!」と正直に応じました。

少々、補足しておきましょう。プーチンは、ウクライナ侵攻の理由として、

などなど、いろいろ理由を挙げています。

そして、プーチンは、タッカー・カールソンに、「ウクライナを非ナチス化しなければならない!」と主張した。「非ナチス化しなければならない」というのは、つまりプーチンは、「ゼレンスキー政権は、『ネオナチ政権だ』」と主張しているのです。タッカー・カールソンは、それを聞きながら、「これは、私が今まで聞いた中で【最もバカげたこと】の一つだ!」と思っていたというのです。

「非ナチ化ってなんだよ」心のなかで嘲笑っていたカールソン

タッカー・カールソンの言葉に戻ります。

「私は、『非ナチス化』の意味がわからなかったよ」

レックスさんは、いいます。

「それは、文字通りの意味なんじゃないか?」

タッカー・カールソンは説明します。

「これについて、私にはいろいろ考えがあるよ。私は、その話全部が嫌いだ。なぜなら、それはリアルじゃないからね。ただの個人攻撃に過ぎない。誰かを、もう存在しない邪悪な政権と結び付ける方法だ。

しかし実際のところ、ナチズムは何であれ、ドイツ国家から分離できないだろう。それは、ドイツの民族主義運動だった。他にナチスはなかったよね?ナチズムの本もないし。

私がナチスになりたいとするよ。『ナチスになる』って、どういう意味なんだ?アイディアはない。私が言いたいのは、『我が闘争』がないということだ。『資本論』じゃないよね?『我が闘争』は、私の理解では、ヴェルサイユ条約についてだろ。いずれにしても、私はとても『反ナチス』だ。

私は単に、2024年にはナチス運動は存在しないと言っているだけだ。それは人々を邪悪だと呼ぶ方法だ。

OK!プーチンはウクライナ人の民族主義者が好きではない。プーチンは全般的にナショナリズムを嫌っているが、それは興味深い」

疲れてきたのでこのくらいにしましょう。

出所は↓です。

Tucker Carlson: Putin, Navalny, Trump, CIA, NSA, War, Politics & Freedom | Lex Fridman Podcast #414

1時間29分ごろからみてください。

ここで重要なこと。タッカー・カールソンは、プーチンの話を聞きながら、「これは、私が今まで聞いた中で【最もバカげたこと】の一つだ!」と思っていた。

しかし、彼のプーチンインタビューを聞いた一部の人たちは、「プーチン、やっぱすげえ!!!!」と、すっかりプーチンの作戦に踊らされてしまったのです。

繰り返しますが、タッカー・カールソン自身は、プーチンの話を聞きながら、「これは、私が今まで聞いた中で【最もバカげたこと】の一つだ!」と、心の中であきれ、嘲笑していたのです。

だから国際社会はプーチンを「プトラ─」と呼ぶ

プーチンは、ゼレンスキーを「ネオナチ」と呼びます。しかし、「ナチス」といえば、プーチン政権こそ「ナチス」に近い。

たとえばプーチンは、「ウクライナ人なんて民族は存在しない。ウクライナ人はロシア人だ」と主張し、ウクライナ人の意志を無視して、ウクライナ人を地上から消し去ろうとしています。

これは、まさに「ユダヤ人絶滅政策」を遂行していたヒトラーと同じといえるでしょう。

だから国際社会では、「プーチン」と「ヒトラー」をあわせて、「プトラ─」という言葉が生まれてきたのです。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2024年3月3日号より一部抜粋)

image by: Aynur Mammadov / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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