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大企業が「詐欺まがい」のことをし始めた社会で“生き残る”方法は?

情報化社会になると現れる詐欺師。このような詐欺にひっかからないための心理学をたっぷり集めた一冊を、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが紹介しています。

【騙されないための心理学】⇒『全員“カモ”』

全員“カモ”

ダニエル・シモンズ、クリストファー・チャブリス・著 橘玲・解説 児島修・訳 東洋経済新報社

こんにちは、土井英司です。

情報化社会になると、決まって詐欺師が現れるものですが、現在厄介なのは、大企業やIT企業が、心理操作の手法を使って、詐欺スレスレの行為を行なっていることでしょう。

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『錯覚の科学』で知られる著者、ダニエル・シモンズとクリストファー・チャブリスによる注目の新刊。

錯覚の科学

あの「見えないゴリラ」実験を行った人物、といえばピンと来る人は多いかもしれません。(「見えないゴリラ」実験がわからないという人は、今すぐ読んだ方がいいと思います)

原題は“Nobody’s Fool”ですが、邦訳では、『全員“カモ”』と随分過激なタイトルがついています。

われわれの脳にはどんな癖があって、詐欺師はそれにどうつけ込むのか、具体例が書かれており、読んでおけば、典型的な手口には気づけるようになると思います。

「集中」

「予測」

「思い込み」

「効率」

という4つの「ハビット」と、

「一貫性」

「親近性」

「正確性」

「有効性」

という4つの「フック」(釣り針のように私たちの心に引っ掛かるもの)。

人間が陥りがちな心理バイアスと、それをどう克服するかが書かれており、転ばぬ先の杖として、有効な一冊です。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

人間以上の知能を持つようになるらしいAI(人工知能)に、収益を最大化するビジネスモデルを構築するように指示すれば、合法的かつ効率的に消費者の脳をハックする手法が提案されるのは間違いない。そのときもっとも大きな被害をこうむるのは、認知的な脆弱性を抱えるひとたちだろう(橘玲)

計算すればわかるが、タイムシェアのリゾートはものすごく割高な買い物で、経済的な合理性はない(橘玲)

これについての私の対策はシンプルで、「大きな買い物はしない」になる(橘玲)

物事を簡単に受け入れてしまわないためには、「不確かである」という状態を意識的に保とうとすべきだ

詐欺師が自信にあふれていると、その話に信憑性があるように感じられる

人間には、目の前にある情報にもとづいて判断を行い、無関係な情報や邪魔な情報は無視する傾向がある

他の多くの“サイキック”パフォーマーと同様、エドワードは事前に観客の情報を収集し、客席にサクラを仕込むことで、みずからの予言が当たる可能性を高めている

「祝日の前後」「国のために何かを祝うような日」に該当する日は、よく考えてみると暦の大半を占めている

人は、一見するとまれに思える出来事が起きる確率を推測するのが苦手だ。たとえば、会議中に、ある同僚と誕生日が同じであることがわかったとする。驚くような偶然の一致だと思わないだろうか。だが実はそうでもない。もし、その会議に23人が出席していた場合、そのうち2人の誕生日が同じである確率は50%以上になる。(中略)50人いる場合は、誕生日が同じペアがいる確率は95%以上になる

重要な情報を省略して、それについて考えないように仕向ければいい

人は「わかりにくいもの」にお金を出す

「ちょっとずつ変える」とわからない

「くり返す」と真実になる

類書で書かれていることも多数登場しますが、よくまとまっていて読みやすい。

企業やセールスマン、詐欺師が仕掛ける典型的手口を知りたい方に、おすすめの内容です。

ぜひ、読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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