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公約「7つのゼロ」は達成率もゼロ。“東京ルール”でウソ実績を捏造する小池百合子氏に都知事の資格はあるか?

7月7日の都知事選投開票まで1ヶ月あまりとなった現時点でも、出馬するのか否かを明らかにしない小池百合子都知事。蓮舫氏という強力な「対抗馬」の登場に、立候補を見送った上での政界引退を予想する声も上がっています。そんな中にあって、小池氏が2016年に掲げた公約「7つのゼロ」に注目しているのは人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは『きっこのメルマガ』で今回、小池氏が達成したと主張する「ペット殺処分ゼロ」が捏造であることを指摘するとともに、東京都の主権を都民の手に取り戻すことこそが重要と説いています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:実現した蓮舫さん待望論!

東京都の主権を都民の手に取り戻す。蓮舫氏の当選がもたらす数兆円規模の利益

あたしは「X」という呼び名がどうしても馴染まないので、今も「ツイッター」や「ツイート」という言葉を使っていますが、2週間ほど前の5月22日、あたしは以下のツイートをしました。

きっこ @kikko_no_blog

6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選で、隠れ自民党の小池百合子やその他の有象無象に大差をつけて立憲民主党が完全勝利を果たすには、蓮舫議員が参院議員を辞任して出馬するしかない!立民がここまでやれば野党への期待度が低く投票に行かない無党派層にも立民の本気度が伝わり、必ず勝利する!

午後8:15 2024年5月22日

https://x.com/kikko_no_blog/status/1793239280518885745

すると、このツイートから5日後の5月27日、蓮舫さんが都知事選への出馬を発表したのです!あたしは蓮舫さんと相互フォローをしているので、蓮舫さんがあたしのツイートを読んだ可能性は高いですが、だからと言って、あたしのツイートを読んで「良し!都知事選に出馬しよう!」と決意した可能性などありえません。

そもそも出馬には様々な準備や所属政党とのすり合わせが必要ですから、今回の出馬はもっと以前から水面下で進められていたはずです。それに、現職の参議院議員である蓮舫さんが、国会議員を辞職してまで臨む都知事選なのですから、ある意味、これは一世一代の大バクチです。そのため、出馬を決意するまでに葛藤もあったと思います。

そんな時、あたしのツイートを蓮舫さんが読み、少しでも「よっしゃ!」という気持ちの後押しになったのだとしたら、こんなに嬉しいことはありません。

…そんなわけで、2016年の都知事選に「7つのゼロ」という公約を掲げて鳴り物入りで出馬した元自民党の小池百合子氏は、約366万票もの圧倒的な得票を得て、初当選を果たしました。2位の宇都宮健児氏が約84万票、3位の山本太郎氏が約65万票でしたので、まさに「ひとり勝ち」でした。

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年間150匹を殺処分も「ゼロ達成」と嘘の実績を捏造

そして、1期目を終えた2020年、小池都知事は2選を狙って再出馬しましたが、この時、4年前に掲げた「7つのゼロ」という公約の達成率をメディア各社が検証しました。以下がその結果です。

×「待機児童ゼロ」半減したが達成はしていない。
×「介護離職ゼロ」達成条件が不明。
×「残業ゼロ」都職員の残業時間は改善なし。
×「都道電柱ゼロ」一定の進捗はあったが達成にはほど遠い。
×「満員電車ゼロ」一定の進捗はあったが達成にはほど遠い。
×「多摩格差ゼロ」達成条件が不明。
〇「ペット殺処分ゼロ」2018年に達成と発表。

こうして見ると、最後の「ペット殺処分ゼロ」しか達成していません。しかし、これはイカサマだったのです。あたしは以前から批判し続けて来ましたが、小池知事は「ペット殺処分ゼロ」だけでも達成したことにしたいがために、全国で統一されている殺処分の規定を無視して、東京都独自のガイドラインを作り、実際には1年間に150匹を超える犬猫を殺処分していたのにも関わらず、書類上だけ数字をゼロにして「公約を達成した」とドヤ顔をしていたのです。

これには、ペット好きとしても知られる人気パティシエの鎧塚俊彦氏も5月30日、自身のインスタグラムで異議を唱えました。

小池知事が8年前に掲げられた公約「7つのゼロ」の内、実現したのは「ペットの殺処分ゼロ」のみと報道されていますがこの殺処分ゼロには異議を唱えます。
都では殺処分に「治癒の見込みがない病気や攻撃性がある動物の処分は含まない」となっておりそれら動物を含むとしている国の定義とは異なります。
国の定義に基づいてゼロを実現した福井県や尽力している神奈川県、埼玉県などとは違っています。

殺処分ゼロの難しさは重々存じており軽々しく謳うつもりはありませんが、先ずは殺処分の定義は国として統一すべきだと思います。
特に「攻撃性のある動物」の定義が曖昧です。
そこから議論をしないと数値は如何様にも細工が可能になってしまいます。
ペット然り、高齢者然り、弱者に優しい社会を目指す知事を選びたいと思っています。 

全国で統一されている定義では、人に懐かない攻撃性の強い個体でも、殺処分した場合には殺処分としてカウントしています。しかし小池都知事は、この規定を勝手に変更して「攻撃性の強い個体は殺処分してもカウントしない」という東京独自のルールを作り、実際には年間150匹も殺処分していたのに「ゼロ達成」と嘘の実績を捏造していたのです。

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新型コロナ禍では人間を見殺しにした小池都知事

「治癒の見込みがない病気」はともかくとして、個々の「攻撃性」については、鎧塚氏のおっしゃる通り「定義が曖昧」であり、担当した職員の判断ひとつでどうにでもなってしまいます。そもそもが人間の都合で捨てられ、恐い思いをしながら必死に生きて来た犬や猫なのですから、それがまた人間に捕らえられて狭いケージに入れられたら、どんな個体でも攻撃的になるのは当然です。

それなのに、その「攻撃性」を理由に殺処分してもカウントしなくて良いというルールを勝手に作り、ペットの命を奪いながら自身の実績づくりに利用するなんて、命というものを軽視した最低の手口です。結局、小池都知事が掲げた「7つのゼロ」という公約は、1期4年どころか2期8年が過ぎた今も「達成率ゼロ」なのです。

しかも、この小池都知事の「東京独自の勝手ルール」という手口は、今に始まったことではありません。新型コロナ禍でも、小池都知事は逼迫する医療体制への批判から自分の身を守るために、他府県では入院レベルの症状でも東京では「自宅待機」を強要しました。そのため、多くの都民が最低限の治療も受けられず、中には自宅や救急車の中で死亡した人も複数出てしまったのです。

この原稿を書いている6月3日の時点で、小池都知事は未だに出馬表明をしていません。もったいぶっているのか、はたまた強敵である蓮舫さんに勝てるかどうか細かい票読みをしているのか、それとも学歴詐称で訴えられた上に都知事選で惨敗して大恥をかくという最悪のシナリオを回避するために、体(てい)のいい「不出馬の理由」でも考えているのか、タヌキの腹の中は分かりません。

しかし、小池都知事が出馬してもしなくても、そんなことはどうでも良いのです。あたしたち都民のすべきことは、投票へ行かない50%の無党派層に訴えかけて蓮舫さんを当選させ、東京都の主権を都民の手に取り戻すことなのです。

…そんなわけで、蓮舫さんが都知事になれば、少なくとも小池都知事が大手ゼネコンとグルになって強行している神宮外苑の自然破壊と高層ビル計画は白紙撤回されます。また、葛西臨海公園の森の樹木を1,400本以上も伐採し、小池都知事のスポンサーの太陽光パネルを大量に設置するという百害あって一利なしの計画も見直されます。そして、何よりも小池都知事の一存で廃止された関東大震災時の朝鮮人虐殺に対する慰霊の日のコメントも、早い時期に再開するでしょう。この3点が正常化されるだけでも、都民にとっては数兆円規模の利益となるのです。

(『きっこのメルマガ』2024年6月5日号より一部抜粋・文中敬称略)

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