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杉村太蔵さんが「東証プライム上場企業の社員は有期雇用にすべき」と大胆提言するワケ

元衆議院議員で、今はTBS系「サンデージャポン」やテレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」、日テレ系「情報ライブ ミヤネ屋」などテレビ番組でコメンテーターとして大活躍、そして投資家、経営者としての顔も持ち今もマルチに活動されている杉村太蔵さん(45)。そんな杉村さんが、去る9月25日、まぐまぐよりメルマガ『杉村太蔵メールマガジン ~タイゾーの投資家視点~』を創刊いたしました。政治の裏側に斬り込むのはもちろん、メルマガのタイトルが示すとおり投資家視点で、世間のあらゆる話題を取り上げています。前回のインタビューでは、発足したばかりの石破政権と衆議院選挙について一刀両断していただきました。第二回の今回は、日本経済に関するあれこれをはじめ、杉村さんの知られざる起業家としての一面や幼少期のこと、そして政治家を目指した理由についてもお聞きしました。タイゾー目線では今の「日本経済」がどのように映っているのでしょうか?

【第一回インタビュー】あの杉村太蔵さんが衆院選を「石破政権ではかなり厳しい結果になるかも」とズバリ予想した理由

僕が小泉進次郎さん陣営にいたら、あの「大胆提言」をこうやってアプローチする

──前回に引き続きお話をお伺いさせていただきます。先日の「自民総裁選」で他にも気になることはありましたでしょうか?

杉村:小泉進次郎さんが総裁選のときに仰っていた「解雇規制緩和」ね、これ、すごく面白いなと思いました。もしも僕が小泉陣営にいたら、ああいうアプローチはしなかったと思う。

彼は「大企業で(解雇規制緩和を)」って言ったんでしょう? 実は大企業って日本に1万社もあるんですよ。いわゆる中小企業法による「業種別の定義」があって、製造業で言ったら「従業員300人以上で資本金3億円以上」とか、小売り業だったらもう少し小さくて「従業員50人以上で資本金5,000万円以上」とか。そんな感じで「大企業」には法的な定義が一応あるんです。

その1万社の「大企業」には、今1400万人くらい社員がいるんですよ。正直言って、ちょっと影響がデカすぎると。僕だったら、プライム市場(2022年4月に東証の株式市場の再編で運用が開始された3つの市場のうちの1つ。東証の上位の株式市場のこと)の上場企業は原則「無期雇用契約を廃止」して、全部「有期雇用契約」にしますよ。

──これまた大胆な政策ですね(笑)。

杉村:プライム市場の上場企業って、サッカーで言ったら日本代表チームなんですよ。この「日本代表」のプライム市場上場企業で何が問題かって言ったら、「安心してサッカーやってる」状態なんです。実際のサッカー日本代表選手で、安心してサッカーしてる人なんていないじゃないですか。やっぱり結果を出さないと落とされる。

今の問題は、プライム市場に上場したら、安心しちゃって働かない人もいるわけ。こういうの良くないでしょ。だから、プライム市場の上場企業は全社員が「有期雇用契約」。ダメだったら日本代表チームから外れる。逆に良い人材がいたら、どんどん給料を上げる。そういう人材の流動化が必要なんですよ。

──なるほど、ごもっともだと思います。

杉村:僕が思うのは「日本経済」って主語がデカすぎるわけ。大企業から中小企業や零細企業まで、都市部から稚内や宮古島まで、もう広すぎるんですよ。だから、もっとポイントを絞って「プライム市場上場の企業の生産性をもっと高めるためにどうしたらいいか?」って考えているんです。だって日本代表チームなんだから、みんなエリートですよ。たった300万人しかいないんだから。国際的な超競争社会で成果をあげられなかった人は脱落してください、成績の良い人は入ってくださいっていう。だから常に「リスキリング教育」が必要なんです、その方が株価が上がると思いますよ。

──言われてみれば、そのとおりですね。

杉村:私たちにとっては、プライム市場上場の社員は、お尻に火がついたように頑張って、生産性を上げていくって、とても良いことじゃないですか。その競争に耐えられる人材が入ってくるわけですよ。だから、僕は「プライム市場上場企業の社員の<無期雇用契約>が諸悪の根源」だって言っているんです。あの中に入っちゃうと、みんな動かないでしょ? たとえば10年契約とかにすればいいんですよ、大谷翔平選手だって10年で1000億円の契約なんだから。しょぼい成績だと3年で4500万円とかにしたら「その金額じゃあ、ちょっと…」って思って頑張るじゃないですか。

──これって、すぐに実行した方がいいアイディアですね。

杉村:昔は、日本企業って世界の時価総額ランキングに50社くらい入ってましたよね。もう一度、あの時代を取り戻すんだというアプローチで、小泉進次郎さんが総裁選で戦えば良かったんじゃないですかね。僕は基本的に投資家だから、どうやったら日本が成長するかっていうことを常に考えているんです。これ、やったら本当に良いと思うんですよ。こういういうことを創刊したメルマガ『杉村太蔵メールマガジン ~タイゾーの投資家視点~』で書いているんです。

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──やっぱり、そういう考え方や情報が私たちも欲しいですね。たとえば昨今の物価高の問題について、杉村さんはどうお考えですか?

杉村:物価高対策って岸田さんの時も、例えば「ガソリン代が上がっている、電気代が上がっている」そうなったら、それを補助しなきゃいけない。やるんだったら、もう物価高の定義を決めた方がいいよね。

要するに「電気代が幾ら以上になったら国が補助する」とか。政権が代わるたびに「補助をする政権」「補助しない政権」って変わってしまうと、国民も困るじゃないですか。物価高っていうのは、幾らからが物価高なのか。ブロッコリーも高いみたいですけど、「ブロッコリーは何円から物価高だ」とかね。コメンテーターとして一番困るのは、「今もやしが高騰しています」ってニュースでやるけど、じゃあ、もやし1袋が何円になったら物価高って言うのかと。卵は1パック何円だったら物価高と言うのか。その定義を決めないとって思いますね。

──たしかにそうですね。今は政治家から芸能界に転身された杉村さんですが、子どもの頃はどんなお子さんだったのでしょうか?

杉村:生まれは北海道の旭川市です。自分で言うのも変ですが「できる子」だったと思いますよ。児童会長、生徒会長、テニス部キャプテン、問題も起こしたことがない。やんちゃとかガキ大将じゃなくて、いわゆる優等生だったんです。だから、僕が当時の最年少で衆議院議員に当選したとき、地元の同級生は誰も驚かなかったですよ。「まあ、あいつはそうなるだろう」って。成績もそこそこ、運動もできて、テニスが好きで、釣りが好きで。小学生のときの文集には「将来は政治家になる」って書いてあるんですよ。

──えっ、そうだったんですね。もう、その時から政治家をめざしていたと。

杉村:そうなんです、ずっと政治家になりたかったんです。だから、25歳になって被選挙権をとったら立候補しようと思って公募にも応募したんですよ。

でも、親が政治家でもなんでもないから、学生時代に地元・北海道の鳩山由紀夫さんの選挙事務所でアルバイトしていました。自分が将来、政治家になるために。ちょっと考え方が違うなって思って半年くらいで辞めてしまいましたけど。ちなみに、鳩山さんが民主党代表になった時に「代表室」の掃除をしたは僕です。そして、小泉純一郎さんが自民党総裁になった時に「代表室」を掃除したのも僕です。自民と民主の「代表室」を両方とも掃除したのは僕だけですよ(笑)。

──それはスゴいですね、杉村さんだけだと思います。いまはテレビコメンテーターのお仕事をよく拝見しますが、そこに至るまでのお話もお伺いできますでしょうか。

杉村:今、7〜8本のテレビのレギュラー番組があって、日々、様々なニュースにコメントしていますが、テレビではどうしても時間に限りがあって、伝えたいことを伝えきれない、そんなジレンマを抱えています。でも僕は、その限られた時間の中で「もっとこうした方がいい」「もっとこうすればいい」という提言型を意識しているんです。

今回、メルマガをスタートさせていただきましたが、僕は「超就職氷河期」に筑波大学を中退してしまい、まったく仕事がない中、派遣社員としてキャリアをスタートさせて、運良く外資系証券会社に勤務することができたんです。でも、僕に与えられた業務内容といえば、部署内の清掃、文房具類の発注、膨大な資料の整理整頓などでした。ただの雑用に見えるかもしれないけど、当時の僕にとっては「与えられた業務の全てが超重要任務だ」と自覚して、会社の一員として自信と誇りを持って仕事をしていました。

──そうだったんですね。どうしても議員に当選してからのことしか知らなかったので、それは意外でした。

杉村:その後、小泉元総理の郵政解散で最年少当選を果たして、ご存知の通り「料亭に行ってみたい」などの失言で大バッシングを受けることになり、その後の選挙で落選しました。政治家としてのキャリアはわずか4年で終了したんです。落選後は完全に無職となって途方に暮れていたところに、『サンジャポ』のスタッフからお声がけいただき、2010年10月に芸能界デビューを果たしました。

──その『サンジャポ』で「薄口政治評論家」という肩書きが生まれたんですよね。

杉村これまで芸能界から政界に転身された方は数多くいらっしゃいましたが、政界から芸能界への転身は例がなかったんですよ。最初は戸惑うことばかりでしたが、爆笑問題の太田光さんが私のコメントの薄さから「薄口政治評論家」という肩書きをつけてくださったのを昨日のことのように思い出しますね。

──初めて「薄口政治評論家」と言われたとき、どう思われましたか?

杉村最初に「薄口政治評論家」と言われた時は、正直言ってものすごく腹が立ちました(笑)。「辛口政治評論家」というのは聞いたことがあるけれど、「薄口政治評論家」というのは聞いたことがありませんから。こちらも不慣れなテレビで一生懸命に喋っているのに「薄いとは何事か!」と内心、激怒したもんです。でも、人生はわからないもので、後に聞いてわかったんですが、芸能界は「肩書き」と「キャラ設定」がとても重要だと。結果、この「薄口政治評論家 杉村太蔵」という商品がその後“大ヒット商品”になったんです。

──そんな芸能界デビューから14年が経ちましたが、現在のコメンテーター以外の活動を教えてください。

杉村今では地元・北海道の経済番組や報道系の番組でも使っていただけるようになって、新規創業支援を中心とした地方創生事業に取り組む「株式会社ここはれて」の代表取締役社長として、2022年7月には故郷・旭川市で「旭川はれて屋台村」を開業し、運営も行っています。また、2024年1月には、2エリア目となる山口県下関市で「唐戸はれて横丁」を開業させることができました。そんな僕も現在45歳になり、初当選の「料亭に行ってみたい」という強烈な滑り方をしたあの日から、もう20年近くが経過したんですね。

──では、最後に、これからメルマガをお読みいただく読者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

杉村私なりに経験してきたこと、見てきたこと、感じたこと、感じていること、元政治家としての視点、経営者としての視点、投資家としての視点、それからあまり知られていませんが、実は私はテニスで国体優勝しておりまして、今、再びコートに立って、毎日テニス選手権45歳以上優勝を目指して再チャレンジしているところなんですが、そうした視点も含めて、私なりに「こんな視点もあるのではないか」という視点から、少しでも有益な情報をお届けしたいと思って全力でメルマガを執筆してまいりますので、ぜひご購読いただけましたら幸いです。

──本日はお忙しい中ありがとうございました。まだ創刊したばかりの杉村太蔵さんのメルマガ『杉村太蔵メールマガジン ~タイゾーの投資家視点~』は初月無料ですので、ぜひ多くの方にお読みいただきたいと思います。これから、新しい視点のタイゾー節を楽しみにしております。

※杉村太蔵さんの第一回インタビューは以下のリンクからお読みいただけます。今回のインタビューとあわせてお楽しみください。

【第一回インタビュー】あの杉村太蔵さんが衆院選を「石破政権ではかなり厳しい結果になるかも」とズバリ予想した理由

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image by: MAG2 NEWS編集部

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北海道旭川市出身で、1979年8月13日生まれの45歳です。私には大きく3つの特徴があります。1つ目は、テニスが得意で、元国体優勝経験があります。2つ目は、大学を中退後、就職氷河期を経て外資系証券会社に勤め、2005年の郵政解散で自民党から26歳で最年少当選を果たしました。3つ目は、現在、テレビコメンテーターとして活動する一方で、講演や地方活性化事業を行っており、「株式会社ここはれて」の社長として地域経済に貢献しています。2024年からは、旭川平和通商店街振興組合の理事長として、地元の活性化にも取り組んでいます。テレビでは話せない内容を、このメルマガで詳しくお届けしたいと思います。

 

1997年10月 大阪なみはや国体で北海道代表として出場し、北海道選手団として史上初の少年男子テニスの部で優勝。1998年4月筑波大学体育専門学群に進学するも、2004年3月に中退。未だに後悔の念というか、忸怩たる思いというか、慚愧に耐えないというのか、本当に今でも悔しくて、いつか、私が80歳を過ぎて、仕事も何もすることがなくなったら、もう一度、つくばに戻って、筑波大学を卒業してから死にたい、それが私の夢です。

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