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トヨタもテスラも抜かされた。富裕層の多いシンガポールで販売台数首位に輝いた“意外なブランド”

2024年、中国のBYDがシンガポールで自動車販売台数首位に立ちました。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、シンガポールにおける中国自動車企業の強さを語っています。

BYDがシンガポール販売でトヨタ抜き首位、テスラとの差も拡大

BYDは2025年1月27日、シンガポールにおける2024年の販売台数で首位に立ち、「トヨタ、BMW、テスラ(さらにメルセデス-ベンツも)を打ち負かした」と発表した。

2023年は1416台の販売で、シンガポールのブランド別販売で4位に躍進、中国ブランドで初めてトップ10入りを果たしていた。

この基盤の上で2024年、販売は337%増の4775台増えて6191台となった。シンガポールでの新車販売(登録)シェアは14.4%となった。

ちなみにシンガポールでは騰勢(DENZA)も販売を開始しており、このBYD販売台数の中に含まれているという。

電動車販売が急増

それによれば、シンガポールの電動車(HEVはおそらく含まない)の販売台数は2024年、1万4448台となり、新車販売の33.6%を占めた。

2023年は5467台の販売、新車販売の18%シェアだったから急増した形で、この恩恵をBYDが得たことになる。

2024年の電動車の7割以上が、BYD、BMW、テスラによるものだという。

現地トップ談話

BYDシンガポール・フィリピンのJames Ng董事総経理は、「BYDが新車販売で首位に立ったのは、シンガポールの電動車転換の努力と、BYDのグローバルにおける実力を発揮したことによる」と指摘。

「これと同時に、BYDは自信をもって、我々の技術と顧客のバリュー、われわれの魅力的な価格、ドライブ体験によって、トップの地位を維持していく」とした。

その他各社の販売

トヨタは2024年、シンガポールで5736台を販売。2023年の3857台と比べて48.72%増となった。

BMWは同じく5042台を販売、2023年の3379台と比べて49.22%増となった。

ベンツは同じく4887台を販売、2023年の3850台と比べ26.94%増。

テスラは2384台、2023年の940台と比べて153.62%増となった。

つまりBYDはそもそも2023年にはシンガポールにおけるテスラ越えを果たしており、今回初めてテスラを超えたわけではない。

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特殊すぎる新車販売事情

シンガポールでは新車購入において、COE(Certificate of Entitlement)という資格証明書が必要。

いくつかのカテゴリーがあり、排気量やEVのパワーで分けられるA、B、それらとは関係ないEが自動車分野。

いずれも入札による需給でその時々の価格は変わってくるが、10万シンガポールドル(約1500万円)前後となる。

その他の税金・費用も異常に高く、例えばトヨタのカローラアルティスは最終価格が日本円で2000万円を超える。

本体価格の多少の差は無意味?

それは当然BYDや他社も同じことで、つまり本体価格の数百万円の差はあまり関係ないことになる異常な市場ではある。

そのため、BYDのラインナップが極めて安価、というほどのこともなく、価格が決定要素ではないと思われる。

そもそもCOEを取得できる時点で、自動車の購入はシンガポールでも富裕層に限定される。

シンガポールでもEV普及に力を入れており、BYDはそれにも支えられた形だが、そうであればテスラが伸び悩んでいる(というほど成長していないことはないが)ことも考えると、やはりBYDがシンガポールで人気を博しているのは間違いなさそうだ。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202501/24I70417281C501.shtml

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image by: humphery / Shutterstock.com

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