浮気調査や離婚相談の依頼が多い探偵業務。依頼を受けるなかで、メルマガ『探偵の視点』の著者で“イケメン探偵”こと現役探偵の後藤啓佑さんは、依頼者の言語化できない感情に触れることもあるそうです。あなたはコレをどう思いますか?
感情のやりどころ
浮気調査や離婚相談に訪れる依頼者さんたち。その感情は、いったいどこに向かうことが多いでしょうか?
まず1つは、当然ですが──
浮気をしたパートナー。
そしてもう1つは、これもまた当然──
浮気相手ですね。
感情のぶつけ先としては、ほとんどがこの2つに集中しています。
そこから、離婚や浮気調査、慰謝料請求といった次のアクションに進んでいくことが多いです。
たとえば──
- 謝罪してほしい
- 慰謝料を払わせたい
- 戻ってきてほしい
- 同じ目に遭わせたい
こういった動機の裏側には、怒り、悲しみ、不安といった感情が大きな原動力になっています。
でも、中には単純に「怒り」や「悲しみ」だけでは整理できない、もっと複雑で、言語化できない感情を抱えている依頼者さんもいます。
この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ
例を言うと──
パートナーに怒りを向けても、話すらできない。もう諦めの境地にいる状態。
浮気相手に慰謝料を請求しても、すでに弁護士同士で話が進んでいて、今さら何もできない。
感情をぶつける先がどこにもない。
そんな状況に置かれている方たちです。
先日、実際に相談に来られた方のケースでは子供は取られ、パートナーは浮気相手と一緒に遊んで暮らしている。
自分は、浮気された側なのに家のローンを払い続け、さらに養育費も払わなければならない。手元に残ったのは、相手からの慰謝料50万円だけ。
50万円。
家のローンや養育費を考えれば、どれだけ少なく見積もっても十分とは言えない額です。そして何より、このやりきれない感情。これをどのように扱えばいいのでしょう?
正直、長年こういった依頼者さんたちと向き合ってきた僕でも、「これをすればすっきりする」そんな明確な答えは、まだ持てていません。
できるのは、ただ話を聞き、少しでも前向きに、未来を考えられるようにサポートすることだけです。
現実的に、現在の社会システムの中には、こういった被害者を救う仕組みはほとんどありません。
できることは自分の今の状況をきちんと把握し、
- どこを切り離すべきか
- 何を守るべきか
- 何を取り戻すべきか
これらを冷静に考えながら、一歩ずつ、少しずつ、前に進んでいくしかない。
もちろん、それをたった一人で背負うのは、浮気された後の感情では到底難しいことです。
だからこそ僕たち探偵は、その隣でサポートする役割があるのだと、最近は強く思うようになりました。
今回ご紹介したケースは、いわゆる「泥沼不倫」だとか「間抜けな不倫」などのように、キャッチーなエンタメ的なものではありません。
けれど──
こうした静かな、深い痛みを抱えている被害者は、確かに多く存在するんです。
浮気されたのに、相手はダメージ無く次に進んでいる。自分は多額のローンとやり場のない感情を抱えていく。。。
あなたはどのように感じるでしょうか?
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