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値上げと経済圏依存が進むワイモバイル「新料金プラン」の落とし穴

スマホ料金プランの見直しは、家計に直結する大切なテーマです。ワイモバイルが新たに打ち出す「シンプル3」は、その名に反して内容は複雑化しており、どこがシンプルなのかと疑問を抱かざるを得ません。しかし、データ容量の繰り越しや小容量プランの存続にはメリットも残されており、本当にお得なのかわかりにくいのが現状です。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは自身のメルマガの中で、本当にお得なのか、そのポイントについて整理しています。

ワイモバイル新料金プランは「どこがシンプル?」—-経済圏にどっぷり浸かるか、MVNOに避難するか

ワイモバイルが2025年9月25日より料金プランを改定する。「シンプル3」という名前だが、内容的にはお世辞にもシンプルとは言えない。質疑応答で思わず「どこがシンプルなのか」と突っ込んでしまったほどだ。

かつてのワイモバイルの料金プランはとてもシンプルであった。

しかし、今回は基本料金は値上げ。ただ、PayPayカード割は通常カードとゴールドカードで割引額が異なる。また、これまでは光回線か家族割引、どちらかのみしか適用されなかったが、今回からはどちらも適用となる。

つまり、「ソフトバンク経済圏にどっぷり浸かっていると安く使える」という立て付けになっており、メインブランドや他社の料金プランと考え方は全く一緒だ。これでは他社のプランも「シンプル」ということになってしまう。

今回、5GBのSプランが残った。小容量のプランがあり、契約しやすくなったように見えるが、基本料金は3058円であり、カード、光回線、家族割引を無理くり適用させて858円になる。

「データ容量はほとんど使わないし、経済圏にも依存していない。できるだけシンプルが望ましい」というのであれば、LINEMOやpovo、MVNOにとっとと乗り換えるべきということなのだろう。

昨今のMNOによる値上げ基調で、MVNOにとってはまさに追い風が吹きまくっている。

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楽天モバイルも魅力的に見えるが、ソフトバンクの寺尾洋幸氏によれば「階段制の料金プランも考えたが、ユーザーのことを考えると、容量別の方がいい。ただ、階段制はLINEMOでは導入している」ということだった。

階段によって、いつの間にか次の請求額に上がってしまうと、予算管理が難しくなり、また上がった瞬間に「しまった」と後悔の念に陥りやすい。それであれば、月々の出費額が明確な、決まったデータ量が上限のプランのほうがいいというわけだ。
ワイモバイルでは、データ容量の繰り越しが可能だ。

繰り越しに関しては、キャリアとすれば経営的に重荷となるが、ユーザーからの支持も高く今回、継続に踏み切ったようだ。
ユーザーのニーズだけを考えると「自分に合ったデータ容量を選べる」「繰り越しがある」というMVNOを選んだ方が本当は幸せなのかもしれない。

ただ、一度、ソフトバンク経済圏に足を踏み込んでしまったが最後、逆に経済圏にどっぷりと浸かることで、損をしないお得なスマホ生活が送れるというのも事実だ。

「何もしない」というのが最も損するパターンであり、1年に1回ぐらいは「いま使っているプランは自分にあっているのか」「ほかに自分に最適な料金プランはあるのか」という、見直す習慣をつけるのが望ましそうだ。

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image by: pimpampix / Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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