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あの中島聡が考察。ソニー“CESから撤退”とソニー・ホンダの次世代電気自動車「AFEELA」の現在地

世界最大級のテクノロジー展示会CESからソニー・グループが出展を見送ることになりました。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著名エンジニアで投資家の中島聡さんが、CES撤退の背景と、鳴物入りで始まったソニー・ホンダの次世代電気自動車「AFEELA」に象徴される新たな挑戦を、グローバル市場の現実と重ねながら考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

ソニーの「CESからの撤退」、ソニー・ホンダ

今年のCESから、ソニー・グループが撤退したことが話題になりました。背景としては、

などがあります。

米国でCostco(コストコ)の家電売り場を見ると、どのメーカーに勢いがあるかが良く分かりますが、LGとSamsungの大型テレビばかりが並んでいる姿を見ると、ソニーのブランド価値が大きく下がったことが実感できます。

Kantarによる「世界のトップブランド2025」では、ソニーの地位は、92位にまで落ちています。

ソニーが、ソニー本体の代わりに力を入れて宣伝したのが、ホンダとの共同事業であるソニー・ホンダモビリティが開発しているAFEELAですが、力を入れた割にはほとんど話題になりませんでした。電気自動車市場に関しては、Tesla と BYDに代表される中国メーカーが既に市場で激しい戦いをしており、EV市場がすでに量産・価格・垂直統合のフェーズに入っている中で、ビジョン提示型プロトタイプが評価される時代は終わりつつあると言えます。

「ソニー+ホンダ」という座組も、「エンターテイメント重視の自動運転車」というビジョンも悪くはないと思いますが、(下の参考資料に紹介した)開発者たちのインタビューによると、彼らはホンダやソニーに籍を置いたままの「出向」という形で働いているそうです。「大企業のサラリーマン」がステータス・シンボルだった昭和の価値観がいまだに根強く残っているのかと、少しガッカリしました。こうした体制では、プロダクトの失敗を前提に高速で方向転換する「EVスタートアップ的な経営」は難しいと思います。

Teslaがリチウムの精製所からAIチップまでを垂直統合で作り、2万5千ドルという低価格の電気自動車を発売しようとしている今、9万ドルのAFEELAを売るのはかなり厳しいと感じます。EVはもはや「技術の夢」を語る市場ではなく、「利益を出せるかどうか」だけが問われる市場です。その現実を、GMやFordはすでに直視し始めています。AFEELAもまた、その厳しい試練から逃れることはできないでしょう。

【参考資料】

【後述】

AFEELA1の予約サイトを見たところ、AFEELA1に搭載されたコンピュータの計算能力は800TOPSで、Teslaが現在販売している自動車に搭載されているFSDチップ(HW4、300~500TOPS)よりも十分に高いので、TeslaのFSD並みの性能を出すことは技術的には可能です。

ただし、これは、FSD/ADAS専用ではなく、エンターテイメント(ゲームや映画)、音声AIなどもこのチップで行うとのことで、エンターテイメント専用の別チップを持つTeslaとは異なる設計思想で作られています。Teslaのように完全自動運転を目指したものではなく、「ADAS(高度運転補助) + エンターテイメント」を目指した設計とも言えます。

ちなみに、搭載されているチップは、NVIDIA製ではなくQualcomm製の「Snapdragon Ride」で、ある点は、とても気になりました。このチップは、既にBMWに採用されているだけでなく、自動車メーカーに部品を提供するTier-1メーカー(ZF、Valeo、Continentalなど)にも採用されており、着実に実績を積み重ね始めているように見えます。(注:私は、Tesla、NVIDIA、Qualcommの株を長期で保有しています)。

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image by: Elliott Cowand Jr / Shutterstock.com

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