自身に関わる疑惑を問われた高市首相は、6月22日の衆院予算委員会で「忙しくて寝ていない」と答弁を拒否し、国会軽視との批判を浴びました。ところが同じ日、参院予算委員会ではさらに目を覆う茶番が繰り広げられていたのです。安倍晋三氏の側近だった江島潔議員が、焼き魚から捕鯨、自転車歴まで持ち出して首相への媚びを売り続けました。メルマガ『きっこのメルマガ』では、著者で人気ブロガーのきっこさんが、約40分で1300万円もの税金を空費した参院予算委員会の噴飯物の茶番劇を、一字一句の文字起こしとともにブッタ斬ります。
参院茶番劇場
おいおいおいおいおーーーーい!‥‥って冒頭から叫びたくなっちゃいますが、ちょっとそこの奥さん、あなた6月22日(月)の衆院予算委員会の高市早苗の答弁、ご覧になりました? 公設第一秘書が深く関与した疑惑が指摘されてるネガキャン動画やサナエトークンの問題で、事前に野党からの質疑内容が示されていたのにも関わらず、早苗ちゃんてば「総理としての業務時間も残念ながら確保できなくなってきております」「金曜日の夜から今朝までの間、ほとんど睡眠も取っていません」などと抜かして、質問には答えず、これまで通りの知らぬ存ぜぬを繰り返したんですよ!
高校生がバイトをバックレた言い訳とかならともかく、一国の首相が国会の答弁で、それも自身の疑惑に関する答弁で「忙しくて寝てないので答えられませ~ん」って、はぁ?国会議員が国民の代表である以上、国会議員からの質疑は国民からの質疑と同様なのに、これほどの国会軽視、国民軽視は前代未聞です。今週はこの問題にツッコミを入れる人が山ほどいると思います。
参院予算委で始まったもう一つの茶番
そこであたしは、皆さんとは一線を画した視点で、高市早苗を観察してみました。それは、問題のトンデモ答弁が炸裂した衆院予算委員会と同じ6月22日に行なわれた、参院予算委員会のほうの噴飯物の茶番劇です。この日の参院予算委員会では、トップバッターとして安倍晋三のコシギンチャクだった江島潔が登場しました。いつものように一字一句そのまま文字起こししましたので、まずは開口一番に飛び出した歯の浮くようなオベンチャラをご堪能ください。
江島潔「自由民主党の江島潔です。私からは、まず高市総理にイギリス、イタリア、フランスとG7出席という大変なハードスケジュールをこなされましたことを心から本当にご慰労したいと思います。スリムで痩せしろのない体型でいらっしゃる高市総理ですから、体力がちゃんと持つのだろうかと、それが我々の一番の心配でございました」
「痩せしろ」と言うのは「糊しろ」や「伸びしろ」と同じ「余裕ある部分」という意味で、この場合は「高市総理は痩せても問題ないという余計な脂肪などないスリムな体型なので、我々はご無理なさらないように心配しておりました」という、今どきだと性差のコンプラに違反しそうな時代錯誤のオベンチャラですね。そして江島潔は、ここからしばらくは各国訪問とG7の成果を高市首相に語らせるという絶妙なトスを上げ続けました。
で、高市首相が台本通りにイギリスとイタリアと共同開発する次期戦闘機の計画について触れて答弁を終えると、江島潔は「これで日本もようやく普通の国になれますね」などと武器開発や武器輸出を全面的に肯定した上で、突然、こんなことを言い出したのです。
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焼き魚から水産業への大脱線
江島潔「今回はフランスのG7でしたのでフランス料理が多かったんじゃないかと思いますが、私なんかが海外出張に行きますと、3日目ぐらいには醤油の味とかワサビの香りが恋しくなってしまいまして、帰国するとすぐに蕎麦屋や寿司屋に飛び込んで和食を食べるほうでありまして、特に焼き魚なんかを食べますと、ああ日本人で良かったなあとつくづく思う、そういう人間なんです。 総理は奈良県という海のない県でいらっしゃるので、それほど海との関係は、もしかしたらあるのかないのか分かりませんが、あの~、小学校ぐらいまで遡っていただいて、魚を煮たり焼いたり、あるいは三枚におろしたり、そういう調理をされたご経験はございますでしょうか?」
高市早苗「たしかに海なし県ですが、魚料理は好きです。で、料理に関して言いますと、魚を三枚におろすことは、できません。しかし、焼くことはできます。あの~、ですから~、サバの塩焼きですとか、それからホッケのひらいたやつ、それからシャケの切り身を焼くのはできます」
江島潔「やはり日本の特徴の1つというのが、四方が海にひらかれた海洋国だということでございまして、特にEEZの面積というと世界第6位という、まさしく大国なわけでございます。その結果として、太古から日本人というものは魚を食べる民族として、おそらく世界で最も魚を食べる民族の1つであります。その~、あの~、昔に比べて最近はいろいろ魚探とか装置が発展をしてしまいました結果、最大限に魚の資源を獲ることが可能になってしまって、天然資源というものは獲り尽くすぐらい獲れてしまう時代に突入しております」
江島潔「そういうことを背景にしまして、世界の水産業というのは地球規模で資源管理をする持続的漁業へとシフトが今行なわれているんですけども、残念なことに日本の水産政策は、まだ世界の大きな流れに遅れている点がございます。クロマグロにしましても関係各国と調整をしながら漁獲量を決めて行く。 根拠になるのは科学的資源量とかそういうのになるんですけども、日本がその辺の資源管理をきちんとやっていないと、国際会議の場でも発言力の信ぴょう性がなくなり、あんたのとこちゃんとやってないじゃない!という指摘も受けかねないわけであります」
江島潔「これはあの~、ぜひ、たとえば漁業は全部の国が衰退してるわけじゃなくて、欧米諸国、たとえばノルウェーとかアイスランドとか米国、こういう国は資源管理を徹底的に進めた結果、漁業収益が大幅に伸びているという国もあるわけです。あの~、ぜひ、日本もですね、水産業を担当する鈴木農水大臣にお伺いしたいんですが、日本も世界レベルの真の水産先進国へと持って行くご決意をぜひ聞かせていただければと思います」
オベンチャラは捕鯨にまで及ぶ
で、この質疑に対して、鈴木憲和農水大臣が官僚に書かせた作文を棒読みしてチャンチャン。そして、テーマは「捕鯨」へとスライドしました。しかし、これが新たなるオベンチャラへの布石だったのです。
江島潔「資源管理と言えば、最も厳密に行なっているのが捕鯨でございます。捕鯨に関しては何トンとかじゃなくて1頭2頭と頭数で管理をするという、他の漁業と比べても圧倒的にきちんと管理をしてるんですけども、一方で、まったく科学的根拠のない『クジラは賢い』だとか『人類の友だち』だとか、こういうことを言って捕鯨に反対する反捕鯨国というものが少なからずございます。日本は常に、そういう食文化があるとかないとか宗教観がどうだとか、そういうことを外して、科学に基づいて資源管理を主張しております」
江島潔「特に捕鯨に関して言いますと、国際捕鯨委員会、IWCという組織がありまして、それが本来ならきちんとした科学的管理をする組織だったんですけども、非常に無茶なことを言う反捕鯨国とのやりとりを通じて、日本は今、このIWCから脱退しております。しかし実際にはオブザーバーとして、資源量の報告は日本が唯一このIWCにしているという形態になっております」
江島潔「IWCには世界の80カ国ぐらい入っているんですが、そのうち4割は日本の味方なので、決して日本が孤立しているわけではございません。で、安倍総理もクジラ料理を大変こよなく愛していたのですけども、ぜひ高市総理にもですね、この科学に基づいた捕鯨産業というものをぜひ守っていただければと切なるお願いでございます」
はぁ?ここまで日本の捕鯨について専門的なことを述べて来たのに、どうして質問相手が鈴木農水大臣じゃなくて高市早苗なの?‥‥という疑問は、この先の展開を見れば氷解するでしょう。
高市早苗「まあ、クジラと言いますと、この委員会室にいらっしゃる皆さまの年代によるかと思いますが、私が小学生の時には給食のおかずでクジラが出ていて、それがすごく美味しくて、楽しみにしていました。大人になるにつれ、食べる機会がなくなって来て、東京に出て来た時にクジラ料理の専門店が1軒あって、そこで食べたのが最後だったかもしれません。あの~、本当に、この~、古来からの食文化でもあります。しっかりと資源の管理を大切に、科学的にしながら、文化を守って行けるといいなと考えております」
江島潔「そうなると、最後に食べられたのは相当前になると思いますが、ぜひ今度、とっても美味しいクジラ料理の店をご紹介申し上げますので、ぜひ召し上がっていただきたいと思います。え~、あの~、話題を変えましてですね‥‥」
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外遊報告から自転車歴の質問へ?
と、ここからは、江島潔が小林鷹之政調会長と一緒に訪問したナイジェリアの報告と、その流れから国会議員が外遊に使える旅客機の格上げとか、言いたいことを言いつつ、その合間合間に高市早苗へのオベンチャラも織り込むという太鼓持ちぶりが全開で、ソファーにふんぞり返る早苗ちゃんも終始ヘラヘラ笑顔でご満悦の様子。そして、旅客機から乗り物つながりでテーマは自転車へ。
江島潔「最も人力を(有効に)移動手段に変換する装置は何かと言いますと、それは自転車なんです。人間が1キロカロリーで歩ける距離は20メートルなんですが、自転車に乗ると1キロカロリーで50メートルも行けるんです。つまり2.5倍も効率が良くなる乗り物でございます。 私自身は超党派で構成されてる自転車活用推進議員連盟の事務局長を仰せつかっておりますんですけども、先週末も地元のツールド下関という大会に出て来たとこでございます。そこでちょっとお伺いしたいのがですね、高市総理もきっと子どもの頃はですね、あの、まだバイクに乗ってブイブイ言わせる前の時代ですね、その頃は自転車には乗ってらっしゃったのかな~と、あの~信じてるんですけども、自転車歴を教えていただけますか?」
高市早苗「あの~、小学生中学生と自転車に乗っておりました。関西ではチャリンコ言うんですが、乗っておりました。自動二輪の免許を取ってからは乗っておりません。あっ、1回目の選挙の時に銀輪部隊というのをやろうと思って乗ったんですが、長いこと乗ってなかったので、え~、コケました。それが最後だったかと思います」
ちなみに「銀輪部隊」というのは、太平洋戦争の時に主に南方作戦で運用された自転車で行軍する大日本帝国陸軍の部隊名です。そんな名前を自分の選挙で使うとは、サスガは「なんちゃって極右おばさん」ですね。
ま、それはそれとして、あたしたち庶民の大半は、もう3年も続いている終わりの見えない物価高騰ラッシュで完全に疲弊しているのです。それなのに今の連立政権は、国旗がどうだの女系天皇がどうだの議員定数がどうだの大阪都構想がどうだのと、緊急性のないことばかり優先して、目の前の最重要課題は見て見ぬふり。
そして、一縷の望みを胸に、かつては「良識の府」と呼ばれてた参院の予算委員会のほうを覗いてみたら、こっちはこっちで安倍晋三のコシギンチャクだった男が高市早苗に乗り換えて、これまで以上の茶番劇を絶賛上演中。もはや物価高騰など完全に他人事です。こんなアリサマじゃ、たとえ食品の消費税がゼロになったとしても、その時には食品の定価が2倍になってることでしょう。
ちなみに、今回の江島潔の持ち時間は約40分でしたが、このうちの半分近くは高市早苗へのリップサービスで、残りも緊急性ゼロの内容ばかりでした。国会の運営費用は、議員歳費などの人件費をすべて除いても1時間当たり約2000万円も掛かりますので、自民党の江島潔は今回の40分間で少なくとも1300万円をドブに捨てたことになるのです。
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image by: 首相官邸