どれだけ丁寧に準備を重ね、誠実に向き合っていても、現場では想定外の出来事が起こることがあります。特に信頼を前提に成り立つ仕事ほど、その影響は金銭的な損失だけでは終わりません。今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、実際に起きた調査の失敗を通して、信頼を損なうことの重みと、その経験から見えた今後の課題についてお伝えします。
失敗した調査
久しぶりに、失敗した調査がありました。
探偵の調査には、常に想定外の出来事がつきものです。
それでもここ数年、少なくとも「クライアントに実害や不信感を与えてしまう失敗」はありませんでした。
そのため、クライアントと大きく揉めるようなこともなく、ありがたいことに信頼関係を積み重ねることができていました。
しかし今回、かなり久しぶりにクライアントに迷惑をかけてしまう失敗をしてしまうことに。。。
今回のクライアントは資産家の方で、間に紹介者の方が入ってくださっていました。
僕は紹介者の方を通じてクライアントとやり取りをし、九州地方で約2週間にわたる行動調査をご依頼いただくことに。
なかなかの大型案件です。
ちょうどその頃、役員ともこんな話をしていました。
「今後は、こうした大型案件を増やしていきたい。受注数をむやみに増やすのではなく、1件1件にしっかり時間をかけられる体制にする。そして、とにかく丁寧に、誠実に案件へ向き合っていこう」
その方針の通り、今回はこれまで以上に丁寧に準備をし、こまめにフォローを重ねてきました。
クライアントや紹介者の方とも良い関係を築くことができ、クライアントからは「良い探偵さんとつながれた」と言っていただけていたそうです。
あとは、現地で行動調査を実施するだけ。
今回の調査は九州地方で行うため、このメルマガでも何度か登場しているIUJのメンバーに協力をお願いしました。
これまでも誠実に対応してくれていた探偵たちです。
この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ
しかし、調査初日。
近隣住民の方から極度に警戒されてしまい、調査を継続することが難しい状況になってしまいました。。。
大型案件だからと気合を入れてくれた結果、上手くハマらなかったのだと思います。
対象者本人への影響は比較的少ない状況でしたが、クライアントからすれば、「信頼して任せたのに、なぜこのようなことになったのか」という感情になるのは当然です。
そして、その影響は紹介者の方にも及びます。
クライアントからすれば、「あなたが信頼して紹介した探偵で問題が起きた」ということになります。
クライアントと紹介者の関係性にも、多大な迷惑をかけることに。
もちろん責任は、僕たちの会社にあります。
紹介者の方には何の非もありません。
だからこそ僕としては、「紹介者の方を責めないでほしい。責任があるなら僕たちを責めてほしい」と思います。。。
ただ、現実にはそう簡単に割り切れるものではありません。
クライアントにも、紹介者にも、不利益や精神的な負担を与えてしまう結果になりました。
今回、一番つらかったのは、金銭で解決できる問題ではないことです。
僕が最も大切にしてきた「信頼」に傷をつけてしまったこと。
そして僕のだけではなく、クライアントや紹介者の方にもダメージを与えてしまったこと。
そこが何より苦しかったです。
さらにショックだったのは、「これからは丁寧に、誠実に案件へ向き合っていこう」と会社の方針を固めた矢先に起きた出来事だったことです。
どれだけ自分たちが丁寧に準備し、誠実に進めていても、すべてをコントロールできるわけではない。
そして、コントロールできなかった結果についても、クライアントから見れば責任は僕たちにある。
探偵業には、そうしたリスクが常にあるのだと、改めて痛感しました。
ただ、今回の出来事を単なる失敗で終わらせるわけにはいきません。
今後、IUJという組織を大きくしていくのであれば、協力先の技術や姿勢だけでなく、現場で起こり得るリスクをどこまで想定し、どこまで管理できるか。
そこまで含めて「コントロールできる範囲」を広げていかなければならないと思います。
今回の件については、やれることをすべてやった上で、前を向くしかありません。
クライアントのために、今できることを最後まで探っていきたいと思います。
切り替えて、さらに良い組織を作っていきます!
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