7月16日、衆議院憲法審査会が初めてNHKで生中継されました。これまで「国民の関心が高いとは言えない」として中継を見送ってきた経緯を踏まえると、このタイミングで放送方針が変わった理由には注目が集まっています。今回のメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』では著者で衆院議員の有田芳生さんが、NHKが初めて衆議院憲法審査会を生中継した経緯を振り返るとともに、これまでの放送方針との違いや、その判断がなされた背景について検証しています。
NHKによる憲法審査会(衆議院)初中継の不思議
7月16日の衆議院憲法審査会(1時間10分)が、初めてNHKで中継された。
じつはNHKでの中継はかねてから求められていた。最近では2024年12月13日に維新の幹事が幹事会でNHKに申し入れるべきと発言、憲法審査会事務局がNHKからヒアリングを行った。
その結果2025年1月にNHKの担当者から返事がきた。その内容を今年4月23日の憲法審査会で橘法制局参与がこう発言している。
NHKとして国会中継に関する明確な基準は設けていないが、現在まで、国会中継、国会審議の類型としておおむね四つの類型がある。一つ、施政方針演説や所信表明演説及びそれらに対する代表質問、二つ、予算委員会の基本的質疑一巡目、三つ、予算委員会の集中審議で特に国民の関心が高いもの、例えば総理出席、各会派一巡の質疑を行うなど、これら三つの類型以外にその他として、国民の関心が高いテーマであり、かつ、理事会等から全会一致での要請があることなどを総合的に勘案するということでございました。
そのようなことを踏まえて、NHKとしては、当時、現状では憲法審査会に対する国民の関心は通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くない、そのような御認識が表明されたものと伺っております。
憲法問題は国民の関心が高くない。NHKはそう判断していたのだ。初めて中継が行われた憲法審査会では、各党幹事が総括的に10分ずつ発言した。
だがその内容は総花的で、言葉だけは「条文起草委員会の設置」「9条に自衛隊を明記する」などと勇ましく、高市早苗総理の自民党大会での「時は来た」発言に呼応するものではあっても、世論とははるかに乖離している。
朝日新聞と東大が3月4月に行った有権者向け共同調査では「もっとも優先的に取り組んでほしい政治課題」を12の選択肢のなかから一つだけ選んでもらった。
「憲法(改憲・護憲)」を挙げたのは1%にとどまった。これが現実だ。NHKが憲法審査会の中継を初めて行ったのも、高市早苗政権に対するおもねり、忖度にしか思えない。
だから臨時国会以降の動きが危ない。
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