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中国との接近に反対する日本を“切り捨て”る?高市首相の「対米投資80兆円に反対」を知る米トランプがやりかねない“報復攻撃”

関税や台湾問題など多くの懸案を抱えながらも、表面的には歩み寄りが進みつつある米国と中国。両大国の関係がさらに接近した場合、日本もこれまでの対中政策を見直す必要に迫られるのは「自明の理」と言えるでしょう。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、米中首脳会談の結果を鑑み今後の両国関係と日本への影響を分析。さらに中国の政局からイランやウクライナをめぐる戦争まで世界各地の情勢を俯瞰しつつ、日本の生存を左右しかねない外交・安全保障上の課題を論考しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米中均衡の構図

日本はどう動くべきなのか。米中均衡の構図

米中首脳会談で、米国と中国の要望を相手に説得できずに、均衡の状況を延期しただけであった。今後を検討しよう。

先週、株価は140ドルの上昇。フーシ派とサウジの戦闘で、サウジの原油積出が滞り、株価を下げたが、サウジの東西パイプラインの復旧が早くなるとの発表で株価は上げた。原油価格も下げた。

しかし、ロシアと中東の製油所の破壊が進み、軽油価格が6ドル/Gになり、ガソリン価格の4ドル/Gより高いことで、トランプ氏は軽油禁輸を検討している。しかし、日米欧の原油備蓄も大幅に減り、原油積出を遅れると、石油危機になる可能性もある。また、日本の製油所は無傷であり、製油能力もある。このため、世界の原油が日本も目指す事態になっている。

24日の米中首脳会談は、米中で台湾、ウクライナ、朝鮮半島で見解を述べ合っただけであるが、合意点も多い。米中で300億ドル規模の関税引き下げで高関税応酬合戦の2ケ月休戦延長と農作物輸入の量的拡大、パンダ2頭。

それと、イランに対して米中は、イランの核保有を認めないことで一致し、危機時の意思疎通と予防を強化する覚書の早期締結で合意した。

さらに、「平和共存」「AI規制が必要」という共通の認識だが、合意ではない。しかし、懸案のAI規制、レアアース、ボーイング大量発注などは合意なし。

1日前に日米首脳会議を開催したが、心配していた台湾での米国の譲歩はなかった。中国国営メディアによると、習氏は非公開の会談で台湾独立に反対するよう求めたが、トランプ氏は同意しないで、「台湾独立を支持しない」という表現で、「台湾独立に反対する」という、より強い表現ではない。

しかし、米中首脳会談は年内にあと2回開かれるが、その期間は140億ドルの台湾への武器売却は行われない。昨年末に発表された110億ドル分も未達分についても棚上げ状態である。その意味では、中国の要求が実現している。

その上、第2次世界大戦で、米中は同盟して日本軍と戦ったということに、両首脳は同意した。というように、表面的な米中の歩寄りは、進んでいる。

また、高市首相が石破前総理の80兆円対米投資に反対していたことを米側は知っているという。このため、米中接近に反対する日本を切捨てる可能性もあると、米政権内部を知る小谷哲男先生は言う。

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「次の政権」での対中関係修復のため日本が行っている準備

ということで、経済、安全保障両面での米中接近を今後も警戒する必要がある。米国のインフレ加速が近づいているからで、中国からの安価な品物の輸入が必要になるはずだからだ。もし、米中接近が実現したら、日本も中国との関係を見直す必要がある。

この準備を日本もしている。岩屋毅前外相ら貿易団体代表団が訪中し、習指導部との面会を模索している。高市政権では、日中正常化は難しいが、次の政権では可能なようにしている。

しかし、世論調査で29%支持率しかないトランプ氏は、11月3日の中間選挙に向けて中国から成果を取りたかったが、それもできなかった。その上、メディア3社をホワイトハウスから排除している。このため、メディアは、習氏の歓迎式典を中継しなかった。

この状況で米10年国債金利は5.2%まで上昇した。ベッセント財務長官が「私が胴元であり、逆らうな」と宣言したが、結果は投資家は、期待とは逆に動いたことになる。長期国債を買い戻すバイバックの効果もないことになっている。短期国債を大量発行したことで、米2年国債金利も4.9%まで上昇した。この国債金利上昇で、住宅ローン金利は7%にもなっている。これでは住宅の購入もできない。

帝国の最後が迫っている。1971年にドル金兌換制度を廃止した結果、ドル札を大量に印刷して、とうとう金利上昇で利払いができなくなる可能性が出てきた。

この状況を見て、国連総会で、フランスのマクロン大統領は、世界が「弱肉強食の論理に逆戻りする」ことに警鐘を鳴らした。弱肉強食の論理を振りかざしているのは、トランプ氏であり、それへの反対を表明したことになるし、高市首相も「法の支配」とトランプ氏の超法規的な他国への侵略を反対したことになる。

10月最終週に人事は動くのか。中国の状況

習近平国家主席が無事に米中首脳会談を終え、次は第20期中央委員会第5回全体会議(5中全会)を10月26-29日に北京で開く。ここで、人事が動く可能性もある。

五中全会の発表と同時に、張又侠と劉震立の党籍と軍籍を剥奪するとし、粛清を正式に承認し、検査、審査を開始するとした。

一方で習近平子飼いの福建派は軍、党、ともにほぼ壊滅状態となっており、さらに広東、深圳などの人事でも習近平人脈、幹部の失脚がつづいている。

五中全会で、脳梗塞で何度も倒れている習近平総書記が退任して、次の総書記が選出されるかどうかでしょうね。

太子党の温家宝系の総書記が出ると、団派の胡春華氏が「首相」になる可能性もある。

習近平主席が交代すると、日本への風当たりも柔らかくなることを期待できるが、習近平派の蔡奇や丁薛祥になると変化なしかもしれない。

ということで、中国の五中全会が次の焦点になる。

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中間選挙後にトランプ「空爆再開」も。イラン戦争の見えぬ展開

イランのペゼシュキアン大統領は、米国の圧力には「決して屈しない」としつつ「我々は力ではなく対話や外交に応じる用意がある」と述べた。

事実、米国とイランの交渉担当者らは、紛争終結に向けた段階的合意について協議して、最初のステップとして想定されるのは、イランがホルムズ海峡を再開する代わりに、米国が経済封鎖を解除し、凍結されたイラン資産へのアクセスを認めるというものだ。

しかし、トランプ氏は、イランが提示した7日間の停戦案を拒否し、11月の中間選挙後にイランへの空爆を再開する見通しだという。

23日は、7月以来、ホルムズ海峡を通る原油の1日最大量をもたらした。約60隻の船舶が通過し、そのうち約40隻を米軍が警護した。このことから、紛争は拡大したが、原油価格は上昇していない。

この事象は、信号を切って、米軍管理下のオマーン側を通航する船が60隻で、米国が「ホルムズ海峡は実質的に米軍が管理」と言っていることである。

しかし、イランの提案をトランプ氏が拒否したことで、イランは、ホルムズ海峡オーマン側を航行する船舶に対する大規模な攻撃を開始した。

平行して、ベッセント米財務長官は21日、航空サービス提供者に対する二次制裁を発動すると警告し、これによりイランの全航空会社が9月23日に運航停止を余儀なくされるとした。

これに対して、イラン国家安全保障最高評議会のモフセン・レザイ書記は23日、周辺国が米国に協力してイラン便の運航を停止させれば、イランはそれらの国の空港が機能しないようにすると述べた。

現時点で米国の航空封鎖に同調しているのは、これらにはトルコ(部分的)、UAE、オマーン、ジョージア、イラク(部分的)、アゼルバイジャン、カタール。同調しないのは、中国とロシアであり、イラン便が飛んでいる。

フーシ派は21日、サウジが支援する軍隊が支配するイエメン残存地域を紅海沿岸から切り離すため、戦略的要衝の高地の確保に向けて攻勢を強めた。これに対して、サウジはフーシ派に対する空爆作戦を劇的に激化させた。しかし、トランプ氏はサウジのムハンマド皇太子から要請があったフーシ派に対する米軍の攻撃を土壇場で中止した。

しかし、フランスは、フーシ派の攻撃からサウジのヤンプーの石油輸出施設を守るため、兵士、レーダー、防空システムをサウジに展開する。欧州の原油供給を安定させるためには、ヤンプーの石油施設を守る必要があるからだ。

9月27日朝9時現在の状況であり、非常に早く事態が動くので、X等で事態の推移を追いかけてください。

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ロシア軍の敗走により確保できてしまう核使用可能な土地

ロシアの下院選挙で、プーチンの与党が勝ち、プーチンはウクライナ戦争への支持が取れたと述べて、今後も戦争を継続するという。

しかし、ウ軍の「ヴィヴァルディ作戦」で、リマン北方のロ軍突出部の広い範囲が、ウ軍の支配下に戻ったという。ウ軍第3軍団は、これまでに532平方キロをウクライナの支配下に戻した。

さらに、ウ軍は、プーチンが2025年12月に占領したと主張していたリマン市の支配権を完全に奪還し、ヤンポリ市にも進入したとのことである。

その戦法は、ウ軍は未来型戦争の実験をしていて、無人戦闘ロボットを大型ドローンで空挺展開し、ロ軍陣地の後方に送り込み、後方からの奇襲攻撃を可能にするものだという。ロ軍は後ろから攻撃されて、慌てている。

ロ軍は、ウ軍第3軍団がリマン地域で前進を続けている中、リマン前線に向け数千人の部隊を緊急に展開したが、ロ軍第20および第25軍は、困難を伴いながらジレベジ川の後方へ撤退した。

このようなウ軍優位の状態で、ゼレンスキー大統領と高市首相がニューヨークで首脳会談を開き、ロ軍の空爆を防ぐために、日本の高い防空技術の導入をしたいと述べたが、共同開発の方向であり、短期の成果はないようである。

しかし、トランプ氏は、この話を聞き、ウクライナにパトリオット用ミサイルの生産認める「最終決定」を下した。

ロ軍は、前線で負け始めたし、製油所を空爆されて、軍事行動用に備蓄した燃料をモスクワなどでの燃料不足に充当するために、切り崩していることで、ドンバスでの大規模な軍事行動ができない事態になっている。

このため、プーチンは、ウクライナを支援する欧州の結束を裂くため、モルドバ・ルーマニア・ポーランド・ドイツや空港へドローンを飛ばしている。

ロ軍敗走でロシア敗戦の可能性が高まっていることで、プーチンは核兵器の使用を考えているはずであり、トランプ氏もイランを全滅させると核兵器の使用を述べている。その上、ロ軍敗走により、戦術核の使用できる地面が確保できるからだ。

大国が負けそうになると核兵器使用を考え始めることは理解できるが、世界の世論がどう反応するのであろう。

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ついに到来した「生存を掛けた厳しい時代」に日本が打てる手

先週、株価は1,300円の上昇。サウジの東西パイプラインの復旧が早くなるとの発表で株価は上げた。原油価格も下げた。ドル円は158円台。10年国債金利は3.11%、30年国債金利は4.2%まで上昇している。80年代後半のバブル期以来の金利水準になっている。

高市首相の国連での演説は、一つ目は、エネルギー・重要物資のサプライチェーン強靱化だ。「国際社会全体で恣意的な輸出規制に対する懸念が強まっている」とし、日本の取り組みを紹介した。

二つ目は平和と安定に向けた連携強化。日本が戦後一貫して核軍縮・不拡散に真剣に取り組んできたとし、「『核兵器のない世界』に向けた国際社会の取り組みを主導するのは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命だ」と強調。

三つ目に挙げたのは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・発展への貢献だ。力や威圧による一方的な現状変更の試みは「世界のどこであっても認めることはできない」と強調した。ICCなどを例示し、「様々な国際裁判所を一貫して支持し、判事を輩出していること」が、法の支配を重視する日本の姿勢の表れだと訴える。

この理念は、欧州も同様であり、日本と欧州との連携を強化して、この理念を実現させることであるし、米国も弱肉強食の論理になり、中国やロシアと違わない国になっていることで、非常に心配な状況にある。

どちらにしても、核兵器使用の危険な時代であり、日本の生存を掛けた厳しい時代であり、国の指導者は、状況を見きわめて、適切な外交政策を求められることになる。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2026年9月28日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

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