例えば「共用」と「供用」など、文書の作成中に迷ってしまう同音異義語。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』では、そんな間違いがちな7つの同音異義語を取り上げ、それぞれの正しい意味と使い方を開設、ではなく解説しています。
言葉の使い分け
今回は、文字を入力するとき「はて? どちらの漢字だったかな」と迷いやすい同音異義語を取り上げます。
「健在」と「顕在」
この2つの言葉の使い分け、できていますか?
「健在」は元気で変わりない様子、「顕在」は形となって現れること、という違いがあります。
例)健在…両親は健在です。
顕在…顕在失業、問題が顕在化する。
健やかにある様子が「健在」で、あらわになる様子が「顕在」でしょうか。
「顕在」の対義語は「潜在」。表面には現れないで、内部に隠れていることを意味します。
例)潜在意識
「けんざい」と同じ読みの言葉はほかに「建材」があります。こちらは文字通り建築に使う材料のことです。
「幹事」と「監事」
「幹事」は、会の世話役という意味で使われることが多いです。
例)忘年会の幹事
もうひとつ、「幹事」には会や団体で業務を中心となって担当する役という意味もあります。
例)党の幹事長
対して「監事」は 法人などを監督する機関という意味。法人の財産や理事の業務執行を監督することで、会社では監査役と呼ばれます。
例)社団法人の監事、理事と監事
平たく言えば「幹事」が会の中心となって取りまとめたり、仕事をする人。「監事」は会のお目付け役として、会員の不正がないか、うまくいっているかを監督・監視する人という違いがあります。
「共用」と「供用」
「共用」は2人以上で共同で使うこと、「供用」は他人の使用のために提供すること、多くの人が使えるようにすること、という意味の違いがあります。
例)「共用」…マンションの共用部分、共用の駐輪場
「供用」…県が施設を供用する、供用林
平たく言うと共に用いるのが「共用」、人のために提供するのが「供用」でしょうか。「共用」の対義語は「専用」あるいは「個人用」です。
「共用」とよく似た言葉に「共有」があります。1つのものを2人以上で一緒に「使う」ことが「共用」であるのに対し、1つのものを2人以上で一緒に「持つ」ことが「共有」です。
例)秘密を共有する、共有財産
「余熱」と「予熱」
「余熱」は冷めきらない熱、「予熱」は前もって温めておくこと、という意味の違いがあります。
例)「余熱」…ストーブの余熱、予熱で蒸らす
「予熱」… 70度に予熱しておく、予熱器
「余熱」は火が消えた後まで冷めないで残っている熱のこと、「予熱」は器具や機械などをすぐ使えるように加熱しておくこと。
簡単に言うと、後に残る熱が「余熱」で、前もって熱しておくことが「予熱」という違いです。
熱に対して水が付く言葉に「吸水」と「給水」があります。
「吸水」は水分を吸収すること、「給水」は水を供給すること、という違いがあります。
例)「吸水」…吸水シート、吸水性
「給水」…給水制限、給水所
「修正」と「修整」
「修正」は直して正しくすること、「修整」はより良く見えるように整えること、という意味の違いがあります。
例)「修正」…修正案、文字の間違いを修正する
「修整」…画像の修整、写真を修整する
「修正」は誤りや不十分なところを直すことで、「正す」ことに重点が置かれているのに対し、「修整」は手を加えてきれいに見えるように整えることで、「整える」に重きを置いた言葉として区別します。
「修整」はレタッチとも言い換えられ、写真、画像、絵画、オフセット製版のフィルムなどに使われます。
「直す」という意味合いの言葉に「改定」と「改訂」があります。
一度決めたものを定め直すのが「改定」、書籍や文書の内容の一部を直すのが「改訂」。
例)「改定」…規約の改定、料金改定
「改訂」…教科書を改訂する、改訂版
いずれも一字の違いで意味合いが異なるので、混同しないように気を付けましょう
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『仕事美人のメール作法』
著者/神垣あゆみ
広島を拠点に活動するフリーランスのライター。若手ビジネスマン向けにメールマナーの基本を解説した『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など著作多数。
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