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カジノで8億円負けたVIP客に、3000万円分のワインを贈るアフターケア

先日、MAG2 NEWSのインタビューに答えて下さった、メルマガ『鍛野ミミの「カジノの目線で」-ここだけばなし-』でお馴染みの現役ディーラー・鍛野ミミさん。今回は、そのインタビューの中で出てきた「8億円プレーヤーに対するカジノのアフターケア」について、さらに詳しく紹介しています。カジノで8億も使うVIPをどのようにもてなすのか、あなたの知らない世界がここにあります。

8億負けたお客様に、3億ディスカウントと3000万円のワインをプレゼントする世界

先日、MAG2 NEWSインタビューを受けました。

その時、カジノの8億円プレーヤーの話をちょっとだけ開示しましたが…今日は、その話のつづき「VIPチームは8億円プレーヤーになにをしてあげるの?」について書きたいと思います。

話の経緯がちゃんと見えるように

MAG2 NEWS 日本人の知らない世界。 「カジノ」はこんなにも面白い!

から8億円の話の経緯を抜粋しました。

質問

数々のVIPの方のアテンドをされてきたと思いますが、その時のエピソードを教えてもらえますか?

Mimi

一回の渡航で8億円負けられてしまった方がいました(ふう~)

(中略)

日本では500万円~1000万円くらいのお客様が圧倒的に多いんですけど、場合によってはどんどん熱くなってチップをおかわりしちゃうんですね。

現地にいるときはみなさん旅行気分になっていますし、気持ちも大きくなっているので。日本に帰って現実に戻ったとき、「あれ? 俺なんかやっちゃった?」ってなってしまうんですよ。

カジノホテルでは定期的に集計を取るのですが、すごいお金がどっかん!どっかん!動いています。

(中略)

というような内容です。

この超VIPハイローラーのお客さま! 仮に名前をAさんとしましょう。

Aさんは1週間のカジノ滞在で8億円負けました

この時、Aさんは8億円全てを現金で賭けていたわけではありません。

海外の大手カジノには「信用クレジット」というシステムがあってそのお客さまに見合った「金額」をクレジットとして出します。

Aさんの場合、数億円のクレジットを出しても大丈夫という「担保」が得られたのでクレジットの許可がおりたのです。

カジノがクレジットを出すのか、出さないのかは…最終的にカジノのベテラン中のベテランVIPマーケターと幹部が判断します。

なぜなら、この信用クレジット…日本に帰って来た後に、「回収」が出来なければ、カジノの「VIP売上」として計上できないからです。(要は、帳面上の数字ですから)

回収できない場合は、損金扱いになってしまうんですね。

だからカジノのVIP顧客相手のビジネスは経験者がいないとむずかしいのです。

そしてさまざまな交渉…幹部との話し合い、Comp調整の結果…最終的にAさんの現金での支払い額は「5億円」となりました。

3億円のディスカウントです。(は?? 3億のデ、ディスカウント…?)

はい。そうです。3億円のディスカウント。

それにプラスして3000万円分のワインのプレゼントを行うことが決定しました。(3、3000万円分のわわ、ワインのプレゼント!?)

はい。

当時、わたしが担当したのはこの3000万円分のワインさがし」でした(VIP客のアテンドはチームで行うから分業です)。

3000万円分のワインの中身は、「ロマネコンティ」2本、「82年物のマルゴー」12本、「82年物のラトゥール」12本、その他…ペトリュス数本、ムートン数本、オーパス数本などなど(汗…)

Aさん、さすがさすがの超!VIPで普段飲みとして、ワインの5大シャトーは当たりまえ。

しかも、「82年物」とピンポイントで来られたので、日本の問屋さんだけでは、全部揃わないんですよ…

でも、絶対に!何とかしなくてはならないのがカジノのVIPビジネス

しかも、現場からわたしに連絡が来たのは年末の30日(お正月は返上です)。

そこでまずわたしがしたことは…伊勢丹、三越、高島屋、西武、などなど一流デパートを片っ端から電話をし、ワイン集めを始めました(82年物を12本なんて、当然ないんですけどね)。

その後、普段使っている問屋さんに電話をかけ……やっぱりないことを確認した後にネットで情報収集しました。

わたしたちは普段、カジノのVIPに上質のワインを差し上げる時ネット販売の商品には手を付けないんです。

なぜなら、ワインのオリが沈殿している可能性があるから。

必ず、自分たちの目で確認をして購入します(でないと、ムチャクチャ怒られます!)。

日本の一流デパートの場合は、保存状態が良いので安心して購入できるのですが、そのかわり商品の本数は揃わないんですよねー。

結局、色々と探した結果、最終的にラスベガスの問屋さんとヨーロッパの販売店から商品を購入しワイン専用の木箱に入れ、チームの幹部を含む4名で無事、Aさんのご自宅に届けられました。

Aさんへの対応はここで終了するわけではありませんよ。

また、リピートで何度もなんども、カジノに来てもらえるようにVIPチームは一丸となってアテンドを続けるのです。

もしかしたらAさんが次にカジノを訪れるのは2年後かも知れませんが…それでも、定期的にお伺いをたて、情報交換をさせて頂きながらチームは次の機会に備えるのです。

いかがでしょうか。カジノの超~VIP顧客へのアフターケア

どんなビジネスにも共通すると思うけど、これってほんとうに大切ですよね。

image by: Shutterstock

 

鍛野ミミの「カジノの目線で」-ここだけばなし-』より一部抜粋

著者/鍛野ミミ
カジノディーラー歴24年。ラスベガスのディーラーライセンスを持ち、日本では数えるほどしかいない、海外大手カジノ事業主の「富裕層・VIPマーケティング」業務を経験した筆者が、これまで語ることのなかったカジノの「アレコレ」を発信していきます。
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