MAG2 NEWS MENU

日本の製造業が聞いて呆れる、ソニーが好調な本当の理由

シャープが経営破綻により台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業にの傘下に入ったニュースは記憶に新しいところですが、日本の製造業は長い低迷を続けています。そんな中、同じく経営不振がささやかれていたソニーが再浮上を果たし、成長が見込まれるVR市場への積極的な参入を表明しています。『毎日5分! 経済英語NEWS!』発行者の八木翼さんはこのソニーの好調の真相を紹介しつつ、シャープとの違いは何だったのかを説明しています。

Sonyはバーチャルリアリティーの先駆者になれるのか??

保険会社を持っていたりして、財務的にも非常に力強いSonyのニュースです。

今年は、3D関連商品がかなり出てきそうですが、この市場を支配できるのは誰なのか?

Sonyもその可能性を持つ一社です。

ニュースを見てみましょう。

(1)
Deutsche Bank (DB) analysts say they had
high expectations for virtual reality
going into the GCP NEXT conference in San Francisco,
and that those expectations were exceeded.

(ドイツ銀行のアナリストは、彼らは、San Francisco
で行われるGCP NEXT conferenceで、バーチャルリアリティが、
出てくることに高い期待をしていたが、予想はそれを
超えたと述べた。)

 

(2)
Most sessions were standing room only
and according to Deutsche Bank, the
“show-stopper” this year was Sony (SNE – Get Report) .

(ほとんどのセッションでは、立見席しかなく、
ドイツ銀行によれば、今年、本当に素晴らしかったのは、
Sonyだった。)

 

(3)
While the possibilities are truly endless, VR
does have its own set of problems.

For one, it has a limited availability as
many are just for developers at this point.

(可能性が無限大である一方、VRは、
いくつかの問題も確かに抱えている。)
(まず初めに、現時点で、開発者用に作られており、
可用性が限られている点だ。)

 

(4)
Second, the price is simply too high for most consumers.
(2番目が、多くの消費者にとって、価格が高すぎる点だ。)

 

(5)
That is, until now.
Sony’s PSVR is just $399 — and surprisingly, is
profitable for the company at that price point.

(そして、それはこれまでの話だ。)
(ソニーのPSVRは、驚くべき399$で、
この価格で会社は利益が出るのだ。)

(6)
While HTC’s Vive and Facebook’s (FB – Get Report) Oculus VR
property are thought to have the most extensive and best VR
platform so far, Sony has the most experience
at bringing gaming systems and platforms to market.
(これまで、HTCのViveとFacebookのOculus VRが、最も
広がりを持ち、最高のVRプラットフォームだと思われてきたが、
ソニーは、市場にゲームシステムやプラットフォームを
持ってくる点について、豊富な経験を持っている。)

 

(一部引用 The Street :ByBret Kenwell
03/24/16 – 04:07 PM EDT0
http://bit.ly/1Ue8Hon

ソニーは、自分の得意なものだけに集中するスタイルで行くようですね。

さて、ソニーで一番うまく行っている事業は、本当にVRなのでしょうか?

ソニー好調の理由は安定して儲かる事業を育てたこと

疑問に感じたので、ソニーのホームページに行ってみました。

2014年度 連結業績概要(2015年3月31日に終了した1年間)

コチラに図表できれいにまとめられているのですが、一目瞭然で、「金融」が一番儲かっていますw日本の製造業が聞いて呆れますねw

にもかかわらず、この金融事業だけで営業利益1,933億円前年度比9.0%増加と、成長しているのです。

詳細を見てみると、ソニー生命が儲かったため、莫大な利益を上げているようです。

生命保険会社というのは、集めた資金を運用することで収益を上げているわけです。

もちろん、

「あなたが死んじゃったけど、投資でお金はすっからかんだよ。お金払えませーんw てへぺろ」

なんて状態は許されないので、お堅い企業や国債に投資をしているわけです。

それでも日本株は、大きく上昇したわけですから、利益が出て当然です。

というわけで、ソニーが利益を出せているのは、円安で製造業が復活したからではなく、GPIFなどの年金機構が日本株を大量に買って値を上げたことにより、生命保険会社が儲かったということなのです。

要は、我々の年金を使って、企業が儲かったという、なんともくだらない構図なわけですね。

けど、ソニーは今回のニュースにより、日本の製造業を復活させようという意思があるので、まだいい会社ですよね。

他の会社は、株で儲かったお金を人件費の安い海外に投資します。いくら円安といっても、そうとう質や文化にこだわらないと、さらには、十分余裕な資金がないと、日本で工場を作ろうなんて思えません。

ソニーが大丈夫で、シャープがダメだったのは、このように、安定して儲かる事業を育てていなかったからです。

太陽光発電なんかへ投資せず、

「Sharp生命保険、あなたの生き方をさらにSharpに」

なんていうCMを使いながら、生命保険を売りまくれば。。。

もしくは、テレビ購入と同時に生命保険を押し売り(生命保険加入で、テレビ2万円引きとか。。。)やっていれば、あんなに苦しい状態にならなかったでしょうね。

悔やまれますね。

image by: JPstock / Shutterstock.com

 

『毎日5分! 経済英語NEWS!』
著者/八木翼
TOEIC235点だった私が900点を超えるまでの勉強の過程で感じた、「英語のニュースを解説してくれる教材があったらいいのに」という思いを形にしました。全ての英文に和訳、文法解析がついています。
<<無料サンプルはこちら>>

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け