MAG2 NEWS MENU

プロの家庭教師が伝授、子供の脳に刺激を与える「やる気」ひきだし法

中学の三年間というのは、人生を左右するとても大切な時期でもあります。もちろん勉強だけが全てではないけれど、無料メルマガ『中高一貫校に通う「中学生」の過ごし方<主に保護者対象です>』の著者でプロの家庭教師・岡本雅博さんに中学生の勉強のコツと意外とおざなりになってしまいがちな通学時のマナーについて教えていただきました。

「宿題」をやるペース

学校によって宿題の量は全く違います。

宿題量が少ない(多くない)学校に通われている方は、できればCD付きの英単語英熟語を先に進めておきましょう。単語・熟語はいくらあっても困りません。システム英単語ユメタンなどどれでも結構です。(高3までに6000語レベルまでもっていきたいところですね。どの大学にも対応可能なレベルです)

何度も繰り返し発音を行い、あまり頑張りすぎずに「続けることを意識してください。私自身も現在フランス語の学習を始めていますが、やはり発音から入るのが一番長持ちすると感じています。ガリガリ勉強するだけでなく、ペラペラ口に出しましょう。発音しているうちに、いつの間にか覚えていく単語もありますので、「続きやすい」ですよ!

また、理数系が得意な方教科書の先取りをしても良いですし、「最高水準問題集」や「高校への数学」シリーズで興味があるものを少しやっておきましょう。中間テストなどで、たまに「実力問題」が出題されますので、その対策にもなるかと思います。学校の先生方は大変お忙しいため、なかなかオリジナルの問題を作ることができないようです。授業では「オリジナルだよ~」とおっしゃっている場合でも、実は古い問題集や他の学校で使っているテキストなどから抜粋されていることがありますよ。

もし余裕があれば、そこまでやってみましょう。

「暗記モノ」の勉強法紹介

暗記モノは学校から帰ってきたら、なるべく早めに1回覚えてしまう(あるいは電車内でやってしまう)ことをおすすめします。完成度は100%でなくて構いませんのでまず全体を1回覚える。そして、その日の寝る前にもう1度覚えることで、「2回分」やったことになります。

この勉強法が良いのは、1回目を最初にやることで、どれくらい頑張れば良いか「全体像」が何となく分かることです。「全体像」がわかっていると、2回目にどれくらい時間がかかるのかが大体予想できますので時間配分しやすくなります

また、1回目で覚えた後「忘れそうになっている時」に2回目の復習がきますので、記憶がとても定着しやすくなります。人間「忘れそうになっている時に復習するのが一番定着します。私の経験でも「忘れた頃にやる」というのは本当に効果的ですよ。そしてさらに、その状態で寝れば、睡眠中に脳が勝手に情報整理してくれますので、さらに記憶が定着するでしょう。多少詰め込みでも構いませんので、寝る前にやるのがおすすめです。

もちろん人によって繰り返す回数はバラバラです。2回で十分な人もいれば、5回やってちょうど良いという人もいます。3回目、4回目が必要であれば適宜増やしていきましょう。目標点数(今は9割~満点が目安)を取れるまで、繰り返すことが大切です。

たとえ小テストが1週間先でも、とにかく宿題が出たその日のうちに2回は回して「全体像」を把握してください。
一番良くないのはテストの前日だけやろうとすることです。一夜漬けでは全く定着しませんので、たとえその小テストで合格点が取れても後々苦労するパターンです。

やる気がおきない…

やる気に頼る勉強法は止めた方がよいと思います。

特に新中1の今の時期は緊張感があり、一生懸命やってくれる生徒さんが多いです。しかし、ほとんどの方はその緊張の糸が切れる6月以降にやる気を失い、それとともに成績が下降していきます。

夏休みを越え、2学期に入るとさらに悪化してしまう生徒さんもいます。そうなるともはや順位固定が進み、中位層や下位層から抜け出せなくなってしまいます。

よほど好きな科目でなければ、人間なかなか勉強を継続することはできないのも事実です。「がんばれ!がんばれ!」と言ったところで生徒さんのやる気は全く引き出せないどころか、「うるさいなあ…」と思われてしまい余計に効率を落としてしまうことも考えられます。

そんな生徒さんには

「とりあえず机の前に座ろか」

「とりあえずテキストを目の前において」

「とりあえずノートも開いて」

「とりあえず書いていることを写そうか~」

というふうに、1つ1つの動作にすべて「とりあえずをつけてやらせてあげるとうまくいくことがあります。1つ1つの動作を行うのに間をあけてもらっても大丈夫です。

そして、手が動きだすことで、脳に刺激がいき、「やる気」が少し出てきます。エンジンが少しずつONの状態になると、中高一貫校の生徒さんであればそのままジワジワ勉強し出すことが多いですよ。「やる気」は気合いではなく手の動きから起こす、と考えていただくのが良いかと思います。

通学時のマナー

大人の目が一番届いていないのが、登下校時です。
中学生はまだまだ子供。自分の行動が周りからどう思われているのかなかなか気づいていないことが多いです。何かに夢中になって、つい周りが見えていなかったり、大声でしゃべっていたりして迷惑になってしまっていることが多いです。

制服や会話ですぐにどこの学校か・どの学年かなどが分かってしまいますので、学校に苦情の電話が入ることもあります。このご時世ですので、迷惑行動への報復として、必要以上に絡んでくる大人がいる可能性も否定できません。

普段からの躾の部分、そして「思いやり」の部分ですよね。

例えば、「電車のドアの前に立っていて駅に着いたら一旦電車から降りたりしてる?」と聞いてあげると良いかと思います。
小さな行動ですが、こんなことができるかどうかだけでもだいぶ違うのでしょうね。大学生や就活生ですら出来ていない人が増えてきていますので、今のうちからできるようにしていきたいですね。
(最近の大学生や若い社会人の方でも、少し声が大きくなりすぎている方が増えてきている気がします。やはり中学高校での躾の部分が大事ではないかと思います。)

学校が始まり、生徒さんおひとりおひとりが様々な戦い方をしていると思います。

親御さんは勉強だけではなく全面的な大きな支えとなってあげてください。勉強は夏休みでいくらでも取り返すことができます。まずは心身ともに健康に毎日学校に行く、ということを達成しましょう。

 image by: Shutterstock

 

中高一貫校に通う「中学生」の過ごし方<主に保護者対象です>
中高一貫校の「中学生」は、どうしても色々なトラブルや悩みが尽きない時期にいます。親子関係、友人関係、学校の先生との関係など本当に難しい状態になるケースもあります。そういう時期を、少しでも良い状態で過ごすために、中学生のみなさんや保護者の皆様が知っておくべきことなどをメールマガジンの形で配信させていただきます。(主に保護者の方向けとして書いております)入学を控えている新中学1年生、学校に慣れてきてだらけてきた中学1年生~2年生、高校が迫ってきて受験も迫ってきてこれまでとは別の悩みが増えてきた中学3年生など色々なケースを想定して書かせて頂きます。
<<登録はこちら>>

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け