4月14日、16日に発生した「平成28年熊本地震」。被害に遭われた方、避難所で不自由な生活を強いられている方のために、無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、ご自身も避難所生活の経験があるDr.ハセさんが、厚生労働省の出した被災地での健康を守るマニュアルの内容を紹介しています。
災害時でも健康だけは!
今回の熊本・大分での地震災害にあわれた方、頑張ってください。
以前私も土砂災害で家屋の全壊を経験したことがありますが、何年たっても思い出したくないことです。そのとき、避難生活も経験したのですが、今回の災害にあわれた方には、何とかこの時期を乗り切られますよう、心からお祈り申し上げます。
数年前に厚生労働省が「被災地での健康を守るために」とする情報を出しています。「あのとき知っていたら」と思うことがいろいろ書いてありますので、是非読んでいただきたいと思います。その内容を箇条書きにしましたので、ご覧下さい。
1.生活・身の回りのことについて
(1)暑さへの対策:今回の地震ではあまり気にしなくてもよいかもしれませんが、脱水や熱中症で体調を崩さないように注意することが必要です。できるだけ暑さを避け、こまめに水分・塩分補給を。
(2) 水について
- 水分の確保:さまざまなストレスやトイレが整備されないことが原因で、水分をとる量が減りがちです。特に高齢者は脱水になりやすく、また尿路感染症や心筋梗塞、エコノミークラス症候群などの原因にもなるので、しっかりと水分をとるようになさってください。
- 飲料水の衛生:給水車の水でも当日給水のものを使用しましょう。井戸水を使用するときは煮沸を。
(3)食事について
- 栄養:できる限り食物をバランスよく食べるようにしましょう。国立健康・栄養研究所の「災害時の健康・栄養について」をご覧ください。
- 食品の衛生:手洗いを励行し、提供された食事は早めに食べましょう。下痢、腹痛、嘔吐、発熱等の症状がある方や手に傷のある方は、食品を取り扱う作業をしないように。
(4)トイレの衛生:「避難所等のトイレの消毒方法、手洗いなどについて」の厚労省の注意事項です。
(5)生活環境
- 室内:避難生活が長期に及ぶと布団にダニが繁殖しやすいので、定期的な清掃のほか、布団・毛布等の日干しを行うことが望ましいです。
- 屋外:ゴミは定期的に収集し、避難所外の閉鎖された場所において管理を。
- プライバシーを確保できる空間や仕切りなどを確保する。
2.病気の予防
(1)感染症を防ぐ:避難所での集団生活では消化器系感染症などが流行しやすくなります。こまめに手洗いを励行するよう心がけてください(国立感染症研究所の情報)。
(2)粉じんから身を守る。
(3)一酸化炭素中毒防止:換気の良くない場所では燃料を燃やす装置を使用しないようにしましょう。使用する場合には必ず換気を。
(4)エコノミークラス症候群にならないために:定期的に体を動かし、十分に水分をとる。(厚労省情報)
(5)心身の機能の低下予防:身の回りのことができる方はなるべく自分で行ったり、可能な作業に参加する。声をかけ合って、積極的に体を動かすようにしてください(「東北地方太平洋沖地震による避難生活に伴う心身の機能の低下の予防について」)。
(6)歯と口の清掃:水の不足等により歯・口の清掃がおろそかになり、食生活の偏り、水分補給の不足、ストレスなども重なって、むし歯、歯周病、口臭などが生じやすくなります。特に高齢者では、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症を引きおこしやすくなります。できるだけ歯みがき等を。
3.心のケア
休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。また相談員に相談を。
4.慢性疾患をお持ちの方
人工透析を必要とする慢性腎不全、インスリンを必要とする糖尿病等の方は治療を継続する(日本透析医会災害時情報ネットワークからのお知らせ、日本糖尿病学会)。
5.妊婦さんや産後間もない方
妊産婦・乳幼児を守る災害対策マニュアルをご覧ください(兵庫県立大学が参考になります)。
避難生活をなさっておられる方、頑張ってください!!
image by: Wikimedia Commons
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