ビジネスでは重要なのだけれど、学ぶ人は少ないという「男女間の違い」。それを「もったいない」と嘆く、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』を配信する土井さんが、男女間のコミュニケーションの違いをあくまで中立に書いた1冊を紹介しています。異性間の差異を知ればマーケットも2倍になるとのこと、読まずにいるのはもったいないですよ。
『ベスト・パートナーになるために』ジョン・グレイ・著 三笠書房
こんにちは、土井英司です。
「消費のカギは女性が握っている」
「ベストセラーの秘訣は、女性読者を取り込むこと」
「女性の社会進出が著しい」
いずれも当たり前すぎることで、ずっと前から言われていることではありますが、実際に男女の違いを学ぶ人は少ない。いや、正確には、ビジネスパーソンでこれを学ぶ人は少ない、と言うべきでしょう。
単純計算でマーケットが2倍になるのに、本当にもったいない話です。
本日ご紹介する1冊は、ジョン・グレイ博士の『ベスト・パートナーになるために』。もともとは結婚・恋愛の本ですが、男女間のコミュニケーションの違いについて、ここまで納得のいく説明をした本は知りません。
先日の著者来日講演会でも、男女間のビジネス・コミュニケーションについて質問した女性がいましたが、男性サイドの考え方を聞いて、初めて知ったのか、呆然としていました。
読んでみて正直、「ここまで違うのか」と驚きましたが、逆に言えば、これを理解できれば、女性消費者の心がつかめて、かつ参入障壁も低い。特に、女性向け商品を扱う方、女性の多い職場の方は、必読でしょう。
男性は、自分の助力が相手に肯定的な影響を何も与えていないと感じると、その人間関係や生活を続けられなくなる。自分が必要とされないならば、やる気を奮い立たせることはできないからだ
女性は相手からの同情、理解、なぐさめ、自分の行動は正しいと認めてもらうことを強く求め、それが満たされると立ち直っていけるのだ。ところが、男性はなかなかそんな女性の心理に気がつかない。むしろ、相手のことを思うがゆえに、そっとひとりにしておいてあげるべきだと考える。あるいは、そばにいて問題を解決してあげればそれでいいと考え、性急に解決策を提示して、彼女をさらに落ち込ませたり、怒らせたりするのだ
女は「拒絶」が、男は「挫折」が怖い
メアリーは、誰の助けも借りずに目的を遂行することがトムにとっていかに大切なことなのかを、知らなかった。アドバイスをしたり意見を差しはさむということは、彼にとって最大の侮辱だったのである
◆女の感情を逆なでする、「男の決まり文句」 ※一部紹介
「そんなこと、ちっとも心配する必要ないじゃないか」
「君が言うほど大きな問題ではないと思うよ」
「文句ばかり並べていないで、実際にやってみることだね」
「もし、君がそれほど不満なら、やらなければいいじゃないか」
重要なコツは、彼がすでに何度もやってくれたことがあるからといって、それを「当然のことだ」というような調子で頼まないことである。そして、彼がやり終えてくれた時には、大いに感謝の気持ちを表わすようにする。けっして、彼のほうから自発的にやってくれることを期待してはならない
◆男性にものを頼む4つの秘訣
- タイミングを選ぶこと
- 命令するような態度・口調で頼まない
- 用件は短く。説明が長いほど抵抗感が増す
- わかりやすく。変に回りくどい言い方はさける
女性が男性に対して援助を要求する際に、もっとも犯しやすいミスの一つは「~してほしいの」という言い方をしないことである。たとえば「ゴミ箱がいっぱいだわ」と言うのは、単なる情報提供である。「ゴミを捨ててちょうだい」という言い方が要求だ
「ぼくは『~ができるかしら?』というような聞き方をされると、憤りを感じざるを得ません。そんな聞き方をされれば、答えの選びようがなくなり、『できるさ』としか答えられなくなってしまうじゃないですか。もし、私が『できない』と答えれば彼女は機嫌を損ねてしまうに違いありません。これでは要求とか頼み事ではなく、まるで命令や脅迫ですよ」
女性が女性の気持ちを代表して書いた本は山ほどありますが(大体押しつけがましい)、ここまで中立に男女間の違いを書き、かつ実用的な本は珍しいと思います。
「書名は知っていたけれど、まだ読んだことがない」という方は、もったいないのでぜひ読んでみてください。
image by: Shutterstock
『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』
著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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