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ここがヘンだよ京都。なんでもランキングで知る意外な一面

毎回、京都の歴史や神社・仏閣の素晴らしさを配信してくださる人気の無料メルマガ『おもしろい京都案内』ですが、今回は「ランキングで見る京都の意外な一面」を紹介しています。人間味溢れる京都の新たな魅力を発見できること間違いなしですよ。

ランキングで見る知られざる京都の一面

今日は知られざる京都の一面を都道府県ランキングをもとに見ていきたいと思います。

あまり訪れたことがない方には意外と思われるものを選んで取り上げてみます。実際に住んでいたり、頻繁に行くようになると確かにと思います。今日はそんな京都の知られざる一面や魅力をデータに照らし合わせて見てみたいと思います。

日本酒生産量 2位

酒造業が盛んな街伏見は全国的にも有名ですよね。日本酒生産量が多いというのはある程度納得のいく結果ですね。ちなみに1位は兵庫県です。「灘の酒」は男の酒と言われるのに対して、「伏見の酒は女酒と言われ、昔から酒どころとして有名です。女酒と言われる所以は京都の水は軟水だからです。柔らかいのが特徴です。

これはお酒に限らず、豆腐、湯葉、野菜などが美味しくて有名なのも豊富な水とその柔らかさが関係しています。特に出汁が味の決め手となる京料理に京都の軟水は欠かせません。京都で流行ったお店でも他府県に出店すると他地域の店で出す料理は違う味になるので繁盛しないと言うぐらいです。軟水と硬水とでは出汁の戻り方が違うようです。京都でいい具合に出るお出汁もそれ以外の地域ではその味が再現されないことがあるそうです。本場の京料理にリピーターが多いのもうなずけますね。

大学院生/大学生 1位

京都は他のどの地域より若者の多い街です。古都といえ街は若者ばかりでとても活気があります。電車やバスに乗ってもその多さは歴然としています。

この統計は人口100人あたりに対して5.29人で京都府が1位という統計です。しかし京都市に限定するとさらに倍ぐらいその密度は高く学生の数は多くなります。

京都市の人口は約150万人です。そのうち大学生の数は約15万人なので、10人に1人は大学生ということになります。中学生や高校生、専門学校生や短大生など入れればさらに多くなります。そして、常時日本全国から修学旅行生が来ているのでより強くアカデミックな雰囲気を感じます。街は若い人で溢れ、とても活気があるのが京都の大きな魅力だと思います。

共産党得票率 1位

これはもともと共産党が強い地域だということがあります。京都は昭和25年から53年まで7期28年に渡って蜷川虎三知事を務めていました。そのため、現在でも独自の存在感を示しているのです。京都の共産勢力は与党自民党に対する批判勢力を取り込み強い発言力を持つこともあるようです。また、労働組合に共産系の組合員が多いというのも特徴のようです。

共産党は宗教色がないというもの京都で支持される理由のようです。自民党などは大寺院の総本山との結びつきが強い場合などがあります。一方で共産党は基本的には無宗教主義なので、宗教者はみんな一緒に手を組んで世の中をよくしようという考え方です。他宗教の人たちの橋渡しをするのでみんなで協力しましょうという立場なのです。偏りがない立場なので、幅広い異なる宗教の信者や檀家からも支持をされやすいようです。

国宝・重要文化財数 2位

これが多いのは納得ですよね? でも、全国2位です。1位は奈良県です。国宝や重文指定となると指定されるためにはそれなりの年月が必要とされるものもあります。その意味で奈良と京都の大きな違いは現存するものの数の違いにもあると思います。

奈良は都であった時代が数十年、京都は約1,200年です。1,200年も国の中心だったと言うことは戦火や大火が絶えなかった場所でもあったということです。そのため応仁の乱以前の平安時代や鎌倉時代、室町時代といった古い時代のものの多くが焼失してしまっているのです。

近年では1864年の蛤御門の変で市内中心部は焼け野原になっているので相当数の国宝・重文候補がなくなってしまっているのです。多くのものは再建されていますが、それだとそのもの本来の価値は失われたままなので国宝になるためには年月がかかります。

金閣寺などがいい例です。昭和25年に放火によって全焼してしまい、今の金閣寺はその後再建されたものなので到底国宝にはなれません。ただ、そのあまりに美しい美観などから世界文化遺産には登録されています。時に世界遺産に登録されることより、国宝指定のほうが難しいことが見受けられます。

20代女性未婚率78.23% 1位

京都育ちの女性は京都に住み続けたい人が多く転勤族とは結婚したがらないようです。コンパクトな街なので遠くから職場に通う人も少なく、実家から通勤している人が多いのも原因の1つとも言われています。

市内中心部は、「田の字地区」「御所南学区内」などステータスの高さを表す住宅街があります。京都の人たちは都びとなのでブランド志向が強く土地や家柄へのこだわりが強いのも結婚を慎重にさせているようです。なもんだから、「男性未婚率84.35% 1位」という結果もまた仕方なしといった感じです。今では市をあげて合コンを企画し、街コンなどが開催されているようです。未来の京都を守るためにも1人でも多くの京都人の誕生を願ってやみません。

パン消費量 1位

これは意外じゃないですか? 京都の食べ物と言えは和食、おばんざいを思い浮かべるのではないでしょうか? しかし、日本一パンを食べているのは京都人なのです。舞妓さんもお坊さんも茶道家や華道家もみんなパンが好きなのです。だって、バターの消費金額や牛乳の購入量も京都市が日本一なんですよ。パン屋店舗数も全国2位です。

そして、コーヒーの購入金額は京都市が1位です。これまた意外なことに、お茶系の飲料の購入金額は41位と相当下の方です。これらのデータを見る限り京都は圧倒的にご飯派よりパン派が多いのです。同志社大学などの大学が並ぶ今出川通なんてパンストリートと言われているぐらいパン屋さんが沢山あります。

理由は色々言われていますが1つは京都人の新しいもの好きな性格が関係しているというもの。京都人で外食というと和食の店というより、イタリアン、フレンチ、洋食屋、すき焼き、しゃぶしゃぶなど洋食系ばかりです。いち早く海外から入ってきたものを受け入れて自分たちのものにしてしまうところがあるようです。この辺りはかつて都だった名残でしょうね。

新しいものに寛容で発信力がある街ならではの特徴です。そして、昔は特に商家が多かったので女性も家業を手伝い忙しいので家でご飯を作るよりパンを買ってきて食べる家が多かったとか。

ラーメン

食べ物の話が出たのでランキングから外れますが、ラーメンの話を少々。京都人はラーメンが大好きです。若者が多いからというのもあるとは思いますが、京大のお膝元の一乗寺や修学院辺りはラーメン激戦区です。しかも、京都のラーメンはあっさりどころか、ドロドロの背油が入ったかなりコッテリ系です。全国展開しているところだと天下一品などが有名ですよね。

また、新福菜館、第一旭、ますたに、魁力屋など地元密着の有名店も数多くあります。私も行くたびにどこのラーメンを食べるか楽しみです。日本全国のラーメンマンの方には是非京都のラーメンを試して欲しいと思います。

年間猛暑日数15.4日 1位

夏になると関東では埼玉の熊谷や山梨の甲府などが日本一暑い街としてニュースに取り上げられます。しかし、猛暑日の日数が多いのは京都です。これは真夏に滞在するとよく分かりますが、暑すぎて目が痛いことがあります。徹夜して太陽の日差しが強い場所にいると眩しくて目がしみるような感じがしますよね。ちょうどあんな感じです。恐らく水分を奪われている状態なのだと思いますが、東京の猛暑日とはレベルの違う暑さを感じます。

清少納言も枕草子の中で「冬はいみじう寒き、夏は世に知らず暑さ」と詠んでいます。1,000年以上前から京都の夏は暑かったようです。ちなみに、これは夏は途方もなく暑いのがいいという意味で表現しています。盆地特有の気候は今も昔も変わらないようです。

エンゲル係数28.75%(全国平均25.60%) 1位

これはちょっとかわいそうな事情が関係しているようです。1つは観光客によって値段が釣り上げられてしまっているようです。そして、京野菜のブランド化も原因の1つです。過剰なブランド化によりその値段は年々高騰する傾向にあるようです。観光客にとっては限られた滞在期間にする出費なので少々高くても買うのですが、京都人には高嶺の花のようです。なので、美味しい特産物が沢山あるにもかかわらず地産地消率はとても低いようです。

いかがでしたか? 結構興味深くないですか? 京都のイメージ少しはというかだいぶ変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

京都はある意味空想やイメージ先行の場所です。平安の都といっても何も残っているものがないのにそれを空想して歩ける街です。鎌倉時代、室町時代、安土桃山時代、江戸時代、幕末の争乱期など、その全ての時代の爪痕があります。ほぼ何もなくなってしまっているにも関わらず、空想により再建され、それを見てさらに空想する楽しみがあります。その意味では人の数だけ京都という街が存在するのかも知れません。

沢山のギャップがあり、実はつかみどころがないところが京都の魅力の1つです。

是非皆さんもまだ知られていないような京都の魅力を探してみて下さい。

image by: Tatree Saengmeeanuphab / Shutterstock.com

 

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