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若手から出なかった「自民党をぶっ潰す」の声。政権与党が衆院補選2選挙区で候補者すら立てられなかった裏事情

4月28日に行われた衆院3補選で、2つの不戦敗を含む3戦全敗を喫した自民党。唯一候補者を立てた「自民王国」である島根1区でも惨敗と言っていい結果に終わりましたが、何が政権与党このような惨状を招いたのでしょうか。政治学者で立命館大学政策科学部教授の上久保誠人さんは今回、その理由を詳細に解説。さらに補選すべてで勝ちを収めた立憲民主党が、政権を奪取するため打ち出すべき2つの政策等を考察しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:衆院3補選「自民惨敗」と「立憲3戦全勝」を総括する

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

衆院3補選「自民惨敗」と「立憲3戦全勝」を総括する

衆院東京15区、島根1区、長崎3区の補欠選挙が投開票された。3補選は自民派閥による「政治資金パーティー収入の裏金問題」後の最初の国政選挙だった。「政治とカネ」が最大の争点となった。自民党(以下、自民)は、東京と長崎で候補者の擁立を見送った。唯一候補者を立てた島根で敗れ全敗を喫した。一方、立憲民主党(以下、立民)は、候補者を降ろした共産党(以下、共産)の協力を得て、3戦全勝した。

この3補選は「幽霊同士の闘い」だった。実質的に「自民VS共産」という裏の構図があったからだ。「裏金問題」は、共産党の機関紙『赤旗』日曜版の22年11月5日号が「パー券収入 脱法的隠ぺい 2500万円分不記載 岸田派など主要5派閥」とスクープしたことから始まった。その後、安倍派、二階派など派閥の解体、安倍派幹部などの処分、二階俊博元幹事長の引退に至った。他の野党とは次元が違う、幅広く、深く社会に食い込んだ情報源を持つ共産が、裏金問題追及の実質的な中心だった。

だが、補選での共産の戦略は「候補者を降ろして、反自民の候補者を応援し勝たせる」だった。結果として、共産はすべての補選で候補者を擁立せず、自民も3つのうち2つで「不戦敗」となった。しかし、裏では両党の間で凄まじい駆け引きが繰り広げられた。姿のみえない「幽霊同士の闘い」だったのだ。

自民は、東京と長崎2つの補選で候補者を擁立できず「不戦敗」を選択せざるをなかった。東京15区は、秋元司氏、柿沢未途氏と2人続けて自民党の現職議員が汚職事件で逮捕されて辞職した。長崎3区は、「裏金事件」で、安倍派の谷川弥一衆議院議員が辞職した。

島根は、故・細田博之前衆院議長の地元で「保守王国」だった。だが、自民新人の錦織功政氏は、立民元職の亀井亜紀子氏に敗れた。汚職に揺れる自民が敗れること自体に驚きはない。だが、3つの補選のうち2つで「不戦敗」は異例だ。

異例というのは、以前ならば自民の危機には「改革派」が現れ、首相・党執行部を突き上げて自民は再生したからだ。80年代後半の「リクルート事件」で自民が世論の厳しい批判に晒された時、石破茂氏、岡田克也氏など多くの若手が「政治改革」の声を挙げた。彼らは自民党を出て新党に参加し、改革を実現した。2000年、森喜朗首相(当時)の度重なる失言等で自民が危機的状況に陥った時にも、小泉純一郎氏が「自民党をぶっ潰す」と言い放ち首相になり、自民を救った。

首相への権力・権限の集中で失われた自民の強み

一方、「裏金問題」では、岸田首相の主導で派閥が解散した。岸田派に続いて、疑惑の渦中の安倍派、二階派のみならず、疑惑と直接関係がない森山派、茂木派、谷垣グループまで解散した(麻生派だけは存続)。首相は、安倍派と二階派の議員ら39人を処分した。だが、「改革派」の突き上げはない。以前ならば、補選には汚職と関係ない派閥から新人が出馬した。党を批判し改革を訴えて選挙を戦った。だが、今回は誰も出てこず「不戦敗」となった。

皮肉なことだが、改革派がいないのは、30年前の「政治改革」の帰結だ。「小選挙区比例代表並立制」の導入などの改革で「人事権」「公認権」「資金配分権」が首相(党総裁)に集中した。「派閥」は首相の強力な権力・権限を牽制してきたが「裏金問題」で消滅した。

岸田首相に批判的な言動をすれば、人事での冷遇、政治資金の配分での冷遇、次期選挙での公認の取り消し、対立候補の擁立などの圧力をかけられるかもしれない。党内では、首相に誰もはっきり異議を唱えられなくなっているのではないか。

自民は、「新たな改革」として検討してきた「使途を公開する義務のない政策活動費や調査研究広報滞在費(旧文通費)の見直し」を先送りする方針を固めた。「企業・団体献金の廃止」も先送りとなった。これは、世論のさらなる批判を浴びるだろう。だが、党内から首相・党執行部に対する批判の声は小さい。

従来、自民は自由闊達さと多様性のある「派閥間競争」が強さだった。時の政権が危機に陥ると総裁選挙で「疑似政権交代」を演出し、新しいリーダーを選び国民の注目を集め、野党を蚊帳の外にすることで危機を乗り切ってきた。

だが、首相への権力・権限の集中で自民の強みは失われた。若手からの改革を求める突き上げがなく、補選に候補者も立てられない。自民党内に「疑似政権交代」の競争がなく、国民の注目は蚊帳の外だった「野党」に向くようになる。野党に、政権交代の好機が訪れている。だが、野党にその自覚はあるのだろうか。

共産は、島根1区補選で、村穂江利子氏の擁立を取り下げ、立民が擁立する前職の亀井亜紀子氏を支援した。東京15区でも、共産は擁立を発表していた小堤東氏を取り下げ、立民の新人・酒井なつみ氏を支援した。長崎3区では、候補者を擁立せず、立民元職の山田克彦氏を自主応援した。その結果、3補選で立民が勝利した。共産の小池晃書記局長は「市民と野党の共闘が今回の結果を生み出す大きな要因になった」と評価した。

共産は、政権交代実現に向け、選挙で野党候補をできる限り一本化する「野党共闘」を党の戦略としてきた。22年11月の総選挙でも、立民と候補者が競合する21の小選挙区で候補者を取り下げた。だが、共闘の効果は乏しく、改選前より議席を減らした。今回の3補選の勝利は、野党共闘の初めての明確な「成果」といえる結果だ。

自民の「敵失」で得た成果だが、それも元は共産の追及で始まった。共産は3補選の勝利に沸いている。だが、党の実情は厳しいものがある。国会での議席数は長年減少し続けている。党員数は、最盛期だった90年の50万人から25万人程度に半減している。党財政の基盤を担う『赤旗』の購読者数も80年の355万人から85万人まで落ち込んだ。深刻なのは、党員の高齢化だ。平均年齢は70歳を超えているのではないかといわれている。

実際、共産の運動員はさまざまな駅前でビラ配りなどの活動をしている。だが、どの駅でも、70歳以上と思われる高齢者ばかりだ。若者の姿をみることはほとんどない。新規党員の獲得はまったく進んでいないのだ。このような現状にある共産が「候補者を降ろすこと」を党の戦略としている。

東京15区補選で多くの無党派層が示した「選択」

筆者は、大学の授業で、自由民主主義国における政党について「共通の政治的目的や政策を持つ人々が集まり、選挙に候補者を擁立し、議会で多数派を形成して政権を獲得し、目的を実現するための組織である」と教えている。主権者である国民の側からすれば、政党の最も基本的にして重要な役割は、国民に「選択肢」を提示することだ。これは、政治学のイロハのイであろう。

候補者を降ろし、国民に対して政策を訴えず、選択肢を与えない。その裏で、候補者を出さないことを条件に他の党と駆け引きをし、権力獲得に暗躍する。これは、政党が国民に対して果たすべきことの真逆だ。候補者を降ろすのは、立候補しても勝てないと自覚しているからでもある。共産は、自由民主主義国の政党の体をなしていない。解党すべきではないか。

共産党との共闘で、立民は3補選全勝の大きな成果を得た。だが、この勝利は、次期衆院選に向けて、立民を難しい状況に追い込むことになる。

泉健太立民代表は、特定の政策に絞って他の野党と手を組む「ミッション型内閣」を提唱してきた。だが、日本維新の会(以下、維新)・国民民主党(以下、国民民主)らが「基本政策の一致なくして政権は運営できない」として否定的な態度をとってきた。

今回の補選での立民・共産の共闘で、維新・国民民主は態度をさらに硬化させた。その上、立民の支持団体「連合」の芳野友子会長が「連合として容認できない」と表明した。共産の支援を受ける候補を推薦しないという姿勢を強調したのだ。

一方、今後共産が立民に対してさらなる共闘と政策の合意を求めるだろう。だが、泉代表は安全保障や原発などエネルギー政策、消費税減税の凍結など「現実主義的」な政策志向を持つ。共産のプレッシャーを受けて、立民党内で政権獲得戦略を巡る迷走が始まる。

国民は厳しい視線を向ける。民主党政権時に「寄り合い所帯」が基本政策の不一致で迷走し、政権崩壊したことへの国民の不信感は、決して払しょくされていない。

立民・共産が共闘すれば、議席を増やして野党として安定した基盤を築くことはできる。だが、政権交代には至るのは難しい。「万年野党」としての立場を安定化する結果となる。それは、これまでの野党共闘の結果からすでに明らかなことだ。

前回も指摘したが、補選に勝つだけならば、党の「コアな支持者」を掴めばいい。しかし、政権選択の衆院総選挙では、それだけでは十分ではない。立民・共産など「左派野党」のコアな支持者は全有権者の10%を切るくらいしかいないからだ。勝敗を左右するのは、全有権者の6割を超えるまで増えた「無党派層」だ。

【関連】小池百合子が絶たれた「日本初の女性首相」への道。東京15区補選に“女帝”が出馬を断念した深刻なウラ事情

今回の補選で、立民の候補は無党派層の7割を獲得したとされる。だが、候補者が乱立した東京15区で立民の酒井氏が獲得できたのは2割程度。3補選の投票率は、いずれも過去最低だった。多くの無党派層が選択したのは「棄権」だった。

全国で各党が候補者を揃える総選挙で立民・共産が共闘すれば、立民に流れる無党派層は間違いなく減る。現在の無党派層は、左派ではない。中道的な考え方を持つ現役世代、子育て世代、若者らに加え、都市部で暮らすサラリーマンを引退した高齢者などだ。普段は、イデオロギーにこだわりがなく表立って声を上げない。だが、日本の「サイレント・マジョリティ」であり、時流や政局に応じて一票を投じ、選挙の結果を左右する力を持ってきた。

例えば、かつて民主党への政権交代を支持したのはこの人たちだ。また、第2次安倍晋三政権は、経済政策「アベノミクス」や、弱者を救済する社会民主主義的な政策でサイレント・マジョリティの支持を獲得し、憲政史上最長の政権を実現した。

無党派層を総獲りする「シン・野党連合」という戦略

現在の無党派層が左派の政策を支持していない理由は、各種世論調査で自民の支持が下落し、立民など左派野党の支持も上がらない一方で、無党派層が増え続けることが示す。国内政策について「左傾化」し、バラマキを際限なく続ける自民党にも、それと政策志向で違いがみえない左派野党にも、無党派層が満足していないことを示している。

無党派層は、少子高齢化、若者支援、物価高など経済対策などに有効な手を打てず、IT化、デジタル化、グローバル化への対応が遅れて、過度の円安が止まらず国民の資産が減っていく、国力が明らかに低下している現状に不安を持っている。ゆえに、日本の成長をもたらす地方分権・行政改革・規制緩和などの改革的な政策を望んでいる。

次期総選挙で政権交代を実現するには、コアな支持者を固め、自民批判で無党派の一部を獲るだけでは十分ではない。それよりも、無党派層を総獲りする戦略を考えるべきだ。

立民は、共産など左派勢力を切って、維新や国民民主などと中道主義的な政策路線を取るべきだということだ。筆者は「シン・野党連合」と呼んでいる。

自民への強烈な逆風で隠れているが、野党が抱える本質的な弱点は、政策面で自民との違いを明確に出せないことだ。自民は日本国民のニーズに幅広く対応できる、政策的には何でもありの政党だ。野党との違いを明確にするのではなく「野党と似た政策に予算を付けて実行し、野党の存在を消してしまう」のが自民党の伝統的な戦い方である。

特に、立民・共産など左派野党は自民党との違いを出すのが困難だ。左派野党が「弱者救済」を訴えても、自民は既に補助金・支援金をバラまいている。「野党の皆さんもおっしゃっているので」と躊躇(ちゅうちょ)なく予算を増額して実行できる。その場合は、もちろん自民の実績となる。ゆえに、左派野党は事実上の「自民の補完勢力」と化してきたのだ。要するに、憲法、安全保障政策の大きな違いに隠れているが、実は国内政策の違いがないことが、野党を万年野党化し、自民党の長期政権を可能にしてきたことがより重要だ。

一方、「シン・野党連合」は自民との違いを明確に打ち出せる。自民政治が抱える問題は「中央集権体制」の限界が露呈したものだ。「地方主権」を自民への対抗軸として打ち出すべきだ。以下、実現可能性を度外視してシン・野党連合の政策を提案したい。

まず、「地方を巻き込んだ政治改革」だ。「政治とカネ」の問題は、国会議員の地方での活動量の多さが本質だ。国会議員は選挙で票を得るために、地元の支援団体・地方自治体・地方議会議員など、さまざまな地元の支持者に便宜を図ってきた。

そうした癒着を避けるため約30年前に「選挙制度改革」が行われた。だが「小選挙区比例代表並立制」の導入後も、国会議員の活動が地元中心から議会中心へと変化することはなかった。それどころか、議員と地元の関係はより密になった。議員は政治資金のやりくりに苦しみ、派閥や地元の指示に従って、抜け道を探して裏金を受け取る行為に走った。

「政治とカネ」の問題の解決には、1990年代の政治改革がやり残した「議員の地元活動」の縮小が必要だ。そうでないと、地元対応にカネがかかる状況は変わらない。議員は新たな錬金術を考え出すことに必死になる。

「政治改革」の実現は、自民に対して罰則規定が甘いと批判するだけでは十分ではない。「地方のことは首長・地方議員が担う」「国会議員は地方から切り離され、国会での政策立案に集中する」といった、地方を巻き込んだ大胆な切り分けが必要だと主張する。

小池百合子ではない。「シン・野党連合」を率いるべきリーダー

次に「地域に応じた育児・教育支援、若者支援」だ。大阪府知事・維新共同代表の吉村洋文氏は、大阪市長時代の18年に、大阪市の待機児童を「325人→37人(旧基準に準拠。新基準では67人)」に激減させることに成功した。一方、当時の自民党は「待機児童対策よりも教育無償化」を志向し、優先順位が逆だと一部で猛批判された。

当時、待機児童は都市部に集中していた。自民党が「集票基盤」とする地方の多くでは保育所には空きがあり、都市部と比べると待機児童は少なかった。ゆえに、自民党は「無償化」を優先した。中央集権国家で地方の事情が考慮され、首都圏や主要都市での待機児童問題が改善されないという逆転現象が起きた。

これこそが「全国一律」の自民党政治の限界だった。その状況を改善するに当たっては、教育関連の施策も「地方主権」の下、各地域がそれぞれの課題に応じて推進するべきだ。

なお、維新は2024年度から、大阪府内の高校を対象とした「授業料完全無償化」に踏み切る。「拙速」との批判はあるが、地方で独自に財源を確保し、国に先行して教育支援を進めることは注目に値する。政策の財源を中央から地方に移転し、地方の自主財源を増やすことができれば、岸田政権で強まる「財務省支配」への対抗策や、将来の「増税」の不安への対案にもなる。

このように、地方主権を軸として自民党と異なる「国家像」を提起すれば、政権交代への期待が高まるし、無党派層の票を総獲りできるはずだ。

シン・野党連合など荒唐無稽だという人がいるだろう。前述の通り、立民と共産の接近を維新、国民、そして連合が厳しく批判する現状だ。シン・野党連合結成のリアリティはない。

だが、改革と地方主権を掲げる馬場伸幸維新の会代表、消費増税を封印し、安全保障政策などで現実路線を志向する泉健太立憲民主党代表、中道路線で与党と是々非々の玉木雄一郎国民民主党代表、そして、かつて民進党を希望の党に合流させて政権交代を狙った前原誠司氏。政策的には皆、現実的で自民党に満足できない層に響く、一致するところがある。

彼らが合流できないのは、突き詰めると共産の存在に尽きる。立民が共産を切れば、合流できない理由はなにもなくなる。その関係は複雑そうにみえて、意外とシンプルである。

前回述べた通り、シン・野党連合のリーダーには小池百合子東京都知事を期待してきた。この荒業をまとめ切れる大物は、小池氏しかいない。だが、小池氏が東京15区に擁立した乙武洋匡氏が過去のスキャンダルを蒸し返され、小池氏自身も「文春砲」に襲われた。乙武氏は惨敗し、小池氏が「史上初の女性首相」の悲願達成を目指す道はほぼ閉ざされた。

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だが、新しい政治を始めようとするのに、71歳の大ベテランの政治家の力を頼るべきでではないのかもしれない。若手からリーダーが現れるべきだ。泉代表に期待したい。次期衆院選まで、泉代表は悩みに悩むことだろう。だが、大局観を持ち、共産など左派を切り捨てて、無党派層を総獲りして政権交代を実現する。首相となり「地方主権」の新しい日本を創るという、果断な決断を期待している。

image by: 蓮舫(事務所) - Home | Facebook

上久保誠人

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

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