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NY在住の医学博士が「映画で英語を学ぶ」ことをオススメしない理由

NY在住の猫好き医学博士しんコロさんが読者からの質問にお答えする『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』のQ&Aコーナー。今回は英語の教員をしている方から「日本に居てもネイティブな英語を習得する学習法」はあるのか、というご質問。現在NY在住で医学博士としてバリバリ活躍するしんコロさんが、自身の英語学習術を伝授しています。しんコロさん曰く、映画を観ても英語は上達しないのだとか。果たしてその理由とは?

日本に居てもネイティな英語は習得出来ますか?

Question

 私は英語の教員なので、しんコロさんが英語を習得した方法や過程がとても気になります。そこまでネイティブな英語を身につけられた方法をお教えいただきたく思います。生徒達にもアドバイスしたいので。日本国内だけで身に付けるのはやはり難しいでしょうか

しんコロさんの回答

以前、Vol.089 に高校や大学受験レベルはちょっと難しいと感じる方が、大学生の英語力を上回るレベルを目指すという設定で何をすべきかを書きました。

僕の場合は、高校生の時代には基礎的な単語や構文を頭に叩き込む他、原書の米文学を読んで読解力を楽しみながら鍛えました。大学に入ってからはアメリカ留学を念頭に置いてTOEFL の勉強を市販教材とCD 等を使って行いました。

リスニングやスピーキングに関して、僕はネイティブスピーカーのレッスン等を受けることができる機会はありませんでした。そしてTOEFL でアメリカ大学院留学のラインをクリアするレベルになった頃に渡米しました。その時点では研究の話を理解して通常の仕事のやりとりを行うには足る英語力になっていました。

そういう意味では、日本国内だけでもそれなりには英語力を身につけることはできると思います。もちろん、TOEFL でスコアが取れても、日本では英語上級者と思われるかもしれませんが、まだまだその先のレベルというものはあります。いずれにしても、僕の英語学習法は近道を求めずしっかりと土台を作ることに腰を据えて行うというものでした。

また、「英語ができるようになりたい」という漠然としたモチベーションではなくて、「米大学院留学して研究 をしたい」という具体的な目標があったからこそくじけず諦めず頑張れたと思います。高いゴールを設定した方がむしろ英語勉強を継続できるのではないかと僕は思います。

また、僕は映画をあえて英語教材としてオススメしていません。というのも映画は滑舌が悪いものや訛りの強いもの、スラングが多いものや文化を理解していないと意味不明なものなどがあり、英語初心者には必ずしも効率の良い教材とはならない場合が多いからです。

むしろ、TEDスピーチ等の理路整然とプレゼンされたものが勉強材料として良いでしょう。今はインターネットにさえつなげられれば、いくらでも無料でネイティブの英語プレゼンが見られるので、英語学習者にも良い時代になったと思います。

生徒さんにも、「勉強のため」に英語を聞くのではなく、自分の好きな内容を英語のプレゼンで観るということをお勧めしたらいかがでしょう。英語が聞き取れるようになることで、それだけで自分に入ってくる情報の量が何倍にもなります。情報の量が増えれば、夢も可能性もさらに膨らみます。

 image by: Shutterstock

 

しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」

著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
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