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スターバックスが仕掛ける紅茶ブランドは、日本でヒットするのか?

「スターバックスで紅茶!?」―今まではこんなふうに驚かれていた風景が一変するかもしれません。スターバックス コーヒージャパンは、新たにお茶の新ブランド「TEAVANA」(ティバーナ)を発表。早速ティバーナのラインナップ数点を試してみたという無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、今後の日本での期待値と展望について持論を展開しています。

スタバが紅茶の新ブランド「TEAVANA」(ティバーナ)をスタート

こんにちは、佐藤昌司です。スターバックス コーヒージャパンは10月3日から、ティーの新ブランド「TEAVANA」(ティバーナ)をスタートさせました。アメリカ、ヨーロッパに続き、今秋より日本を含むアジア・パシフィック地域で楽しむことができます。

同社によると、世界のティーマーケット(茶類全般)は、2015年の段階で1,250億ドル規模に達し、コーヒーよりも大きい市場を有しているとのことです。日本でも今後の成長を期待しています。

ブランドコンセプトは「TEAを多彩に変えていく」としています。「Heaven of TEA」(ティーの楽園)の意味を込め、今までにないティー体験を届けるとしています。様々な種類の茶葉やフルーツ、花、ハーブ、スパイスなどをブレンドします。

今回のティバーナの日本導入にあたり、特に前面に押しだしているのが「ゆず シトラス & ティー」です。ゆずやシトラス、ピンクグレープフルーツ、ホワイトグレープなどを紅茶と組み合わせています。果肉がたっぷり入っているのが特徴です。

さっそく「ティバーナ」などティー商品を試してみました。注文したのは「ゆず シトラス & ティー(ホット)」(ショートサイズで390円)と「ネクタリン ピーチ クリーム フラペチーノ with ティー ババロア」(トールサイズのみで560円)です。

「ゆず シトラス & ティー(ホット)」は柑橘系の香りがほのかに漂います。鮮やかな黄金色がカップの中に見えます。程よい酸味のなかに紅茶の渋みがしっかり残っています。豊かな風味が印象的です。果肉の食感も楽しめます。五感で楽しむことができるティー商品です。

「ネクタリン ピーチ クリーム フラペチーノ with ティー ババロア」はピーチとティーを融合したフラペチーノです。ネクタリンピーチや白桃、黄桃をクリーミーにブレンドし、アールグレイティー風味のティーババロアが加わっています。

両商品ともに美味しくいただけました。個人的には好きです。ただ、日本でヒットするかは未知数です。日本におけるティー市場(緑茶を除く)はいまひとつ広がりに欠けているからです。

日本の紅茶市場はいまひとつ

飲料大手の伊藤園によると、2015年のコーヒー飲料市場は9,420億円であるのに対し、紅茶系市場は4,580億円、緑茶市場は4,150億円にしか過ぎません。日本ではティーを店舗で飲む文化が浸透しているとはいえません

成長性でも厳しい状態です。同じく伊藤園の推計では、2000年の紅茶系市場は5,793億円の規模がありましたが、その後は縮小傾向を示しています。一方、緑茶市場は2000年の2,171億円から増加傾向を示しています。

紅茶系市場は規模の面ではコーヒー飲料に劣り成長性の面では緑茶市場に劣っています。コーヒー飲料と緑茶の陰に隠れがちです。

スターバックスはこうした状況に風穴をあけることができるのでしょうか。スターバックスは今年、日本に上陸して20周年を迎えました。相乗効果でティー市場で革命を起こすことができるのか。今後に注目していきたいと思います。

image by: スターバックスジャパン

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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