「仕事の教え方が苦手」「なかなか部下に伝わらない」——飲食店の現場では、そんな悩みを抱える店長が少なくありません。しかし、その原因を突き詰めると、ほとんどのケースに共通するある問題が浮かび上がってきます。今回のメルマガ『飲食店経営塾』では、著者の中西敏弘さんが、成果を出すための「仕事の方程式」と、飲食店経営に欠かせない基礎知識の重要性をわかりやすく解説しています。
成果の出ない店長の特徴は、「なんとなく」仕事をしていること!
「伝えるのが苦手……」
これは、私が研修を行っている際によく参加者から聞く言葉です。 飲食店は多くのアルバイトスタッフを活用するため、仕事を教える機会が必然的に多くなります。「伝える」場面が多いために、苦手意識を持つ方も多いようです。
「苦手」と感じる理由は、伝えたつもりが相手に伝わっていないからですが、そうした人たちを見ていると、ある共通点に気づきます。それは、「なんとなく」伝えているということです。
「伝わる」とはどういうことか
そもそも「伝わる」とは、こちらの意思ややってほしいことを提示し、それが相手に正確に届き、こちらの意図した通りに確実に実行してくれたときに、初めて「伝わった」と言えるわけです。
苦手な人の教え方を見ていると、ただ作業の手順をそのまま口にしているだけで、傍で聞いていると「結局、何を言いたいのか分からない」と感じることがほとんどです。
なぜそうなってしまうのか。 それは、「なんとなく」その仕事について話そうとしているからです。
仕事を教える3つのポイント
相手に仕事を教えるときには、最低限以下の3つを伝えることが求められます。
- 目的:その仕事を何のためにやるのか
- ゴール:どの状態まで仕上げるのか
- 期限(時間):どれくらいの時間でやるのが理想か
この3つをまず明確に伝えること。その上で、作業を上手く進めるコツなどを補足していくことで、スタッフの仕事の習得スピードは格段に向上します。
つまり、「伝える」ときには、 「1.目的」「2.ゴール」「3.期限」 この3つをセットにするという「方程式」に従って話せば、「なんとなく」伝えるよりも数倍、相手に伝わるようになるのです。
成果を出す「方程式」とは
仕事は、”なんとなく”取り組んでも成果は出ません。
どんな仕事にも「成果を出すための方程式」が存在します。その方程式に従って動く方が効率的であり、成果が出る確率も圧倒的に高くなるのです。
例えば、原価率を下げる必要が出たときも、「なんとなく」ロスを減らそうとしたり、無闇に発注を抑えたりしても意味がありません。
1,原価が上昇した原因をできるだけ抽出する 2,その中から、問題点を絞り込む 3,その問題点の原因をさらに掘り下げる 4,掘り下げられなくなるまで掘り下げ、根本原因を見出す 5,根本原因を改善するための対策を実施する 6,二度と起こらないような仕組みを構築する
このような手順(方程式)を知り、それに沿って仕事をすすめれば、必ず成果は出ますし、何より効率的に進めることができるのです。
非常に優秀な人であれば、こうした方程式を自然と頭の中で組み立てながら仕事ができます。しかし、私のような凡人は、仕事を効果的に進めるための方程式を学び、その型に従って動くことで、初めて優秀な人と同じような仕事ができるようになるのです。
今こそ「土台」を見直すとき
皆さんのお店の店長は、「なんとなく」仕事をしていませんか?
成果を出せない人ほど、仕事に「なんとなく」取り組んでいるからこそ、結果に繋がりません。特に最近は、基礎的な知識や今回お伝えした「型」(方程式)を持たずに、表面的な理解だけで仕事をしている人を多く見かけます。
「棚卸しはなぜするのですか?」 「モチベーションとは何ですか?」 「原価率が上昇する原因は何ですか?」 「人時売上高は、どうやって計算しますか?」
こうした基本的な知識への問いに対して、正確に答えられる人は、店長レベルで20%程度、マネージャークラスでも50%に届くかどうかだと実感しています。
それほどまでに「土台」がない中で、上辺だけで仕事をしているから結果が出ないのです。だからこそ、仕事を効果的に進めるための方程式や、揺るぎない基礎知識を身につけさせる必要があるのです。
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