絶対的エースの前田健太投手がメジャーへと移籍し大きな穴が空いたにもかかわらず、25年ぶりの優勝を決めた広島東洋カープ。そして10月18日には黒田博樹投手が引退を表明するという、驚きのニュースも届きました。即戦力として大事な選手が抜けることは球団に限らず、会社などの組織にとっても大きな痛手です。無料メルマガ『ビジネス真実践』では、このカープの優勝を例に、優秀な人材が抜けた穴を埋められる組織作りについて解説しています。
それぞれの役割~広島カープに学ぶ
広島カープの絶対的なエース、前田健太投手がドジャースへ移籍したことで、チームにとって非常に大きな穴が抜けました。このことで、シーズン前は、良くてAクラスという下馬評が目立ちました。
ところが、いざシーズンが始まると、黒田投手はじめチーム投手陣が前田投手の分まで奮起、攻撃陣もそれに応えるように新井選手、鈴木選手を中心にチーム一丸となり快進撃を続け、ご承知のように下馬評を覆し、25年ぶりの優勝を決めました。
さて、このようなことは、どこの会社や組織にでも当てはまるところです。社内で突出した成果を挙げるトップ営業マンや、社長の右腕的存在の幹部などが、突然、退職することになったとき、会社としては大きな穴が空くことになります。そして、その穴はそのまま大きなリスクとなります。
「Aさんが辞めてしまった穴を埋めるのは大変だ」
「Aさんの代わりを努めることのできるヤツはうちにはいない」
など。しかし、時間は止まりません。Aさんというなくてはならない人材が抜けたことを嘆いている暇などありません。
確かに、現実的にはAさんが抜けた直後は、いろいろなところでその穴埋めや対処に翻弄されるかも知れませんが、全員でカバーしていくうちに意外とあっさりと不安が解消され、クリアになっていくものです。そういう時こそ、人材育成のあり方や会社組織のあり方を見直すチャンスでもあるのです。
私がかつて勤めていた会社では、突然、トップ営業の課長が退職したことがありました。社の50%以上の売上を支えてきていただけに誰もが行き先に不安を感じました。しかし、社内全員で課長の担当していた顧客をフォローし案件の引き継ぎも1つ1つ丁寧に対応していきまいした。
全員でカバーしたおかげで不安は一蹴されたのと同時に、課長1人に頼ってきた会社・組織の仕組みそのものがおかしいという議論になっていきました。つまり、このときようやく社内では、組織のあり方であったり、社内における部署を超えた個人の役割、人材育成のことなどを全員で考え共有するようになったのです。
飛びぬけた存在の人が抜けたときこそ、その会社の組織力の真価が問われます。人材育成ができているかどうかの真価が問われるのです。そして、そのときにこそ、改革・改善すべきことをきちんと施策し打ってでられるかどうかが重要となります。
施策をきちんと講じ、実行できれば、飛びぬけた人材にとって代わるほどの新たな人材が出てくることもあるでしょう。さらには、その新たな人材にも頼るのではなく、各部署、各人がそれぞれ果たすべき役割や責任においても整備し互いに補っていくことができる組織となるでしょう。
したがって、経営者は自社のスタッフの中で大きな戦力となっている1人が育ったあとも、次代の戦力を常に育てることやチームとして一丸に取り組める環境創りに注力しなければならないのです。
少人数の小さな会社ほど社長1人が前に出て頑張っている傾向が強いですが、その社長が過労で倒れたとしても、次に会社を引っ張っていくことのできる人間がいる、あるいは、それでも余りある組織力があるから、会社は安泰。そんな体勢を保つように努めていかなくてはなりません。
会社が存続する限り、そこで人は育ちます。そのフィールドを絶やしてはなりません。人材育成に、ゴールはないのです。
■今日のまとめ
「重要な人材が抜けても安泰な組織へ。」
- 社内で抜けられたら困る重要な人物、1名の名前を挙げる。
- 上記に挙げた人が、突然明日辞めることになっても動じないような組織とはどのような組織か? 考えノートに書く。
- 現在、上記で書き出した組織体制になっているかどうか? 確認し、ギャップがある場合、それを埋めるために必要な取り組みを考えノートに書き出す。
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