書店に並ぶ、数多くの自己啓発本。中にはタイトルを見ただけで、おおよその内容が分かってしまうものも多々ありますよね。しかし、そんな書籍であっても定期的に購読する、というのは無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさん。一体なぜ? そこには納得の深い理由がありました。
こころを律し続ける
一応私は、自分的には自分を律する事が出来る、一定レベルの倫理感を持っている真っ当な人間のつもりでいます。倫理的にやっちゃいけないことには、極力近寄らないようにしていますし、出来るだけ感情的にならずに、理性を立ち上げて、他者にとって良い未来に資することをやりたいと思っています。
そういう思考のウラ側には、エゴを抑える必要があるのだと説いたのがこの本です。
● 『エゴを抑える技術』ライアン・ホリデイ:著、金井啓太:翻訳/パンローリング
エゴとは自信や才能と呼べる範疇を超えた過剰な優越感や思いやりのことだと本書では解説しています。でも人間には、「自分は特別だ」、「自分だけは他の人と違う」という思い込みや、「誰よりも認められたい」という欲求があるんです。これを完全に消しきるのは難しいのですが、でもこのエゴが頻繁に出現すると人生はドンドンマズい方向に進んでしまうんですね。人生の落とし穴って材料はエゴで出来ているんですね。
そんな落とし穴にハマらないようにするにはどうしたら良いのか? が解説してあるわけで、詳しくは本書を読んで頂きたいのですが、正直言って本書を読んで、「目からウロコが何枚も取れました!」という人って結構ヤバいんですよね。ま、今気付いて良かったねぇ、危うく落とし穴にハマるところだったじゃん、って感じなんですよ。
私も読みましたけど、感想を言えば、「ま、これは当たり前の話を類書とは別の切り口で書いてあるんだね」くらいの感じで、そこまでこころが揺さぶられる感じはしなかったんです。これは自慢しているわけじゃないんですよ。この本を20年前に読んでいたら衝撃のあまり寝込んだかも知れませんけどね。
そしてこの本について言えば、アマゾンの紹介文を読んだだけで、こういう内容なんだろうなということも予想していたんです。それなのになんで改めて読むのか、内容が分かっている本を買うのか?なんです。
人間というのは一度や二度、道徳の本を読んだからといって道徳心が具わるわけじゃないんです。なぜならば日々、生きる事によってゴミが出て来て、それが澱のように溜まるからです。人生って清廉潔白な側面と、それとは真逆の側面が同時進行で、コーヒーとクリームが混ざり合ったような感じで溶け込んでいるんです。
そうすると誰しも少しずつ負の要素が蓄積されるのですよ。それを定期的に掃除する必要があるんです。一度徹底的に掃除をしてキレイにしたからといって、もう掃除をしなくても良い、という話にならないのと同じなんですよ。
常にキレイでいるためには、たまにはこころの掃除をしなきゃならないんです。
だから私は定期的にこういうこころを律することに資する内容の本を買い、読み続けるんです。つまり、真人間として生きるには、定期的に道徳心や倫理感を養う情報をインストールする必要があるよね、ってことなのです。
人間が人としての道を踏み外さないためには、自分のこころは弱いのだと認識して、だから定期的に汚れたこころに活を入れてこれをキレイにする必要があるんです。自己啓発ってそのためにやるんですよ。
最近じゃ自己啓発をバカにする人も出て来て、あんなもんで成功するわけがないとか、読んでも意味がないとか言う人が著名ブロガーやツイッターでのインフルエンサーにいるんですけど、結局そういう人たちってみなさん強烈なうぬぼれ心を持っているんですよ。つまり、
- オレが成功したのはオレがスゴかったからだ
- オレは余人よりも努力したから成功したのだ
- オレはこの世界では才能があるんだよ
- 自己啓発なんて知らなくても成功出来るんだよ
- オマエが成功しないのは努力が足りないからだよ
みたいな、成功の全ての理由が自分の内側にあるのだという傲慢感に満たされているわけです。
これ、この本を読めば分かりますけど、完全にエゴですから。
っていうか、良い大人が「成功したのはオレの力」なんて人様に言ってたら大バカ野郎ですよ。赤面せずに良くそういうことが言えるなぁと感心します。
自分がこうならないためには、継続してこころを律する必要があるんです。私はそのためにこういう本を読み続けるのですよ。