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灯台下暗し。世界で急拡大する「日本食需要」に乗り遅れる日本人

最近よく耳にする「日本食が世界的にブーム」という話題。海外で日本食は本当に人気なのでしょうか? 3月15日創刊の有料メルマガ「ロンドンで起業 ~日本食をヨーロッパへ~」の著者で、ロンドン在住の起業家・小池道隆さんは、ヨーロッパにおける日本食ブームの理由と現状を紹介。そして、小池さんはなぜロンドンで日本食を広めることを目的に起業したのか、その理由をメルマガ創刊前のサンプル号にて公開しています。

『世界で急拡大する日本食需要』に乗り遅れる日本人

在ロンドンの筆者が、起業・欧州・日本食をキーワードに月に1回メルマガを発行します。
邦銀での投資銀行業務、外資系コンサルタントでのプロジェクトマネジメント、小売・外食運営会社での事業経営の経験をもとに、海外での起業ノウハウ、欧州マーケットの今、日本食ブランド等のテーマから毎回トピックスを選んで皆様にお伝えします。
これから起業したい方、海外で働いてみたい方、日本食を欧州へ広げたいという方などの参考になれば幸いです。

ロンドンに訪問されたことのある方なら、すぐにお気づきになると思いますが、ロンドン市内には日本食レストランや日本食ファーストフード店が今や飛ぶ鳥を落とす勢いで増えています

ロンドンのラーメンブームの下地を作った、「Wagamama」、今やオフィスワーカーのお昼の定番になりつつある「Wasabi」、ニューヨークからやってきたブラジリアン・ジャパニーズ「Sushi Samba」など、人気店では予約もなかなか取れず、お昼のテイクアウト(英国ではテイクアウェイと言います)の行列も絶えません。もともと食のバラエティが乏しかったロンドンに、移民が増えることで食のバラエティが広がったことに加え、世界中の健康志向の高まりの中、日本食が健康食として捉えられているのが大きなポイントです。

加えて、日本食は美味しくて、見た目も綺麗だということで、ハイセンスな食事として人気を博しています。日本食は彼女をデートに連れて行くレストランで一番人気だとか。

一方で、味はどうかというと、もちろんピンからキリまでありますが、まだまだ平均的に美味しいとは言えないでしょう。特に日本人の舌からすると本当にこれが日本食かと思うようなものもたくさん売られています。イギリス人に言わせれば、「日本にある日本食のように美味しくはないのだろうけど、ここにはこれしかないからね」だそうです。まだまだ、日本食のポテンシャルを感じずにはいられません。

大人気な日本食ですが、日本食レストランのコンサルティングや日本食品の小売販売を行っている筆者は、「焦り」を感じています。

ロンドンの目抜き通りに連ねる先ほど挙げた飲食店ですが、どこも日本の資本は入らず、日本人が経営に関わっていないからです。もちろん日本資本による日本人経営の飲食店もありますが、圧倒的に多いのは非日本人経営のお店なのです。お寿司を握るのはフィリピン人だったり、ネパール人だったり、日本へ行ったことがない人がほとんどです。

そういう人達が、ロンドンで日本の味を作り出しているという現実があります。せっかく日本人として生まれ、日本の味を知っている筆者からしてみれば、「なぜもっと日本人が頑張らないのだろう」という思いで一杯です。そんな気持ちからロンドンで起業し、欧州の消費者に日本食の普及を目指し、日々走り続けています。

今後は、「ロンドンでの日本食レストラン開業ノウハウ」、「海外起業での苦労話」、「欧州の消費者マーケットの今」などをお伝えできればと思っています。

image by:Shutterstock

 

小池 道隆『ロンドンで起業 ~日本食をヨーロッパへ~』

『ロンドンで起業 ~日本食をヨーロッパへ~』

著者/小池 道隆

在ロンドンの筆者が、起業・欧州・日本食をキーワードに月に1回メルマガを発行します。邦銀での投資銀行業務、外資系コンサルタントでのプロジェクトマネジメント、小売・外食運営会社での事業経営の経験をもとに、海外での起業ノウハウ、欧州マーケットの今、日本食ブランド等のテーマから毎回トピックスを選んで皆様にお伝えします。 これから起業したい方、海外で働いてみたい方、日本食を欧州へ広げたいという方などの参考になれば幸いです。

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