人気コンサルの永江一石さんが、さまざまな質問に答えてくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回、読者から寄せられたのは、「落語はビジネスに役立つという話は本当?」という質問です。日本が誇る伝統芸能として、海外でも高い評価を受ける落語ですが、その話芸は相手に知らないことを伝えるのに役に立つと言われているがそれは本当か? という質問に対して、永江さんは何と答えたのでしょうか?
落語は仕事に役に立つ?
Question
メルマガいつも楽しく拝見させていただいています。さて、私はエンジニアとして経験も長くなってきましたが、同業者の方と会うと、時々落語を学んでいる方(もしくは見ている方)に会うことがあります。
これは何故なのだろうと思い、調べてみたところ、相手にわからないこと(エンジニアであればプログラムの仕様など)を伝えるのにとても役に立つという記事を見ました。
ただ、これであればプレゼンテーションやブログなどでも幅広く活用できるのでは、と思い、永江様が落語に対してどのように考えているかを伺いたく質問させていただきました。お手数ではございますが、よろしくお願いいたします。
うーん、落語はよく早朝サーフィンに行く車内でラジオを聴くぐらい好きなのですが、「相手にわからないことを伝えるのにとても役に立つ」というのは正直、取って付けたような違和感を感じますね・・
それよりも落語の魅力って「聞き手の想像力を掻き立てられるところ」だと思うんです。
ブログにも何度も書いた通り、ビジネスで最も必要な力の一つに想像力があるのですが、それってアニメや映画のように何もしなくても視界に絵が入ってくるようなものじゃ全然鍛えられないんです。その点、小説や落語は頭の中で一人ひとり違った情景を思い浮かべられるので、自然と想像力が養われますよね。
特に一流の落語家って蕎麦を食べる時もリアルにその様子が思い浮かぶように身振り手振りや話し方を工夫していますし、熊さん八っつぁんのような古典落語も登場人物の容姿など細かくは語らず、聞き手の受け取り方に委ねられています。
このように想像力を鍛える訓練になるところが落語の一番の良さだというのがわたしの意見です。