大人には到底思いつかないような子供たちの想像力に驚かされること、多々ありますよね。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが、スリランカで起きた災害の復興支援のために立ち上がった起業家が体験した、子供たちの驚くべき起業スピリッツを紹介されています。
周りから協力、支援を受けるには?
『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』
ジョン・ウッド 著 矢羽野薫 訳/ダイヤモンド社
ジョン・ウッド氏のご著書『マイクロソフトでは出会えなかった天職―僕はこうして社会起業家になった』を拝読しました。
ジョン・ウッド氏は、ネパールやベトナム、カンボジア、インド、スリランカなどの国々に、英語の児童書の寄贈、学校や図書館、コンピューター教室の建設、女子児童への長期奨学金の提供などを行う「NPO ルーム・トゥ・リード」をアメリカに設立し、グローバルに活動している社会起業家です。
本号では、同著の中で、子どもたちが、起業家精神、企業スピリッツを発揮した場面が著されていましたので、ご紹介するとともに考察していきたいと思います。
スリランカが、地震による大津波によって、多くの村にあった学校が失われたり、ひどいところでは、村全体が流されるなど、多大な被害がもたらされました。
その時に、ルーム・トゥ・リードは、多くの人々に資金提供などの支援を呼びかけました。この呼びかけに、子どもたちは、起業家精神、起業スピリッツを発揮した行動を起こしたそうです。
ある女の子は、アメリカのシアトルで、寒い土曜日に「ホットチョコレート津波救済基金」を名づけて、屋台を開きました。また、メリーランド州ベセスダのある高校では、支援金を集めるために、「バンド大会」を計画しました。また、同著の中で、ウッド氏が、一番気に入っていると著されているアイデアがあります。それは、「沈黙を売ります」です。
このアイデアは、ロンドンにある小学校のアイデアで、1時間につき10ポンドで、子どもたちは、自宅で静かに夜を過ごすというものでした。このアイデアは、親たちの間で大人気だったそうです。
親御さんである貴方なら、きっと子どもたちに「静かにしていて欲しい」と思われたことがあるのではないでしょうか。私も、親たちのニーズをとらえた、おもしろいアイデアだと思いました。このアイデアによって、親たちは、ゆったりとリラックスした夜を過ごすことができたのではないかと思います。
スリランカの災害からの復旧、復興を支援するために、その支援金を集めるために行った子どもたちのこういったアイデアを、貴方は、どのようにお感じになるでしょうか。ジョン・ウッド氏は、こういった子どもたちの行動に対して、協力したいという熱意や独創性に圧倒された、また、資金集めの才能があり、自由に考えさせれば、すばらしい起業家精神を発揮する、と述べられています。
私が、児童、生徒の頃に、上記のような何かを支援するボランティア活動といえば、たしか商品についているベルマークを切り取って、学校に持っていったり、学校から依頼されて、親に鉛筆を買ってもらって、それが支援金になるといったことがあったと記憶しています。しかし、自分たちが、先程の子どもたちのように自発的にアイデアを出して、何かを支援するために資金集めなどをしたことはありません。貴方は、こういった体験、経験をしたことはあるでしょうか?
災害によって破壊されたスリランカの学校の再建を支援するために、子どもたちが、様々なアイデアを実行したことを紹介しました。ここで重要だと思ったのは、「自分たちに、何ができるかを考えて、自らアイデアを出して、実際に行動を起こす」ことだと言えます。
実社会の中、とりわけビジネスの社会においては、一人ですべてが完結することは、なかなかありませんね。何らかの形で、周りの人たちの協力、支援を受けることが多いでしょう。そういったことからも、これから子どもたちが、実社会に出た時に、周りから協力してもらう、支援してもらう、応援してもらうことができる力が必要ではないでしょうか。
そして、子どもたちが、自立・自律型人財に成長する上でも、このような体験、経験を積む機会があると良いのかもしれませんね。
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