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世界のアメリカ離れが加速。中国からもナメられ始めたトランプ外交

いわゆる「ロシアゲート」疑惑で、じわじわと追い詰められつつあるトランプ大統領。G7でも強気の姿勢は相変わらずでしたが、そのちぐはぐな外交や内政に対して国内外から上げられる非難の声は高まるばかりです。日本はこのまま米国追従の姿勢を取り続けていいものなのでしょうか。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんは、トランプとその娘婿にして大統領上級顧問を務めるクシュナー両氏の「為政者としての規範のなさ」が同盟国・日本を含めた世界を混乱に陥れる原因だとした上で、トランプ大統領弾劾の可能性とその時期、さらに「第2次朝鮮戦争」の可能性にまで踏み込んだ分析を行っています。

トランプ政権の今後と世界

トランプ弾劾の方向で進んでいるが、その弾劾で世界はどうなるのであろうか? 検討しよう。

トランプ大統領の外交・内政がおかしい

トランプ政権には、外交専門家がほとんどいないことで、中東政策がおかしい。イスラエル寄りは仕方がないが、イラン敵視政策はいかがなものなのか。IS撲滅の先頭に立っているのは、イラン革命防衛隊であり、シリアの正常化にもイラン軍が強力にサポートしている。

そして、米国は、そのシリアのアサド政権の支配を認める方向であり、クルド勢力もIS打倒のために、武器を援助している。米国が中東から撤退の方向と思いきや、イスラエルとサウジアラビアを訪問したトランプ大統領は、イラン包囲網の形成に関与して米国も応分の役割を務める方向になった。今までの米国は石油支配という目的で中東政策を行ってきたが、シェール革命で、中東の石油支配という目的は必要なくなった。

このため、全体の中東戦略はどのようなものか、どうにもわからない状態である。全体の戦略がなく、その場その場をつないでいるだけの外交政策に疑問符が浮かぶ。

G7サミットやNATO会議でも、保護主義を主張し、欧州の応分の負担を求め、欧州、特にドイツにつらく当たっている。そして、ロシアには機密情報を漏らし中国からクシュナー氏に多額の賄賂が送られて篭絡されて、アジアでの中国の行動を抑制しないことで、東南アジア諸国、特に反中国であったフィリピンとベトナムが中国寄りにシフトしている。東シナ海で中国の圧力を感じる日本にとっても、非常に気になる外交姿勢である。

また、米国第一主義の保護主義で世界経済の縮小が起こりかねず、民主主義国家群の欧州や日本にも将来的に大きな痛みを伴うことになる。

このため、ドイツのメルケル首相は、離米の方向を打ち出してEU統合軍にシフトして、NATO軍を縮小する方向に向かい始めている。

日本にとっても、クシュナー上級顧問の中国からの賄賂で、中国寄りな政策をすることが目に余る状態になっている。

このため、一層の北朝鮮に対する制裁の強化に中国はクシュナー氏に賄賂を贈った見返りとして、これ以上の協力しないと宣言したようである。そして、韓国は北朝鮮との対話政策にシフトして、民間団体の北朝鮮訪問を認めている。THAADの配備も見直すことになりそうである。米国の思惑とは違う動きが出てきた。

米国は、技術者就労ビザ「H-1B」の申請件数を大幅に絞るというし、科学技術予算を大幅縮小するというし、移民をさせない方向であり、米国の経済力や科学技術力の衰退が将来的に予測できることになる。また、オバマケアの予算も減らして貧困者を窮地に追いやり、農業の補助金を止めて、大幅減税を行い富裕層を優遇して貧富の差を拡大することになる。このことで中産階級を一層つぶすようだ。

このため、中国、韓国、ロシア、東南アジア諸国、欧州も米国の衰退を予測し始めている。特にトランプ大統領の弾劾が進むと予想して、米国抜きの政策を推し進めることになる。離米反米が力を持つことになる。

中国の躍進

中国は、予算を軍事力増強に振り向けて科学技術研究費を増加させて、特許申請数では米国を抜くまでになってきた。製品の質も向上して、中国製スマホのシェアが向上している。サムソンやアップルを追撃し始めている。

一帯一路の投資は70兆円にも上り、しかし、中国国内に90%以上の投資を行っている。そして、AIIBに米国は参加する方向のようである。クシュナー氏に賄賂を送り、金のためなら国を売る行為をする米政権を組し易しというかバカにし始めている

このような行為をすると、中国の古典である「為政三部書」など見るまでもなく、国を亡くす行為であることがわかる。中国の為政者など多くの為政者が、戒めていることであり、為政者としての規範が現在の米政権にはないことを示している。クシュナー氏もトランプ氏も為政者としての規範がないことが、世界を混乱に陥れる原因のような気がする。

その表れが、中国が北朝鮮への制裁強化を行わないとしたことである。しかし、それでは示しがつかないとクシュナー氏から言われて、形だけは強化するとした。しかし、完全に米国をバカにしている。

米国の南シナ海での海軍派遣に対して、中国は多数の戦闘機を送り、米国の行動を邪魔し始めている。このようなことを行うほど、米国をバカにし始めたのだ。南シナ海では米中の逆転が近いように感じる。

そして、米中接近で、クシュナー氏に賄賂を贈らない日本は苦しい立場になっている。為政者としての規範がないクシュナー氏に賄賂を送りべきであったとみるが、後の祭りである。

今の米国は欧州や日本などの民主主義国を窮地に追いやり、独裁国家中国を飛躍させることになっている。

トランプ政権崩壊はいつか?

米国内でも「ロシアゲートでの弾劾が進むことになる。特にターゲットはクシュナー上級顧問である。中国からの賄賂で外交政策が全般的におかしいのは、米国の外交専門家が見ても明らかである。

クシュナー氏を排除しないと、世界の民主主義国が困る状態なのは、5月連休中に日本の安全保障・外交系議員たちが中国優遇の米国政策を止めてほしいしたことでもわかり、米国の国を売る行為を、為政者として許すことができないからである。

そして、2018年予算教書は、共和党でも大きな勢力を持つフリーダム・コーカスの希望の方向であり、予算削減で大幅減税を行うことである。共和党の支持を得て、弾劾を逃れようとしている。しかし、この予算は議会を通るはずがない。これほど米国民を苦しめる予算もない。

トランプ大統領がCIAやFBIなどが世界的ネットで集めた機密情報をロシアに漏らしたことで、英国の機密情報をFBIの要員がメディアに漏らし、英国は米国に機密情報を提供しないとした。トランプ大統領が規範を無視したことで、政府職員も規範を無視し始めている。また、コミーFBI長官を辞めさせたが、次の候補は辞退して決まらない。このようにトランプ政権は崩壊過程にある。

私は、短期的には弾劾は難しいと思うが、クシュナー氏の辞任はあり得るとみる。このクシュナー氏の企業が米国の権力を利用して中国でのビジネスで不当で大きな収益を上げることは、許してはいけないことだからである。

バノン氏が復権することになるが、クシュナー氏より外交政策にも戦略性を感じるし、少なくとも中国から賄賂を受け取ることはない。中国に対する態度もより強いはずであり、日本にとってはクシュナー氏より良いはずである。もちろん、米国第一主義になり、その面では、厳しいかもしれないが、クシュナー氏より規範があるだけ良いと思う。米国のことを真に思って政治をすることは確かであるからだ。

しかし、この状況下でも米国の株価が上昇している。米国の投資家は楽観主義者が多いが、その理由はトランプ大統領が辞任して、ペンス副大統領が大統領になれば米国経済はよりよくなるという期待感からである。しかし、この投資家の楽観主義を心配して、イエレンFRB議長は、6月の利上げに踏み切ることになる。この利上げで株価を抑え込み、バブル形成を押さえたいようだ。

北朝鮮問題が再度テーマに

この状況で、米空母ニミッツを西太平洋に送るという。米西海岸ワシントン州の海軍基地を6月1日に出港する。空母カールビンソンの代わりに送られることになるとみるが、3隻の空母が一時的に北朝鮮対応で、日本海や東シナ海に揃うことになる。

戦争が始まるのは空母3隻が揃うときであるので、その時が来たことになるようだ。丁度、トランプ弾劾の調査が起こるときであり、新聞や報道機関は、連日弾劾の行方を報道することになる。

この時戦争が勃発すると、報道機関は弾劾より戦争の方向に報道が向かい、弾劾の圧力が減ることになる。

もう1つ、北朝鮮に融和的な韓国からTHAADの撤去を求められる方向であり、その時は、韓国から米軍撤退をするし、それが戦争になる可能性をより一層高めることになる。そして、悪いことに韓国は戦争になるという危機感がない。

一方、米国は、韓国人が10万人死のうと韓国政府の責任ということになる。

さあ、どうなりますか?

image by: 首相官邸

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【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

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