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子供のスマホを黙って見たらLINEいじめを発見。親はどうすべき?

実に中学生の7割以上が所持しているというスマホ。SNSによるいじめの数も年々増加の一途を辿っています。今回の無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、「子どもに黙ってスマホを見てしまったらいじめの痕跡があった」という親御さんの相談を受けた同ネットが、親子関係を傷つけずにいじめに気付いたことを知らせる方法を提示しています。

子供のスマホを覗いたら、いじめを見つけてしまった!

梅雨の季節になりました。しばらくは重苦しい天気が続きそうです。

この6月は、いじめが多くなってくる時期でもあります。昨日、事務所に「息子のスマホに、友だちからひどいメッセージが入っていた」という相談が入りました。SNSを使ったいじめです。「SNSいじめ」と呼んでいいと思いますが、私たちのところに来る相談の殆どは「LINEいじめ」です。それ以外にも、twitter、掲示板、facebook、instagramなどでもいじめが起きています。

対処法としては、相手が見知らぬ全くの他人からの誹謗中傷でしたら、アカウントを削除してしまうのが一番簡単で、最も早く解決します。しかし、子供たちの「SNSいじめ」は、ネットの中で起きているわけではありません。大半は、リアル、つまり現実の友達関係、クラスとか学校とかで「相手が分かる関係」の中で起きています。従って、いじめの対処方法は、原則、「学校に相談する」ことで解決します。より詳しくは、ホームページ(注1)、もしくは書籍(注2)を参考にしていただければと思います。

さて、今回は、「親がSNSいじめを見つけた」という場合の対応について考えてみたいと思います。

保護者が「頭が痛い」と感じるのは、親が発見したスマホの中のいじめを、「親子関係を傷つけないようにいじめられていることに気付いたよ」と伝える方法だと思います。なぜ悩むのかと言えば、「黙ってスマホを見た」ということに負い目を感じてしまうことが多いからだとも言えます。

さらに、「スマホ読んだよ」と言えば子供がキレて「うるせー。なんで、勝手に読んでんだよ」と怒り出すことが予測できてしまうためになかなか言い出せないということもありますね。こうなってしまうと、いじめの話は全くできなくなってしまいます。日を改めて、話そうと思うのですが、一度こじれると、お互いに話題にしにくくなるのが一般的です。しかし、その間にもいじめは進行していくのです。

では、こうならないようにするために、いくつかの提案をしたいと思います。一点目は、正論ですが、実際には難しい方法です。それは「私が、スマホを見てもいいようにしておくこと。この約束を守るならスマホの料金、払うよ」と子供と約束しておくことです。加えて時折、確認することも忘れてはなりません。これができていたら、「スマホ見たけど、もしかして、いじめられてる?」と簡単に切り出せます。でも、これができる家庭はそう多くありません。思春期の子供たちは独立心が芽生えますので特に難しくなります。

では、二点目としては、「子供にスマホを見た」と言えない場合の提案です。最良なのは「本人から話させる」ことです。これが一番です。本人が「話したくなる」ように持っていくことができたら最高の対応と言えます。ここは親の腕の見せ所、工夫のしどころと言えます。

より話しやすくするために、「話のきっかけ」を、振ってみましょう。新聞やテレビのいじめ問題を振ってみる、あるいは単に学校や友だちの近況などを振ってみることで、話のきっかけになることがあります。私たちのところにあった相談では、「学校から帰ってきて、すぐ部屋で泣いていて。理由を聞いたら、息子が話してくれたんです」あるいは、「娘が一晩中、LINEしていて。問いただしたらいじめられているとのことでした」など、子供の様子をきっかけにして、いじめを告白してくれることがあります。ですから、「昨日、スマホ、あまりいじってなかったね。どうしたの?」、「近頃、おかしいよ。朝、つらそうだし。何かあった?」、あるいは、「○○ちゃんのお母さんが電話してきてね、あんたのこと心配してたんだよ」などの切り出し方も良いと思います。「ちょっとうまく行っていない」と言い出したら、しめたもの。さらに、状況によっては、実際に、学校に様子を見に行くことも考えてみてください。学校に行ってきて「今日、学校に行ってきたんだ。あなたいじめられてるよね。わかるよ」ここまで言えば、何らかの答えはでてくると思います。

そして、三点目。緊急を要するような時には、反発されることを覚悟の上で、ぶつけなければならない時もあることを知っておいていただきたいと思います。いじめによって、精神的に不安定になったり、身体の不調を訴えるような時が、その時です。すぐにでも対処し、子供に安心感を与えなくてはなりません。ですから、「ごめん。心配だったからスマホを見たよ」と思いきって打ち明けて下さい。さらには「あなたは悪くない。学校休んでもいいから」などの言葉をかけて親が「絶対に守るという姿勢を示してあげてください。追い詰められているような時には、「スマホを見られた」ということでの反発よりも「助けてもらえる」という安心感の方が先に立つものです。

「SNSいじめ」は、ある意味で「未知なるものへの恐怖」を伴っています。よくわからない、知らないということで恐怖心が倍加してしまいます。ですから、子供たちがよく使っているアプリについては保護者も概要を知っておくようにすることが大切です。一度は使ってみて下さい。大半の保護者の皆様は、すでにSNSを使っていることとは思いますが、まだの方は、まずはLINEを使ってお子さんとメッセージを交換できるようになっていただきたいと思います。併せて、スクリーンショット画面の画像の撮り方を身につけておいていただきたいと思います。何か起きた時には、この画像データが、いじめの証拠として使えます。

なにかお困りのことがありましたら、ご遠慮無くご相談ください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

注1:ホームページ「いじめ解決方法」 

注2:参考書籍『いじめは犯罪!絶対にゆるさない!いじめに悩むこどもたち、お母さんたちへ』井澤一明著(青林堂刊)

image by: Shutterstock.com

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「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。

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【著者】 いじめから子供を守ろう!ネットワーク 【発行周期】 週刊

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