新しい商品やサービスを開発しようとするときに狙える可能性のあるもの、それは大手企業がまだ手を出していない「ニッチな層」向けの商品を作ること。しかし、ニッチであるが故に「どれくらいの販売数が予測できるか」を判断するのはなかなか難しいもです。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』では、人気コンサルの永江一石さんが、読者からの「ニッチな商品の販売数を予測するにはどうすればいい?」という質問に、ご自身の経験も踏まえて回答してくれています。
ニッチ商品の販売数を見積もる方法
Question
ニッチな商品を販売するときは、どのように販売数を見積りますか?
例えば、ニッチすぎるジャンルの本を販売するとき、協会が発表している人口が一万人だとしたら、その何パーセントは買うだろう?とか、検索ボリュームから考えて、いくつは売れるだろう?など見積りセンスを培いたいです。
もちろんニーズにあった良い商品を作れるかが大切だと思いますが、そうは言っても人口の10パーセント買う可能性は低いと思ってます。
200個売れればペイすると分かっていても、どこまでニッチなら可能性があるのかなど、精度高く見積れるようになりたいと思っています。
永江一石さんの回答
「ニッチな商品」というのが何のジャンルか分からないので趣味の話だと仮定してお答えしますね。まず最初にちゃぶ台をひっくり返すようで申し訳ありませんが、協会が発表している人口を基準に考えている時点で無駄だと思いますね。
協会の公式データなんて割増して発表するのが普通ですし、例えばスノーボードやスキーでもシーズン中に十回は行く人から1年に1回しか行かない人まで千差万別ですが260万人ということになってます。1年に1回、レンタル道具でスノーボードやるひとでも趣味欄にスノーボードと平気で書くからです。
次に、商品を開発するなら「人口の10%が買う」程度ではなく「そのジャンルに関わる人が100%絶対に買いそうな」ものを作らないとダメだと思います。
例えばサーフィンならスマホで波情報を配信してくれる有料アプリがあるのですが、これは初心者からプロまで全員必須と言っても過言ではないものです。月300円ですが、現にわたしは3種類のサービスに登録しています。なぜならせっかく週に1~2回遠出して海に行くのに、波がなければ全くの無駄足になってしまいますよね。
ちなみに波情報のアプリの売り上げはトップ1社3000万/月といわれていて300円ですから10万人です。大手3社で30万人ではなくてダブっているのでフィン人口はせいぜい20万人と思うのですが、団体では200万人と自称してます。1回でもサーフィン体験した人を全部入れても足りない数字です。若い頃にやってた人も全部入れてるのかな。
まあ団体の公表する人口なんてこんな感じで10倍くらいになってるものと思います。
そのためにはまずそのジャンルの総人口を把握することが大切です。協会の数字を鵜呑みにするのではなく、アニメでもゲームでも売れ筋の商品やヒットランキングなど常にチェックして自分で情報を分析することから始めてみてはいかがでしょうか。
で、少なめに見積もったコアな層が「絶対欲しい」と思うようなものを作る。これならまず間違いないと思います。
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