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なぜ「新聞」はここまで読まれなくなってしまったのか?

メルマガ読者からの質問に、敏腕コンサルの永江一石さんが回答してくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回のメルマガ読者さんからの質問は、ズバリ「新聞社に未来はあるのか?」です。スマホの普及により、キュレーションサイトやネットニュースが一般化し、紙媒体である新聞を読む若い世代は少なくなっているといいます。はたして、永江さんが考える新聞衰退の最大の理由とは?

新聞社が収益を上げるには

Question

スマホの普及もあって、新聞を読む人はどんどん減少しています。いまや電車の中で新聞を開いているのは一部のオジサンくらいです。若い人は新聞を全然読まなくなっているので、全国紙も地方紙もどんどん経営状況が悪化しています。

これまで、あぐらをかいてきた新聞各社の戦略ミスなのでしょうが、デジタル版でそれなりの収益をあげているのは専門紙の日経くらいです。一方で、独自取材をほとんどしていない、Yahoo!やキュレーションメディアは儲かっています。

新聞社が、張り巡らせた取材網を維持するのもかなりの費用がかかっています。今やマスコミを志望する優秀な人材も減ってきているそうで、会社の将来性がなければ、なおさら取材力も落ちていくと思われます。

新聞社、特に地方紙が収益をあげていくためには、どういった方法が残されていると思われますか?

A:永江一石さんの回答

新聞社については以前東京の大手3社の経営陣に呼ばれて一度お話ししたことがあるのですが、「地方の新聞紙が収益を上げるには」というと答えは一つで

「経営陣を総入れ替えすること」ですね。それが出来ないと一歩も前に進みません。w

というのも、過去に何度もブログに書いてますが、

「新聞販売店復活の秘策を考える」

● 「新聞はいま、誰が読んでいるのか」

いまなぜこんなに新聞というメディアが衰退したかというと、一番の要因は「経営陣のリテラシーとマーケティング意識の欠如」だと思うんです。

つまりこれだけ危機的状況にも関わらず「新聞や紙の本を読まないなんて時代はケシカラン」というだけで、根本的な対策を打たずにきた。そのツケが今になって回ってきているというわけですね。

ではどうすればいいかというと、ネットへの移行しか方法はないと思います。
ただそうすると記者上がりの経営陣は紙の新聞の記事をそのままネットに上げればいいと安易に考えるのですが、そうではなく「ネットに親しむ層が何を求めているか」をきちんと考えないといけません。ネットと紙では読者層が全く異なるんです。

ではネットではどんな内容がウケるかというと、わたしがまず考えたのは「紙の新聞でボツになったものが使えるのではないか」ということです。というのも、実は新聞って記者が取材した記事が全て掲載されるわけではなく、新聞社にもよりますが8割はボツになるんだそうな尖りすぎているものとか、みんなボツ。

そのため例えばアニメに強い記者が書いた秀逸なレビューがボツになったり、個人の特性を生かしきれていない例はいくらでもあります。中には綿密に取材しても5本に1本しか掲載されず、やる気を失う記者も多いとか・・。

であればそれをガンガンネットに載せ、PVに応じて報酬に加算するようにすれば手応えもありますし、モチベーションも上がると思うんです。ネットでは逆に尖ってる方がウケる

ほかにもこれは! というのがあるんですが、大事にとっておきます。w

新聞とネットが最も違うのは「受動的メディア」か「能動的メディア」かという一点です。つまり新聞やテレビは受け取ったものに目を通すだけですが、ネットは読みたい情報を自分で探して取ってくる

その違いをしっかり理解できる経営陣に変えないと、10年後に新聞の未来はないと思います。

image by:Shutterstock

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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